突然耳が聞こえなくなる「突発性難聴」の患者の耳にゼラチン状の薬剤を入れて内耳細胞の再生を促し、聴覚の回復を図る世界初の臨床試験を、京都大の伊藤寿一教授らが21日までに始めた。原因不明の突発性難聴に苦しむ患者は国内に約3万5000人いる。歌手の浜崎あゆみさんも突然左耳が聞こえなくなり注目された。ステロイド剤投与で治る場合もあるが、効果がない患者も多い。
伊藤教授らは、細胞の成長を促す作用がある薬剤に着目。これをゼラチンに含ませ、中耳と内耳を隔てる薄い膜に張り付ける。音を電気信号に変える細胞が集まる内耳器官「蝸牛」に、約2週間かけて薬をしみ込ませ、弱った細胞を再生する。
臨床試験の対象はステロイド剤が効かない人。2月初旬、最初の患者の鼓膜を切開し、薬剤を内視鏡で耳の中に入れた。今後20人程度の患者に試み、うまく聴覚が回復するか確かめる。
伊藤教授は「ステロイド治療と異なり、副作用の心配がない。耳鳴りや目まいなど、内耳にかかわると言われる症状にも応用できそうだ」と話している。
(突発性難聴の治療に新手法 京大、内耳細胞の再生促す)
突発性難聴とは、突然に生じる難聴のうち原因が不明の感音難聴(内耳以降の感音器の障害が原因である難聴)です。名前の通り、突然に難聴が発生することが特徴的です。「朝、目が覚めて」「作業中」など、自分がそのとき何をしていたかを明言できる状態で起こることが多いようです。一般に片側に生じますが、まれに両側性(1%未満)に生じることがあります。
早期の治療で聴力の回復が期待できる、数少ない感音難聴の1つであり、耳科領域の救急疾患として重要であるといわれています。1993年に厚生省研究班を中心に行った調査では、突発性難聴の全国受療者数は推定、年間24,000人で、人ロ100万人対で192.4人とのことで、決して少なくないと考えられます。
診断は、厚生省特定疾患突発性難聴調査研究班によりその診断基準が示されています。この中で、「突然の難聴」「高度な感音難聴」「原因が不明」と定義されています。そのため、感音難聴の原因となる原因が明らかな疾患との鑑別(外リンパ瘻、ムンプス難聴、メニエール病、聴神経腫瘍、心因性難聴など)が必要です。
症状としては難聴の他に、耳鳴は約9割の症例で認められ、めまいは約3割の症例に伴うとされています。また、聴力の改善・悪化の繰り返しはなく、通常一側性であるといわれています。
現在おこなわれている治療としては、以下のようなものがあります。
伊藤教授らは、細胞の成長を促す作用がある薬剤に着目。これをゼラチンに含ませ、中耳と内耳を隔てる薄い膜に張り付ける。音を電気信号に変える細胞が集まる内耳器官「蝸牛」に、約2週間かけて薬をしみ込ませ、弱った細胞を再生する。
臨床試験の対象はステロイド剤が効かない人。2月初旬、最初の患者の鼓膜を切開し、薬剤を内視鏡で耳の中に入れた。今後20人程度の患者に試み、うまく聴覚が回復するか確かめる。
伊藤教授は「ステロイド治療と異なり、副作用の心配がない。耳鳴りや目まいなど、内耳にかかわると言われる症状にも応用できそうだ」と話している。
(突発性難聴の治療に新手法 京大、内耳細胞の再生促す)
突発性難聴とは、突然に生じる難聴のうち原因が不明の感音難聴(内耳以降の感音器の障害が原因である難聴)です。名前の通り、突然に難聴が発生することが特徴的です。「朝、目が覚めて」「作業中」など、自分がそのとき何をしていたかを明言できる状態で起こることが多いようです。一般に片側に生じますが、まれに両側性(1%未満)に生じることがあります。
早期の治療で聴力の回復が期待できる、数少ない感音難聴の1つであり、耳科領域の救急疾患として重要であるといわれています。1993年に厚生省研究班を中心に行った調査では、突発性難聴の全国受療者数は推定、年間24,000人で、人ロ100万人対で192.4人とのことで、決して少なくないと考えられます。
診断は、厚生省特定疾患突発性難聴調査研究班によりその診断基準が示されています。この中で、「突然の難聴」「高度な感音難聴」「原因が不明」と定義されています。そのため、感音難聴の原因となる原因が明らかな疾患との鑑別(外リンパ瘻、ムンプス難聴、メニエール病、聴神経腫瘍、心因性難聴など)が必要です。
症状としては難聴の他に、耳鳴は約9割の症例で認められ、めまいは約3割の症例に伴うとされています。また、聴力の改善・悪化の繰り返しはなく、通常一側性であるといわれています。
現在おこなわれている治療としては、以下のようなものがあります。
まず、聴力が固定するまで(約2週間から1か月でほぼ固定)安静やストレスの回避が重要となります。薬物療法としては、ステロイド剤が主体となります。
厚生省難聴班でATP、betamethasone(BM)、hydrocortisone(HC)、prostacylin (PC)、prostagrandin(PG)、Urografin(UC)の6剤の効果を検討したそうですが、どの薬剤が有効か結論は得られなかった、とのことです。
他にも、星状神経節ブロックや高気圧酸素療法なども試みられているそうです。予後としては、3分の1は完治し、3分の1は回復するが難聴を残し、3分の1は治らずに終わるとのことです。中でも、難聴が高度(特に聾型あるいは重症度の高いもの)、めまいを伴う症例、高齢者、発症後治療開始まで10〜14日以上経った例では聴力の予後は不良となります。
臨床試験いかんによっては、上記の治療法が大きな位置を占めることにもなるのでしょうか。再生医療の先駆けとして、どのような結果になるのか、興味を引く研究であると思われます。
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左耳の聴覚を失っていた 浜崎あゆみさん
耳鳴りや騒音性難聴の原因に?大きな音のアナウンス
厚生省難聴班でATP、betamethasone(BM)、hydrocortisone(HC)、prostacylin (PC)、prostagrandin(PG)、Urografin(UC)の6剤の効果を検討したそうですが、どの薬剤が有効か結論は得られなかった、とのことです。
他にも、星状神経節ブロックや高気圧酸素療法なども試みられているそうです。予後としては、3分の1は完治し、3分の1は回復するが難聴を残し、3分の1は治らずに終わるとのことです。中でも、難聴が高度(特に聾型あるいは重症度の高いもの)、めまいを伴う症例、高齢者、発症後治療開始まで10〜14日以上経った例では聴力の予後は不良となります。
臨床試験いかんによっては、上記の治療法が大きな位置を占めることにもなるのでしょうか。再生医療の先駆けとして、どのような結果になるのか、興味を引く研究であると思われます。
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