以下は、最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で扱われた内容です。

商店街で小さな酒屋を営むS・K(63)さんは、若い頃からかなりの大食漢。最近受けた健康診断でメタボリックシンドロームと診断されましたが、特に何の症状もないため、ピンときていませんでした。

そんなある日、突然、左目半分にカーテンがかかったような目の見えにくさを感じたS・Kさん。症状は1分と経たないうちに消えたため、そのままにしていましたが、半年が経った頃から新たな異変が襲いかかりました。具体的には、以下のような症状が現れてきました。
1)目が見えにくい
伝票を書こうとしたときなど、手元をよく見ようとしたとき、目が霞んでよく見えませんでした。ですが、その症状も一過性であり、あまり深刻に感じませんでした。
2)手のしびれ
上記同様、伝票を書くとき、手のしびれを感じました。
3)脚の痛み
ビールケースを配達する際、階段を上っていると途中で息切れがするとともに、脚の痛みを感じるようになりました。
4)全身の倦怠感
始めの症状が現れてからしばらくして、全身の倦怠感を感じ、グッタリとするようになりました。
5)ろれつが回らない
注文を電話で受けているとき、ろれつが回らなくなり、はっきりと話すことができなくなってしまい、その場に倒れ込んでしまいました。意識が混濁し、救急車で病院へ搬送されました。

こうした症状が現れ、病院に運ばれて緊急手術を受けることになりました。S・Kさんが診断された病名は、以下のようなものでした。
S・Kさんが、ろれつが回らなくなり、倒れたのは脳梗塞が原因でした。「脳梗塞」とは、心臓や首にできた血栓などが、脳の血管へ飛んで詰まらせ、脳組織が障害を受けてしまう疾患です。

脳梗塞の発症率は10万人に対して100〜150人、死亡率は10万人に対して約70人であるといわれ、死亡原因の中でも多くを占めている高頻度な疾患である上、後遺症を残して介護が必要となることが多く福祉の面でも大きな課題を伴う疾患です。

また、脳梗塞は脳卒中全体の約60%を占め、最も頻度の高い病型です。年齢が高くなるほど、動脈硬化が進むなどのため、その発生比率は上昇します。性比でいうと、3:2 で男性のほうが多いといわれています。

脳梗塞は、臨床上さらに脳血栓症と脳塞栓症に分けられます。動脈硬化巣を基盤として血栓が生じ、その末梢部組織が壊死に陥ったものを脳血栓症、他の部位に生じた血栓(栓子)が剥離し、末梢部の動脈閉塞をきたし脳に虚血性変化が生じたものを脳塞栓症といいます。

S・Kさんの場合、首の頸動脈が動脈硬化を起こしていました。これは、長年、カロリーオーバーの食生活を続けてきたため、血液中のコレステロールがプラークと呼ばれる脂の塊となって付着し、血管が狭くなっていました。そのプラークが、何らかのきっかけで一気に飛び散り、脳の血管を完全に詰まらせてしまい、結果として脳梗塞を引き起こしてしまったわけです。ゆえに、この場合は脳塞栓症といえるでしょう。

また、上記の症状は、全てこれらの動脈硬化が原因だったと考えられます。
一時的な「目の見えにくさ」や「手のしびれ」は、首の頸動脈から小さなプラークがはがれ飛び、目や脳の血管を詰まらせたために起きたもの。「足の痛み」や「全身の倦怠感」は、足や腎臓の血管が狭くなったことで血行が阻害され、その機能が低下したために起こったと考えられます。

そもそも動脈硬化というものは、どこかの血管だけで起こるものではありません。1ヶ所で見つかっていれば、他の血管でも起こっています。ちなみに血管の中でも、特に動脈硬化を起こしやすいトップ5が、
/澗,隆動脈
足の大腿動脈
首の頸動脈
た嫗,凌嫺位
ナ部大動脈

となっています。これらはいずれも、血管の分岐部やカーブがきつい場所であり、血流に渦やよどみが生じ、プラークが形成されるきっかけとなりやすいといわれています。

動脈硬化は、高血圧や動脈硬化、高脂血症などが原因で起こります。また、年を重ねるごとに、血管壁が硬くなり、次第に動脈硬化は進行していきます。S・Kさんの場合、長年に渡ってカロリーオーバーの食生活を続けていたことや、動脈硬化の進行を放置しつづけたことなどにより、脳梗塞が発症するに至ってしまいました。

健康診断などで高脂血症や高血圧などを指摘されましたら、ぜひともかかりつけ医を訪れるなどして、定期的な診察や治療を受けていただきたいと思われます。

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