女児の肥満は初潮を早めるとの調査結果が、チリ大学の研究者によって明らかにされた。将来の健康にも影響をあたえる可能性もあるという。

チリ大学女性健康リサーチセンターは、首都サンチアゴの女子中高生1300人以上を対象に、経済環境や交際、飲食、体重など様々な状況と初潮年齢に関する研究を行った。

その結果、体重と初潮年齢との相関関係が最も大きく、体重が増加しすぎると、初潮が早まることが判明した。また公立学校の女生徒は3分の1が肥満であり、彼女達の初潮年齢は平均12.5歳だったが、私立学校の女生徒で肥満状態にある者はわずか6%、彼女らの平均初潮年齢は13歳だった。

この研究を行った研究者は、次のように述べている。「脂肪細胞が産出するホルモンが、肥満少女の初潮年齢を早めている。初潮年齢が早まるのは病気ではないが、性体験の早期化、若年での妊娠や高血圧、高血脂症など、将来の健康に影響をあたえるおそれも出てくる」。
(「女児の肥満は初潮を早める」研究で明らかに)


思春期早発症とは、異常に早く二次性徴が発現することを主徴とする疾患です。一般に女児では7〜8歳未満、男児では9歳未満で二次性徴が出現すれば思春期早発症と診断されます。

二次性徴は、性ホルモン(主に男児ではテストステロン、女児ではエストラジオール)の分泌増加に基づく現象で、同時に身長加速現象・骨年齢の亢進が伴って起こります。

こうした性ホルモンの分泌増加の原因は、間脳−視床下部−下垂体−性腺系の早期成熟によるもの(中枢性)と、性腺・副腎皮質などから自律的に分泌されるもの(末梢性)に大別されます。

どこが原因かを特定することは、治療に関しても重要であり、簡便な鑑別法としては、ゴナドトロピンの分泌をみることで、中枢性では(思春期では一般的なレベルでの)上昇が、末梢性ではフィードバックを受けて分泌抑制がみられます。

さらに、頭部CTやMRI(中枢性の場合)、腹部エコーなどの画像診断(末梢性の場合)で器質的疾患(特に脳腫瘍、性腺腫瘍、副腎皮質腫瘍など)の有無を確認する必要があります。特に、男児では器質的疾患をもつものが半数以上にのぼるので、男児に思春期早発症が見られた場合は注意する必要があります。

こうした思春期早発症に関して、体脂肪と月経との関連性としては、以下のようなものがあります。
脂肪は、性ステロイドホルモン合成の基質となるコレステロールの供給源(コレステロールからエストロゲンなどの性ステロイドホルモンが作られるわけです)となっています。

さらに、脂肪はアンドロゲンが芳香化を受け、エストロゲンに転換される場でもあります。そのため、体脂肪は正常な性機能の発現および維持に不可欠のものであるといえるでしょう。

初経発来には17%以上、正常月経周期の確立には22%以上の体脂肪率が必要であるといわれています。ゆえに、過度の運動や摂食障害により体脂肪が減少することも無月経の原因となります。

たとえば、体脂肪が少ない上に日々のオーバートレーニングを繰り返しているマラソン選手などでは、続発性無月経(月経が止まってしまう)ことがあります。そのために血中エストロゲン値が低下して骨粗鬆症になってしまうリスクが上がるという指摘もあります。

逆に、肥満が月経異常と関連していることも指摘されており(日本肥満学会では、肥満症の健康障害の一つに月経異常を項目として入れています)、上記のように脂肪細胞が産出するホルモンとの関わりがあるのかもしれません。

やはり子供の頃からの、厳密ではない適切な体重コントロールが、健康にとっては必要になっていると思われます。ただ、最近は逆に摂食障害の問題もあり、指導も難しいところがあります。

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