4月の舞台「SEMPO」を降板した愛華みれ(43)の「悪性リンパ腫」のため療養することが21日、所属事務所から発表された。

所属のホリプロ・ブッキング・エージェンシーによれば、愛華は先月中旬、右肩鎖骨と首の付け根にしこりがあるのに気付き、都内病院で精密検査を受けた。結果を待ちながら、今月2日千秋楽の出演舞台の兵庫公演を務め、「SEMPO」(東京・新国立劇場)の稽古にも2度ほど参加。そんな愛華に告げられたのは悪性リンパ腫という診断だった。

抗がん剤投与による化学療法を受けるため、今月下旬から2週間の予定で入院。その後も経過を見ながら、定期的に治療を受けるプログラムが組まれた。愛華は「思ってもみない病気に戸惑い、動揺もしましたが、今は少しでも早く治して元気な姿をお見せできるよう頑張ります」と闘病に前向き。「SEMPO」の降板については悔しさもにじませたが「ステキな舞台になると信じています」と共演者やスタッフにエールを送った。

診断を受けるまで自覚症状のなかった愛華は大きなショックを受けたが、医師から「大丈夫。必ず治ります」と言われたという。現在自宅療養中で、事務所を通じて「私の人生で思ってもみない病気にとまどい、動揺もしましたが、今では少しでも早く治して元気な姿をお見せできるようがんばります。私も自分らしく前向きに病気と闘います」と自筆コメントを寄せた。
(愛華みれ 悪性リンパ腫 治療で舞台降板)


悪性リンパ腫は、リンパ節や全身のリンパ組織(胸腺、脾臓、扁桃腺、リンパ管など)に存在する、リンパ球系細胞の悪性腫瘍です(腫瘍の起源や、腫瘍化の過程も単一ではありません)。

病理組織学的所見から、Hodgkin(ホジキン)病と非Hodgkinリンパ腫(NHL)とに大別されます。ホジキン病は、リード-ステルンベルグ(Reed-Sternberg)細胞の出現する特徴のあるリンパ腫です(ただ、その起源はまだ分かってません)。

非ホジキンリンパ腫の大多数は、Bリンパ球あるいはTリンパ球の腫瘍であることが判明しています。そこで、非ホジキンリンパ腫は、形態学的特徴(病理学的分類)、細胞系質的特徴(B細胞性、T細胞性、NK細胞性)、染色体・遺伝子情報などをもとに分類されます。また、発症してからの病気の進行速度によっても分けることができます(年単位で進行する低悪性度、月単位で進行する中悪性度、週単位で進行する高悪性度など)。

一般的に低悪性度のものには、濾胞性リンパ腫、MALTリンパ腫などが該当し、中悪性度のものにはびまん性大細胞性B細胞性リンパ腫や未分化大細胞リンパ腫など、高悪性度のものにはリンパ芽球性リンパ腫、バーキットリンパ腫などが該当します。

上記のように、「悪性リンパ腫」という病名は、さまざまなリンパ系組織の悪性腫瘍を大きくまとめて呼んでいます。それぞれ性質が異なるため、最適な治療を選択する上では、「悪性リンパ腫の中のどのようなタイプなのか」ということが非常に重要になってきます。

国内の悪性リンパ腫の年間死亡率は、人口10万人に対して約4人であり、ホジキン病と非ホジキンリンパ腫の発症比率は、約 1:10 であると言われています。

症状としては、首、腋の下、足のつけ根などのリンパ節の多い部位に無痛性のリンパ節腫脹がみられます(頸部が多いようです)。発熱、盗汗(ひどい寝汗)、体重減少がみられることがあり、この3つは病期分類でB症状と呼ばれ、重要視されています。

全身掻痒感などがみられることもあります。場合によっては、腫瘍による圧迫や浸潤による症状、部位により浮腫、嚥下障害、呼吸困難、食欲不振などがみられることもあります。

必要な検査や治療としては、以下のようなものがあります。
診断には、リンパ節(もしくは節外病変)の生検が必須です(穿刺細胞診は有用でない)。こうした病理組織像に加え、フローサイトメトリー法や免疫組織染色による細胞表面形質解析や染色体分析も行い、遺伝子検査を行うこともあります。

身体診察としては、全身のリンパ節の触診が行われます。腫大したリンパ節は無痛性で、弾性硬(いわゆるゴム様)であり、表面平滑な状態です。通常、癒着はなく可動性がありますが、腫瘍細胞がリンパ節の被膜を越えると周囲と癒着します。また、急速に増大する場合は、被膜の伸展痛を生じることがあります。

ほかにも、悪性リンパ腫の広がりをみるため、Waldeyer輪(喉の奥に扁桃腺が輪状に並んでいる部分)の視診、呼吸音の聴診、肝脾腫、腹部腫瘤、胸・腹水の有無などをみたり、神経学的異常、たとえばHorner(ホルネル)症候群、脳神経や脊髄の障害、髄膜浸潤の所見などの有無を調べることも重要です。

血液検査では、特異的な所見はないです。ただ、ホジキン病では、リンパ球減少や好酸球増加がみられることがあります。非ホジキンリンパ腫で白血化すれば、リンパ腫細胞が認められます。血清可溶性インターロイキン2レセプター(sIL-2R)濃度やLDH値、症例によってはCRPが病勢を反映するといわれています。

病期(ステージ)分類は、身体診察やX線検査、エコー検査、CT検査、骨髄穿刺(生検)に加え、必要に応じてガリウムシンチグラフィー、髄液検査などの所見をもとに決定します。ステージは以下の通りです。
・鬼:単一リンパ節領域または限局した単一節外病変
・挟:横隔膜の片側のみに病変
・郡:横隔膜の上下に及ぶ病変
・鹸:リンパ組織以外の臓器にびまん性侵襲がある
B症状があればBを、なければAを付記する。

こうしたステージにより、治療方針が決定されます。

標準的な治療法の選択肢としては、
1)放射線療法
3)化学療法(抗がん剤)
3)生物学的製剤:抗CD20抗体(成熟B細胞の性格を示す悪性リンパ腫に効果的)
4)経過観察
5)造血幹細胞移植:自家移植、同種移植

などがあります。標準療法としては、化学療法や放射線療法が中心です。ホジキン病の化学療法は4剤併用のABVD(アドリアマイシン,ブレオマイシン,ビンブラスチン,ダカルバジン)療法が用いられます。

非ホジキンリンパ腫では、CHOP(シクロホスファミド,アドリアマイシン,ビンクリスチン,プレドニゾロン)療法が標準となっています。

また、最近ではCD20陽性の成熟B細胞の性格を示す悪性リンパ腫には、生物学的製剤であるリツキサンが用いられることもあります(海外では再発・難治性の低悪性度群リンパ腫に効果が認められている)。1本の薬価が最高で約25万円(保険適用前)と非常に高価な薬剤でありますが、進行期濾胞性リンパ腫では、CHOP療法とRituximab(リツキサンのことで、マウス-ヒトキメラ型抗CD20モノクローナル抗体)の併用療法が標準療法となる可能性もあります。

また、低悪性度リンパ腫の場合、限局期にある節性リンパ腫は放射線療法で治癒可能となることも多いようです。

愛華みれさんの場合、化学療法により治療が行われているようです。どのようなタイプの悪性リンパ腫なのか、といったことは不明ですが、是非ともしっかりと治療に専念なさって、再び元気な姿を見せていただきたいと思われます。

【関連記事】
有名人の症例集

卵巣癌で亡くなっていた 根岸明美さん