男女の双子を妊娠中のアンジェリーナ・ジョリーが、妊娠糖尿にかかっているようだ。ジョリーはまた、体液の膨張による体の腫れもあり、靴のサイズが1サイズ大きくなっているそう。

アメリカの「スター誌」では、関係者が「アンジーは妊娠糖尿にかかっている。1か月ほど前に判明して、それ以降は栄養士と頻繁に会っているよ」と語っている。

妊娠糖尿は、通常妊娠の後期に起こり、出産後は治るもので、食生活と運動を上手くコントロールする必要がある。ジョリーは、現在テキサスで撮影中のブラッド・ピットを訪ねているが、4人の子どもを連れており、その疲れからイライラしたり気分が悪くなることが多いそうだ。
(妊娠中のアンジェリーナ・ジョリーが糖尿病に!)


妊娠時の糖尿病は、すでに糖尿病が診断されている患者の妊娠(糖尿病合併妊娠)と妊娠中に発症、または初めて診断された糖尿病(妊娠糖尿病)に分類されます。

日本産科婦人科学会周産期委員会の定義では、「妊娠糖尿病とは妊娠中に発生したか、または初めて認識された耐糖能低下をいう」としています。なお、妊娠糖尿病と診断された場合には、分娩後に改めて糖負荷試験を行い、病型の分類を行うとしています。

ちなみに、上記の定義では、妊娠する以前には糖尿病とは診断されていない、という点で一致していますが、細かく分類すればこの中には、
^柄阿ら未発見の糖尿病があり、妊娠中の検査で初めて発見されたもの
以前から軽度の耐糖能異常があり,妊娠して初めて糖尿病型を示したもの
Gタ叡罎謀尿病型よりも軽い糖代謝異常が初めて出現したもの

が含まれています。

妊娠中の糖代謝異常は、母体や胎児に重大な影響を与えうるため、特別な管理が必要となります。妊娠初期の高血糖と、先天奇形および流産のリスクは正相関し、特に妊娠7週までの高血糖が奇形の発生に大きな影響を与えるといわれています。また、妊娠による耐糖能の悪化は巨大児や児の低血糖など、周産期合併症を引き起こすといわれています。そのため、しっかりと血糖値のコントロールをする必要があるわけです。

妊娠時にはインスリン抵抗性が増大し、糖尿病を発症しやすくなるといわれています。糖尿病には、1型糖尿病と2型糖尿病があります。1型糖尿病は、自己免疫的機序により、膵臓のインスリン産生を行っているβ細胞の傷害によって起こると考えられます。

一方、2型糖尿病とは、生活習慣が大きく関わっており、慢性的な高血糖状態やインスリン抵抗性(インスリンが多く分泌されていても、効かない状態)により、相対的なインスリン不足状態を指します(分泌自体はあっても、作用が追いつかない状態)。妊娠糖尿病では、2型糖尿病が多いですが、妊娠中に1型糖尿病を発症することもあります。

また、劇症1型糖尿病といって、発症直後から著明な高血糖とインスリン分泌の枯渇を認め、約1週間以内にケトアシドーシスに陥ることもあります。劇症1型糖尿病は、急性発症1型糖尿病の約20%を占め、妊娠中または分娩後2週間以内の発症が多いと報告されています。

診断や治療としては、以下のようなものが行われます。
診断基準は、
75g糖負荷試験にて、
・静脈血漿グルコース濃度が負荷前値100mg/dL以上
・負荷後1時間値180mg/dL以上
・負荷後2時間値150mg/dL以上

のうち、2つ以上を満たせば妊娠糖尿病と診断されます。

ちなみに、妊娠前にすでに糖尿病を合併している場合、血糖コントロールはHbA1c6%以下を目標とし、7%以下を妊娠許可の条件とするようです。

妊娠中に母体の糖尿病合併症、特に網膜症が急速に増悪することがあるため、前増殖網膜症以上の場合は光凝固術を行い、網膜症が落ち着いた状態で妊娠を許可します。腎症は、クレアチニンクリアランス70mL/分以上、尿蛋白1g/日以下であることが望ましいようです。

経口血糖治療薬に関しては、完全に安全が確保されているとは言い切れないため、薬物療法が必要な場合は、インスリン治療に切り替えることもああります。

妊娠糖尿病では、周産期合併症を減少させることを目的とし、糖尿病とはまた別な診断基準が設定され、妊娠中はより厳格な血糖コントロールが要求されます。

治療の目標は、血糖正常化です。つまり、食前値100mg/dL以下、食後2時間値120mg/dL以下とすることを目指します。食後1時間値も140mg/dL以下が望ましいとされています。また、網膜症がない場合でも、3ヶ月に1回の眼底検査が必要など、頻回に合併症の評価を行います。

具体的な治療としては、上記のニュースでも栄養士をつけているようですが、食餌療法として
・妊娠前半:標準体重×30kcal+150kcal
・妊娠後半:標準体重×30kcal+350kcal
・授乳期:標準体重×30kcal+600kcal
といったエネルギーの管理を行います。肥満を合併する場合は、肥満の度合いにより1,200から1,400kcalとします。

上記でも書きましたが、妊娠中の経口血糖降下薬の安全性は確立していないので、インスリン治療を行うのが原則となります。妊娠時にはインスリン抵抗性が増大し、妊娠前に比べてインスリンの増量が必要となります。厳格な血糖コントロールの達成のためには、2型糖尿病患者でも積極的に強化インスリン療法を行う必要があります。

血糖コントロールは大変であると思われますが、しっかりと治療なさって、元気な双子を産んでいただきたいと思います。

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