助産師確保を図るため、浜松医科大(浜松市東区)は平成20年度から、看護学科内の助産師課程を独立させた「助産学専攻科」を新設する。養成定員数は移行期間となる2年間は従来の年間6人から10人に増加、将来的には20人前後を目指す。同科の設置は国立大では2校目。
 
養成課程はこれまで、通常授業と並行して行われていたため、十分な時間を確保できず、養成人数が限られていた。同大では育成体制が強化されるとしている。
 
出願資格者は、看護師(受験)資格があり、大学卒業または卒業見込みの女性。出願期間は17日〜23日。問い合わせは同大入試課 053-435-2205
(浜松医大 新年度から助産学専攻科を新設)


保健師助産師看護師法(保助看法)第3条において、「助産師」とは「厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じょく婦若しくは新生児の保健指導を行なうことを業とする者をいう」と定義されています。

もちろん、助産師国家試験に合格しなくては、資格を得られません。助産師の特徴的なものは、医療法第2条における「助産所」を開設できることであり、あわせて出生証明書、死産証明書など診断書に類する書類を発行できることができます。

受験資格としては、
(孤科学大臣が指定した学校において6か月以上助産に関する学科を修めた者
厚生労働大臣の指定した助産師養成所を卒業した者
3姐颪僚産師業務に関する学校もしくは養成所を卒業し,または外国において助産師免許に相当する免許を受けた者

とあります。

現在では、4年制大学(看護大学などで)に選択制の助産コースを設置している大学や、短期大学の助産専攻科、助産師学校などがあるようです。ただ、看護大学などでは時間的な制約が大きく、十分な助産技術が習得できないなどの理由から、最近では助産師教育を担う大学院や専攻科などが設置され始めているそうです。

産婦人科医が減少しつつある中、助産師の存在意義が大きくなってきていると思われますが、その一方で制度の面で以下のような問題があります。
2007年4月の医療法改正で、助産所には病院との間で緊急時の妊婦搬送の提携をするよう義務づけられました。ですが、産科医不足が原因で、提携病院が見つからないという事態が起こっています。結果、一部の助産所は廃業に追い込まれる可能性も出てきています。

テレビでも取り上げられる機会がありますが、助産所は家庭的な雰囲気の中で、自然分娩ができることなどから、根強い利用者が多いといわれています。厚生労働省の調べでは、助産所数は全国で推計691ヶ所。平成17年の助産所での出生数は1万676人。ここ10年ほど安定して、1万1,000人前後で推移しているそうです。

ただ、全国の助産所の3分の1(34%)が、出産時の異常に備えて妊婦を搬送する病院を確保できていないことが10月2日、NPO法人「お産サポートJAPAN」の調査でわかっています。結果、2008年3月までに確保できなければ(連携体制の構築には1年間の猶予期間がある)、出産を扱えなくなってしまいます。

この背景として、産科医不足などを理由に、提携を断られている事例が相次いでいるとのことです。さらに、病院の側に、文書で緊急搬送先の提携をすることへの警戒感(責任問題へ発展しかねない)と提携を渋ることが原因となっているようです。

「助産学専攻科」ということで、お産の現場の安定化などが図れるという期待もあるかと思われますが、上記のような現実的な問題もあります。「助産師は増えたが、助産所の運営が出来ない」といった問題を解決する必要が大前提としてあるかと思われます。

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