オリックス・清原和博内野手(40)が体調を崩し、14日に予定していた練習を取りやめた。本屋敷コンディショニングコーチによると「昨晩(13日)に体調を崩して大阪市内の病院で診察したところ『ロタウイルス感染症であろう』ということでした」と説明した。
 
ロタウイルスとは、主に乳幼児に多く見られる急性下痢症で、ノロウイルスに比べ発熱などの症状が重く、感染力も強いという特徴を持っている。清原も下痢、おう吐、発熱などの症状が見られるという。
 
成人はかかりづらいとはいえ他の選手への影響を配慮して「感染する可能性がある間は練習を控えます」と同コーチ。3日間の自宅での安静期間を含め、1週間程度は様子を見る予定で、練習再開は回復具合と相談しながらということになりそう。
(清原ダウン…ロタウイルス感染)


感染性胃腸炎とは細菌やウイルス、真菌、原虫などの病原微生物が原因となって起こる消化管感染症の総称を指します。

潜伏期は病原体により異なりますが、短いものでは6時間、長いものでは10日前後まで幅があります。主な症状は下痢(血便のことも)、腹痛、悪心、嘔吐、発熱などがあります。

診断には病歴の聴取が重要であり、食事内容や集団内発生、海外渡航歴、ペットとの接触などを訊きます。確定診断は、糞便・血液培養からの菌検出、糞便中の抗原や毒素の検出、血清抗体上昇などによります。

ロタウィルスは、乳幼児および小児を中心とした冬期の嘔吐下痢症の原因として有名です。感染経路としては、糞口感染や汚染食物や水を介しての感染とされています。潜伏期間はウイルスに対する曝露のされ方によっても異なりますが、24〜48時間程度であるといわれています。

幼児の十二指腸から発見されたということからも分かる通り、成人での感染は通常発症は少ないですが、時に高齢者の収容施設での流行があります。

ちなみに、ロタウィルスのロタrotaとは、ラテン語で「車輪」を意味しています。これは、電子顕微鏡像でみると、まるで車輪のように見えることから名付けられました。

症状としては、嘔吐と発熱に続く水様性下痢が特徴的です。ウィルスは小腸上皮に感染すると感染細胞が破壊され、小腸の吸収機能を損なうため下痢が出現してきます。乳幼児の場合では特にですが、重篤な脱水症状から死亡することがあり、脱水への対応が重要となります。

診断や治療は、以下のように行います。
上記のように、診断には病歴の聴取が重要であり、食事内容や集団内発生の有無などを訊きます。他にも、地域や集団内での流行状況、臨床症状、検査所見などから診断していきます。

ロタウィルスについては、糞便中のウイルス抗原を検出する迅速診断キットが市販されており、保険適応も認められています。ですので、これを用いれば診断は容易であると考えられます。ただ、他のウイルスに関してはウイルス分離やPCR法による解析が必要になるので、一般の検査室レベルでの診断は難しいと思われます。

基本的には予後良好の疾患ですので、数日から1週以内の経過で自然治癒します。
その間、整腸薬の投与や食餌療法(消化の良い物を食べるようにする)、脱水症状があれば輸液療法を行います。
 
アメリカでロタウイルスワクチンの開発が進められているものの、現在のところは特別な予防手段はありません。ですので、手洗いの徹底、患者さんの感染源隔離といった一般的な感染防止対策により対応します。

チームメイトに感染させてしまう恐れがあり、やはり練習の参加はしばらく控えた方が良いでしょう。しっかりと静養なさって、再び元気に活躍されることを願っております。

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