日本慢性腎臓病対策協議会(東京、菱田明理事長)が国内に住む20歳以上の男女1000人を対象に行った調査によると、健康診断を「5年以上受けていない、もしくは受けるつもりがない」という人は全体の約4分の1にあたる24・2%に上った。「毎年、定期的に受けている」という人は約6割にとどまった。
受診していない人の年代は20代が最多の26・0%。職業は「専業主婦」(29・8%)、「会社員」(20・2%)などが多かった。
受診しない理由を聞くと、「費用がかかる」(30・6%)、「足を運ぶのがわずらわしい」(28・5%)、「時間がない」(18・6%)などの回答が多かったが、「自らが生活習慣病の疑いがあると感じている」という人も22・3%に上った。
(費用がかかるから… 健康診断、24%が5年以上受けず)
特に、上記のような健康診断を一般健康診断と言います。特に、疾病のリスクが高い人を対象としたものではなく、健康管理と疾病の早期発見のために行われる健康診断のことを指します。地域で行われる一般成人に対する健康診断(老人保健法による基本健康診査)や、学校・職場などで行われるものが代表的でしょう。
以前は、結核検診のように特定の疾患の早期発見・予防が健康診断の目的が重要でしたが、健康観の変化に伴い、現在では心身両面での健康が目指されるようになり、健康診断の内容や目的も変化してきました。
「メタボリック・シンドローム」というキャッチーなフレーズに代表されるように、健康意識は高まりつつあると思われます。そんな中、政府の医療制度改革の目玉でもある「特定健診・保健指導」が、2008年4月から開始されます。
生活習慣病は、一般診療医療費の3割を占めると言われています。その生活習慣病の発症リスクが高まるとされるメタボリック症候群を予防するため、企業の健康保険組合や国民健康保険を運営する自治体に、40〜74歳の健診を義務化する制度を「特定健診・保健指導」と称しているわけです。
保健指導の内容としては、医療機関や管理栄養士などから生活習慣病に関する知識を伝えたり、メタボリックシンドロームやその予備軍と判定されると食事や運動などの指導を、最高6ヶ月にわたり受けることになるそうです。
以前から行われてきた健康診断の内容に、プラスアルファでしっかりと保健指導をするように追加された、ということのようです。ご存じでしょうが、一般的な健康診断の内容は、以下のような項目があります。
受診していない人の年代は20代が最多の26・0%。職業は「専業主婦」(29・8%)、「会社員」(20・2%)などが多かった。
受診しない理由を聞くと、「費用がかかる」(30・6%)、「足を運ぶのがわずらわしい」(28・5%)、「時間がない」(18・6%)などの回答が多かったが、「自らが生活習慣病の疑いがあると感じている」という人も22・3%に上った。
(費用がかかるから… 健康診断、24%が5年以上受けず)
特に、上記のような健康診断を一般健康診断と言います。特に、疾病のリスクが高い人を対象としたものではなく、健康管理と疾病の早期発見のために行われる健康診断のことを指します。地域で行われる一般成人に対する健康診断(老人保健法による基本健康診査)や、学校・職場などで行われるものが代表的でしょう。
以前は、結核検診のように特定の疾患の早期発見・予防が健康診断の目的が重要でしたが、健康観の変化に伴い、現在では心身両面での健康が目指されるようになり、健康診断の内容や目的も変化してきました。
「メタボリック・シンドローム」というキャッチーなフレーズに代表されるように、健康意識は高まりつつあると思われます。そんな中、政府の医療制度改革の目玉でもある「特定健診・保健指導」が、2008年4月から開始されます。
生活習慣病は、一般診療医療費の3割を占めると言われています。その生活習慣病の発症リスクが高まるとされるメタボリック症候群を予防するため、企業の健康保険組合や国民健康保険を運営する自治体に、40〜74歳の健診を義務化する制度を「特定健診・保健指導」と称しているわけです。
保健指導の内容としては、医療機関や管理栄養士などから生活習慣病に関する知識を伝えたり、メタボリックシンドロームやその予備軍と判定されると食事や運動などの指導を、最高6ヶ月にわたり受けることになるそうです。
以前から行われてきた健康診断の内容に、プラスアルファでしっかりと保健指導をするように追加された、ということのようです。ご存じでしょうが、一般的な健康診断の内容は、以下のような項目があります。
現在、地域で行われる一般健康診断では、問診、身体計測、血圧測定、検尿、血液検査(脂質,貧血,肝機能,腎機能,血糖)、心電図検査および各種癌検診などが行われています。
こうした値を調べ、「コレステロールの値が高めですね」「血圧が高いようです」などのことを指摘されるわけです。こうした"異常値"の判定には、健康診断判定基準である、病院や各検査機関が判定する基準値によって行われます。
最近では、コンピュータによる自動総合健診システムの普及に伴って、機械的な数値判定が行われています。たとえば、「白血球が高値です」とだけ示された検査結果の用紙が返ってきます。
これを見て、「白血球が高い…もしや、白血病?」などと思って、心配になってしまう人もいるかもしれません。ですが、健康診断や病院で行う血液検査には基準値があり、検査結果の値を基準値に照らし合わせて、正常か異常かを判断するのが一般的です。故に、健康な人すべてが基準値の範囲内に入るのではなく、健康でも基準値から外れる人もいます。
基準値とは、健康な人の「大半」が、その範囲内にあることを示すにすぎず、基準値を少し外れていてもそれだけで病気と判断するわけではありません。病気の診断は、症状やその経過、診察や検査結果などを総合して行います。
ですので、この「機械的な値の判断」というのは、果たして意味あるものなのか、疑問です。結果判定にあたっては、個々の検査結果の数値ごとに正常・異常を判定するだけでなく、やはり医療スタッフが、経時的な変化や問診内容なども踏まえた上で、総合判定を行うことが必要であると思われます。
日本人間ドック健診協会の発表によると、特定健診の結果、受診者のおよそ5割が医療機関での診察が必要になる恐れがあることが分かったそうです。
過去1年間に全国12ヶ所の大手健診機関で人間ドックを受診し、特定健診の方法に準拠した検査を受けた約5万3,000人分のデータを分析したところ、血圧や中性脂肪、血糖などの検査数値について、厚生労働省が医療機関を受診する目安として定めた「受診勧奨判定値」を一つでも超えた受診者の割合が、49.7%に上り、65歳以上の高齢者では、54.6%とのこと。
およそ半数の人が、"異常"と出てしまうそうです。しかし、本当に治療の必要な人がどれくらいいるのか、そうした人たちに、無用な心配を与えてしまうのではないか、といったことも懸念されます。
ただ、一方で健康診断を毎年受ける、ということは必要であると思われます。病気の早期発見・早期治療に役立つのは確かですし、健康意識を毎年一回は持つ、ということも重要であると思われます。健康診断を蔑ろにするのではなく、賢く「生活習慣を見直すチャンス」ととらえ、活用していただけたら、と思われます。
【関連記事】
医療財政における問題のまとめ
特定健診・保健指導の開始で、メタボ対策は変わる?
こうした値を調べ、「コレステロールの値が高めですね」「血圧が高いようです」などのことを指摘されるわけです。こうした"異常値"の判定には、健康診断判定基準である、病院や各検査機関が判定する基準値によって行われます。
最近では、コンピュータによる自動総合健診システムの普及に伴って、機械的な数値判定が行われています。たとえば、「白血球が高値です」とだけ示された検査結果の用紙が返ってきます。
これを見て、「白血球が高い…もしや、白血病?」などと思って、心配になってしまう人もいるかもしれません。ですが、健康診断や病院で行う血液検査には基準値があり、検査結果の値を基準値に照らし合わせて、正常か異常かを判断するのが一般的です。故に、健康な人すべてが基準値の範囲内に入るのではなく、健康でも基準値から外れる人もいます。
基準値とは、健康な人の「大半」が、その範囲内にあることを示すにすぎず、基準値を少し外れていてもそれだけで病気と判断するわけではありません。病気の診断は、症状やその経過、診察や検査結果などを総合して行います。
ですので、この「機械的な値の判断」というのは、果たして意味あるものなのか、疑問です。結果判定にあたっては、個々の検査結果の数値ごとに正常・異常を判定するだけでなく、やはり医療スタッフが、経時的な変化や問診内容なども踏まえた上で、総合判定を行うことが必要であると思われます。
日本人間ドック健診協会の発表によると、特定健診の結果、受診者のおよそ5割が医療機関での診察が必要になる恐れがあることが分かったそうです。
過去1年間に全国12ヶ所の大手健診機関で人間ドックを受診し、特定健診の方法に準拠した検査を受けた約5万3,000人分のデータを分析したところ、血圧や中性脂肪、血糖などの検査数値について、厚生労働省が医療機関を受診する目安として定めた「受診勧奨判定値」を一つでも超えた受診者の割合が、49.7%に上り、65歳以上の高齢者では、54.6%とのこと。
およそ半数の人が、"異常"と出てしまうそうです。しかし、本当に治療の必要な人がどれくらいいるのか、そうした人たちに、無用な心配を与えてしまうのではないか、といったことも懸念されます。
ただ、一方で健康診断を毎年受ける、ということは必要であると思われます。病気の早期発見・早期治療に役立つのは確かですし、健康意識を毎年一回は持つ、ということも重要であると思われます。健康診断を蔑ろにするのではなく、賢く「生活習慣を見直すチャンス」ととらえ、活用していただけたら、と思われます。
【関連記事】
医療財政における問題のまとめ
特定健診・保健指導の開始で、メタボ対策は変わる?