以下は、ザ!世界仰天ニュースで取り上げられていた内容です。

2000年09月、沖縄県恩納村の実家近くで暮らしていた長嶺夫婦。造園会社で働く夫・聡さんと、栃木の宇都宮出身の妻・栄子さんは、半年前に出会い結婚。そしてこの日、2人は妊娠12週の検診で病院へ。担当の田島医師は、長嶺夫婦に双子を妊娠していると告げた。長嶺夫婦は喜んだが、その直後、田島医師はお腹の赤ちゃんは結合している可能性があると付け足した。2人の赤ちゃんは結合双子だった。

結合双子は、「互いの体の一部がくっついてしまった双子」で、10万分の1の確率で産まれてくると言われている。およそ半分が死産、20%以内が生まれて1日以内に死亡、生存率はわずか25%以下と言われている。

長嶺夫婦にとって待ちに待った赤ちゃんが、結合双子。信じられない2人に、田島医師は、現時点では、どのように双子がくっついているかわからず、2人の赤ちゃんが無事産まれてくる可能性は低いと説明。栄子さんは、頭が真っ白になり、田島医師の説明は殆ど耳に入らなかった。そして最後に田島医師は、長嶺夫婦に妊娠12週なので法的に中絶が認められている事を告げ(妊娠22週未満)、2人に良く考えるよう勧めた。

その後、家に帰った2人の間に長い沈黙が続いたが、長嶺夫婦の思いは一緒。しかし、簡単に結論は出せなかった。そして答えの出ない話し合いは毎日続き、妊娠13週目、長嶺夫婦は出産を決意。しかし田島医師は戸惑い、検診の度に何度も話し合いをしたが、長嶺夫婦の決意は変わらなかった。

妊娠21週目、田島医師は、もし無事に産む事が出来れば、分離手術を行う事が出来ると説明した。分離手術において重要なのは、どの部分が結合しどの臓器を共有しているかだが、心臓、胃、膀胱など、それぞれ別々だった。長嶺夫婦の熱意に田島医師も同意し、ようやく出産を決めたが、結合した双子の出産分離手術のできる病院は、当時沖縄にはなかった。そこで田島医師は結合した双子の出産・分離手術を受け入れてくれる病院を調べ、川崎の聖マリアンナ医科大学が受け入れてくれることになった。

2人は11月に沖縄から川崎へ。すぐに妻は入院する事に。出産分離の手術のため小児外科、産婦人科、新生児科の医師たちによるプロジェクトチームが組まれた。慣れない土地で夫婦別々の生活が始まった。沖縄から出てくる為に、貯金を使い果たした聡さんの所持金は、この時2万円。そこで聡さんは、直ぐに日給のバイトをして生活費を稼いだ。そして聡さんは、仕事が終わると栄子さんの元へ。そんな2人にどうにもならない問題が…

それは結合双子分離手術の費用が約600万円かかるという事。これはとても日給生活の聡さんに払える額ではない。貯金もなく、沖縄から出てくる為、親戚からもお金を借りていた聡さんにとって、手術費用が重くのしかかった。600万円のうち保険で8割はカバーできることがわかったが120万円なんとかしなければならない。そんな聡さんに病院側が、手術費用は育成医療給付の申請をすれば、医療保険の自己負担が助成されると説明。これで手術費用の心配はなくなった。

妊娠30週目になり、お腹を詳しく検査した結果、赤ちゃんは肝臓は結合しているとわかったが、実際に産まれてみないとよくわからないとの事だった。そして2001年01月10日、妊娠9ヶ月の栄子さんは、帝王切開で出産。お腹の部分で繋がってはいるが、元気な女の子だった。手術後の詳しい検査でも共有部分は肝臓のみで、それ以外の臓器は完全に独立していた。

しかし2人が共有する肝臓。もし、肝臓にある胆管が2人分なければ、どちらかが、その後の成長に大きな問題を残すことになる。北川医師は、長嶺夫婦に分離手術について説明し、2001年03月07日、子供たちの分離手術が開始。順調に進み4時間で終了。心配された胆管も2つあった。無事、分離手術を受けた双子は、手術から2週間で退院。あれから7年、現在の長嶺さん一家を訪ねると、過酷な運命を乗り越えて強く生きる双子の姉妹は、家族愛に包まれて元気に成長していた。


結合体とは、双児の身体の一部分が結合したもので、対称性二重体と非対称性二重体(寄生性二重体)とに分類されます。対称性二重体は、両児が結合していて、それぞれの身体は均等かつ対称性に発育した場合をさします。

対称性二重体は、結合面に存在する臓器を共有していたり融合しています。両児間の血管の吻合があり、臍帯は腹側で結合している場合は1本のことが多いとのことです。

一方、非対称性二重体(寄生性二重体)とは、連絡している二重体(二人が結合した状態)のうちで、一方の個体の発育は良好で(自生体といいます)、他方の発育が不良で前者に付属しているようにみえる状態を指します。

結合体は稀な先天異常で、全分娩数に対する割合は0.001〜0.01%といわれています。そのうちの70%以上は胸結合体です。また、結合体は一般に女児に多く、男女比は1:2〜1:3であるといわれています。

原因としては、2個の胎芽の癒着による癒着説、1個の胎芽からその一部が分裂発育する分裂説、などがあります。一般的には後者の一卵説が支持されています。つまり、本来一卵性双児であって、卵割の時期に両児の分割が不十分であったために癒合したものが結合体であると考えられます。

双胎の場合は常に結合双胎を念頭に置くことが重要で、分娩前に診断されず分娩時難産で判明することも少なくないそうです。検査や出産などは、以下のように行われます。
出生前診断法には、超音波断層法やX線・CT・MRIなどがあり、胎児の形態をみることで行います。分娩方法は、妊娠末期では自然分娩は難しいため、上記のように帝王切開によって出産を行います。

出生後は、分離手術が行われます。以前、番組で紹介されていたケースでは、1996年、イギリス・マンチェスターにて胸結合体の双胎の分離手術が行われていました。肝臓と心臓膜が結合しており、生後2ヶ月の双子は分離手術を受けることになりました。

双子の肝臓を超音波カッターで分離、そして心臓膜は一方の心臓の周りに縫いつけ、もう一方には人工の心臓膜を使用することで分離手術が行われていました。

臓器を共有していたりする結合双生児の場合では、どうしても生存年数が短くなってしまう(たとえば、心臓や肺が1つで2人で共有していたりする場合、負荷が大きい)といったことがあるようです。ですが、今回のケースではどちらかが犠牲になるといったこともなく、無事手術が成功し、現在は元気に暮らしているそうです。

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