「ニュースJAPAN」の松本キャスター、2カ月半ぶりに復帰という記事より。

昨年11月22日放送分から休養していた理由について、「私事ですが、家族の看病でお休みをいただき、視聴者の皆さんにご心配をおかけして恐縮です。実は妻が重いクモ膜下出血を発症し、今もなお闘病しております」と初めて本人が明らかにした。

「家族の看護のため」として「ニュースJAPAN」を休養していた松本方哉キャスターが、自身の妻の介護であったことを番組に出演して明かしています。

現在も闘病中ということですが、松本方哉キャスターがテレビ出演をこなせるくらいには、状態が落ち着いてきたということなのでしょうか。

松本氏は「今後ともしっかりニュースを伝えていきますが、看護のため出演を見合わせることもあると思います」とも語った。
(松本方哉キャスター、休養の理由は妻の介護)


クモ膜下出血は、特徴的な症状である「突然起こる激しい頭痛」で起こる、といったことでも有名ではないでしょうか。出血が激しければ意識障害を伴い、昏睡や呼吸停止となり即死する場合もあり、危険な疾患というイメージもあるでしょう。

一方で、医療者からすると、「頭痛を主訴にやってきた患者さん」で見逃してはならない疾患(片頭痛などと誤診してしまう)、ということもいわれています。強い痛みを起こすのは、発症の25%程度と言われており、minor leak(出血が少ない)の場合は、頭痛はそれ程強くない事が多いといわれています。そのため、見逃されやすい、とも考えられます。他にも発症時は昏睡でも、救急車の中であるいは入院後に意識が清明となることもあり、刻々と症状が変化するという特徴もあります。

クモ膜下出血とは、クモ膜下腔に出血が生じ、脳脊髄液中に血液が混入した状態をいいます。多くは脳動脈瘤の破裂(約80%)によるもので、その他に頭部外傷、脳腫瘍、脳動静脈奇形や脳動脈解離の破裂(なかでも前交通動脈および後交通動脈起始部とその領域に好発)によるものなどがあります。

検査としては、頭部CTやMRI、腰椎穿刺などが行われます。頭部CTスキャンにおいてクモ膜下腔に高吸収領域が見られる。頭部MRIは、血腫が少量である場合、発症後時間が経過した症例においては、CTよりも検出率が高いという報告もあります。MRA(MR血管撮影)も同時に撮影できるという利点もあります。

治療としては、以下のような判断基準や方法があります。
脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血の場合、手術適応の目安としてHunt & HessやHunt & Kosnikの分類などがひろく使用されています。また、またCTに基づいたFisherの分類も重症度判定に用いられます。
Hunt and Kosnikの重症度分類(1974)
Grade0:未破裂の動脈瘤
GradeI:無症状か、最小限の頭痛および軽度の項部硬直をみる
GradeIa:急性の髄膜あるいは脳症状をみないが、固定した神経学的失調のあるもの
Grade供中等度から重篤な頭痛、項部硬直をみるが、脳神経麻痺以外の神経学的失調をみない
Grade掘傾眠状態、錯乱状態、または軽度の巣症状を示すもの
Grade:昏迷状態で、中等度から重篤な片麻痺があり、早期除脳硬直および自律神経障害を伴うこともある
Grade:深昏睡状態で除脳硬直を示し、瀕死の様相を示すもの
クモ膜下出血の治療法としては、手術療法が第一選択となり、Hunt & Kosnikの分類におけるgrade1、2が最もよい適応で、grade3、4は状態の改善傾向があれば適応となり、grade5は根治手術の適応となりません。

手術は、再出血が起こる前の発症後数時間以内のきわめて早期に行うことが多いです。手術法としては、直接手術法(動脈瘤のクリッピング、コーティング)、間接手術法(血管内手術として動脈瘤のコイル塞栓術)などがあります。

他にも、3H療法とよばれる高血圧(Hypertension)・高循環血液量(Hypervolemic)・血液希釈(Hemodilusion)療法が行われます。これは、血管攣縮の予防、並びに脳浮腫の状態でも動脈潅流を維持するため、高張輸液の大量投与、時には高カロリー輸液やアルブミンの投与を行います。

この保存的な治療法は、最重症例で症状が改善するまでの間や手術適応とならない場合にも行われます。再出血の防止、脳循環障害の改善、脳浮腫の改善などを目的に行います。

救命できても後遺症が残る例が多く、完全に治癒する確率が低いと言われているだけに、やはり予防が重要であると考えられます。芸人の光浦靖子さんが脳動脈瘤の手術を受けていましたが、放置していた場合、破裂してクモ膜下出血を起こしていた可能性もあります。脳ドックなどを受け、破裂前の治療などが望まれます。

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