レーザーで角膜の形を変えるレーシック(LASIK)手術により、強度の近視を少なくとも10年間は効果的かつ安全に矯正できることが示され、医学誌「American Journal of Ophthalmology」1月号で報告された。
 
近視は水晶体あるいは角膜の屈折が強すぎることにより生じるもので、米国オプトメトリック協会(AOA)によると、米国ではほぼ3人に1人が近視であるという。近視を矯正するレーザー手術は1990年前半から実施されているが、長期的な効果についてはこれまで不明であった。今回、スペイン、ミゲル・エルナンデスMiguel Hernandez大学およびトルコ、アンカラ大学医学部の研究グループが、レーシック術を施行した196眼を対象とする10年にわたる研究の結果を報告した。

研究グループは、手術前に20/20(1.0に相当)の視力を得るのに10ジオプターの矯正が必要であった患者118人のデータを収集。ジオプターとは、水晶体の屈折を示す単位で、10ジオプターの矯正は強度の近視であることを示す。術後10年で評価を行った結果、ほとんどの患者にある程度の視力回復が認められ、40%は眼鏡の使用が完全に不要となった。10年後、手術を施行した眼の61%が2ジオプターの矯正範囲内であった。レーシック術の副作用と思われる角膜拡張症が認められたのは1%にとどまった。10年の間に再治療を必要とした患者は約3分の1(27%)であった。

レーシックの技術には限界があるとする予測に反し、今回、強度近視患者への効果と安全性について長期的にみても非常に優れているとの結果が示されたと、研究を率いたスペインのJorge L. Alio氏は述べている。
(レーシックによる視力矯正は長期的にも有効)


レーシック(LASIK:Laser in Situ Keratomileusis)とは、角膜屈折矯正手術の一種で目の表面の角膜にエキシマレーザーを照射し、角膜の曲率を変えることにより視力を矯正する手術のことです。

陣内智則さん千原兄弟、東野幸治さんも受けたと言われています。

マイクロケラトームとよばれるカンナのような機械で角膜の表面を薄く削り、フラップ(ふた状のもの)を作り、めくります。そこで露出した角膜の実質部分にエキシマレーザーを照射し、角膜の一部を蒸散させます。その後フラップを元の位置に戻し、フラップが自然に接着するまで(約2〜3分)待ちます。

屈折矯正手術としては、エキシマレーザーを用いて角膜表層実質を切削するレーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)とレーザー角膜切削形成術(レーシック;LASIC)が一般的であるといわれています。中でもレーシックは、術後の痛みはほとんどなく、裸眼視力も術後早期より安定し、上皮化混濁も基本的に起こらないため、いわば主流となっていると思われます。

ただ、以下のような問題もあると思われます。
上記にもあるとおり、低いとはいえ、他の手術同様に失敗や、術後合併症(感染症など)のリスクがゼロではありません。また、角膜厚が足りなかったり、合併症(白内障・緑内障・網膜剥離・結膜炎など)があるなどで適応できない人がいます。さらに、比較的新しい手術法であるため、長期的な予後はどうなのか、といった問題もありました。

上記の結果では、「術後10年で評価を行った結果、ほとんどの患者にある程度の視力回復が認められ、40%は眼鏡の使用が完全に不要となった。10年後、手術を施行した眼の61%が2ジオプターの矯正範囲内であった。レーシック術の副作用と思われる角膜拡張症が認められたのは1%にとどまった」とあり、大きな問題は起こっていないようです。

最後の「角膜拡張症(keratectasia)」とは、潰瘍や炎症、変性、屈折矯正手術などの原因で菲薄化した角膜が、眼圧の影響によって前方に膨らんだ状態です。こうなると、再び角膜のカーブは強くなり近視化するばかりか、メガネでは矯正できないくらいの強い乱視を引き起こす可能性があります。これは、強い近視を矯正したり、円錐角膜などを見逃して近視、乱視を矯正した場合に起こるといわれています。

こうした長期的な治療成績などが蓄積していくことで、レーシックはより身近な手術になっていくと思われます。ですが、合併症が1%程度といえあるのは事実です。しっかりと納得した上で、受けられる方は手術に向かっていただきたいと思われます。

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