来月行われるリオのカーニバルに備え、ブラジルのモデル、アンジェラ・ビスマッチさんは42回目の整形手術の準備を進めている。さらに、「整形手術の回数が最も多い女性」としてのギネス入りも目指すという。

彼女は受けた整形手術の多さから、ブラジルでは有名人となっている。ブラジルの整形ブームの火付け役ともなった。ブームは貧困層にも及び、わずかな給料を整形につぎ込んでいる人もいるという。
(美人モデル、42回目の整形手術に挑戦)


一般的に形成外科とは、「先天的もしくは後天的な身体(表面もしくは表面に近い組織、器官)の形状や色調の変化、変形などを主に外科的手技により、形態的かつ機能的にできるかぎり正常に再建し、患者の社会復帰を助けることを目的とする外科学」と定義できるかと思われます。

大きく分けると、再建外科と美容外科に分けられると思われます。
・再建外科
再建外科とは、主に種々の疾患や外傷に伴う組織の欠損、変形などを修復するものです。対象となる疾患は、口唇・口蓋裂、四肢・頭蓋の先天異常や瘢痕、各種組織欠損、外傷、顔面骨折などがあります。他にも、乳癌の手術に対する乳房再建術などがあると思われます。

・美容外科
美容外科は、一般的に「整形手術」といわれるものです。機能的にはほとんど問題がなく、純粋に形態的な問題を取り扱う分野といえます。すなわち、美容外科手術は、正常ではあるが自己の容姿に対し何らかの不満を抱いている患者に対し、身体外表の形態をより審美的に改善することを目的とした外科であるともいえるでしょう。

手術範囲は、眼瞼や鼻部、下顎角や頬骨など顔面の骨格から、乳房、腹部や殿部の皮下脂肪といった体型に関わる手術、また老化に伴う顔面のしみ、皺やたるみを改善するなど、さまざまな身体的形態が手術の対象となり得ます。

患者さんではなく、(医学的には)正常者を対象としており、また手術目標が主観(美醜というのは、主観の最たるものでしょう)により決定されるという点が大きな特徴でしょう。さらに、保険適応がなく、医師の倫理観が大きく問われる分野ともいえると思われます。

ただ、現在の美容外科業界においては、以下のような問題があると思われます。
現在、インターネットによるホームページ上での広告が増えてきているように思います。しかしながら、厚生労働省は、このようなインターネットを介しての情報提供は「医療機関の広報と位置付け、医療法の広告規制には該当しない」として、規制する動きを今のところ示していません。

故に、今のところは偽りの広告を掲載していても(虚偽・誇大な広告)原則として、罰則や禁止するすべは、いまのところない、というのが現状です。また、医療に関する情報提供の要求が強まり、これに伴い広告に対する規制もさらに緩和されることが予想されます。

ですが、「美容外科クリニックで包茎手術を受けたら100万円以上も請求された」という相談が、最近、各地の消費生活センターなどに増えているといいます。一般的な手術費は10万円程度ですが、若者のコンプレックスにつけ込み、不当に高額な費用を請求するところがあるようです。

多い事例は、雑誌やインターネットで「包茎手術15万円〜」などとうたう広告を見て来院したら、スタッフらに失敗例の写真を見せられて「安いコースだと失敗することがある」などと言われ、高額の手術を選ばされた、という手口があるそうです。結局、100〜300万円もの費用を請求されたというケースもあるとのこと。

また、何度も美容整形を繰り返してしまう、という人もいるそうです。美容外科は、「精神外科」とも称されることがあるようです。これは、醜形恐怖症など精神科学とも大きな関わりがあり、主にコンプレックスを取り除くことを主眼としている側面もあるでしょう。そこにつけ込んでくる病院もあり、注意が必要であると思われます。

たしかに、コンプレックスを変えたいという気持ちは分かりますが、上記ニュースのように、「わずかな給料を整形につぎ込んでいる人もいる」といった、生活が美容整形のためにあるような状況は、少し悲しいような気がします。

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