・東京成徳大学子ども学部の深谷和子特任教授(児童臨床心理学)とベネッセコーポレーションが平成13年、東京都と埼玉県の小学校4〜6年の児童約1100人を対象にした調査では、女子の約69%が「今よりやせたい」と回答。

その理由として「見た目がいいから」と答えた女子は82%に上った。この傾向は男子にもみられ、男子でも41%が自分を「太っている」と思い、45%がやせたいと回答。女子の4割にはダイエット経験があり、その方法として甘いものや油の制限、運動のほか「おなかいっぱい食べない」と答えた子は26%に達した。

・厚生労働省が平成16年に実施した「国民健康・栄養調査」によると、「やせ」に分類されるBMI(体重÷身長÷身長)18.5以下の人は、20代で21.4%、30代で15.6%に上り、20年前に比べて大幅に増加した。半面、「肥満」に分類されるBMI25以上の人は20代から50代まで各年代で減少している。

・肥満外来を開設する東京都世田谷区の「自由が丘マナクリニック」には、「ウエストにくびれがほしい」「太ももだけ細くしたい」「お腹の脂肪だけ減らしたい」とエステ感覚で気軽に駆け込む女性も少なくない。

場所柄もあって肥満外来を訪れる患者の9割は女性で、その多くが20〜30代の若い女性だ。なかには見た目もスリムで標準体重にも満たないのに、「自分は太っている」と深刻に思い悩む人もいる。

山口康人院長は「過度な食事制限をすれば必要な栄養を摂取できなくなり、貧血や骨粗鬆症、生理不順とそれに伴う将来の不妊症など、身体への影響は大きい」と危機感を募らせる。

見た目優先主義とエスカレートする健康志向のなか、将来の世代を産み育てる若い女性ばかりでなく、子供にまでやせ願望が浸透する日本。海外では、やせ過ぎのファッションモデルが若者のダイエットを助長するとして、ショーへの出演を規制する議論が高まったが、国内ではこうした動きは見られない。
(子供にまで広がる「やせ願望」)


昨年11月、救急搬送された16歳の摂食障害の少女が、7病院に受け入れを断られた後にショック状態に陥り、心不全で翌日に死亡した、ということが起こりました。救急車が自宅を出発するまでに47分が経過。病院には10分後に到着したが、少女は既にショック状態だったそうです。

摂食障害とは主に、神経性無食欲症(いわゆる拒食症)と神経性大食症(いわゆる過食症)の2つの病態に分けられます。

神経性無食欲症(拒食症)の方は、無食欲、やせ、無月経を呈し、活動性は亢進し、どんなにやせていても自分がやせているとは思わず(ボディ・イメージの歪みがある)、治療に対して拒否的である状態です。平たく言ってしまえば、「太ってしまうという恐怖があり(実際は痩せている)、栄養を摂るのに必要な食事を拒否してしまっている状態」と言えるでしょう。

特に、上記のような例でもみられるように、思春期の女性に多く(中でも神経性食欲不振症)、衰弱死を起こしてしまうようなケースもあります。

一方、神経性大食症(いわゆる過食症)の方は、短時間内(多くは夜間)に大量の食物をむちゃ食いする点に特徴があり、抑えがたい衝動によってむちゃ食いしてしまいます。また過食後も多くのケースでやせ願望や肥満恐怖があり、自己誘発性嘔吐や下剤の乱用などがみられます。

両者は正反対の病態のようにもみえますが、拒食症が過食症へと変遷したり、過食症が拒食症様の症状を呈したりします。両者は相互に移行したり重複したりし、連続性のある病態と考えられ、摂食障害として1つにまとめられます。

診断や小児における特徴は、以下のようなものがあります。
診断としては、以下のような項目が重要であると言われています。
”現狢僚鼎85%以下の体重減少
体重増加への恐怖心
ボディーイメージの歪み
ぬ儀邨弌塀薹亳紊僚子の場合)

で診断されます。特に、小児の場合は成長曲線などを利用し、年齢相応の成長をしているかどうか調べることも重要です。

小児期では神経性無食欲症(拒食症)が多く、上記でも分かるとおり、発症の若年化が進んでいる状況があります。最近では、初経前の前思春期発症例も増加しています。小児の拒食症の特徴は、ダイエットではなく不食による体重減少が多いことや、肥満恐怖ややせ願望を口に出さない(表現することが難しい)、もともと体脂肪が少ないため、急激に重篤な状態に陥る危険性がある、といった特徴があります。心理面のサポートも重要ですが、一方で身体面でのサポート(輸液、栄養補給、電解質補正など)もすぐに対応する必要があります。

他にも、患児の性格や家族状況、学校での問題などが原因になっている可能性もあります。こうした要因に関してもサポートしていくことも必要です。

子供のうちから、「太ってしまう」ということを恐れ、十分な成長を妨げかねないダイエットに走らせてしまうといった状況は、やはり大きな問題であると思われます。本当の意味での栄養管理を学ぶ、「食育」が学校教育において必要なのではないでしょうか。

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