ロイター2日付の報道によると、70歳時に一部またはすべての歯が抜けることは、老衰加速を示す1つのシグナルと考えることができるという。デンマークで行われた研究で明らかになった。

研究員は、デンマークの首都コペンハーゲンに住む573人の70歳の高齢者の歯の数を調べた。それによると、20本余りの歯が残っている高齢者と比べると、一部またはすべての歯が抜け落ちていた高齢者のほうが、5-10年の間に老衰が進行する危険性が明らかに高かったという。また、70歳時の歯の残り本数と、死亡率にも関連が見られた。

この研究結果は、アメリカの高齢者医学会の機関誌に掲載されている。また研究員らは報告のなかで、「高齢者の歯が抜けるのは、人体機能の喪失と何らかの関係があると見られる。高齢者の歯の数は、病気の予防と高齢者介護における、新たな課題となるだろう」と指摘している。

研究員の1人は、次のように述べている。「歯の健康について真剣に考える必要があるだろう。歯の健康は、人体の健康や認知能力に影響をあたえる可能性が高いからだ」。
(新事実!歯が抜けることは老衰加速のシグナル)


口腔ケアとは、歯牙および口腔内の清潔を保つために行われる看護ケアを指します。口腔内を清潔にする目的としては、
%歯(いわゆる虫歯)、歯周病、口腔粘膜疾患の予防
口臭予防
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タ欲の増進

などが挙げられます。こうした口腔内環境を清潔に保ち、口腔機能向上を支援することが主眼におかれていることが多いようです。ですが、食物摂取が快適になることや、摂食嚥下障害や栄養改善、コミュニケーションの回復など、生活の質(QOL)を上げる上で、非常に大きな役割も担っています。

「20本余りの歯が残っている高齢者と比べると、一部またはすべての歯が抜け落ちていた高齢者のほうが、5-10年の間に老衰が進行する危険性が明らかに高かった」ということには、単なる食事に関連しての歯の役割だけでなく、それに付随した『楽しんで食事できる』といったメンタル面での影響が大きいのではないか、と思われます。

そうしたことに関連して、口腔ケアと全身疾患は、以下のように関わりがあると言われています。
菌歯周病菌が引き起こす歯周病とは、歯と歯茎の間にある溝(歯周ポケット)で歯周病菌が繁殖、歯茎に炎症が起きる疾患です。日本人のおよそ7割がかかっていると考えられている国民病の一つです。

この歯周病は、全身疾患(心臓血管系疾患,呼吸器系疾患,糖尿病,妊娠時の合併症,肥満など)との関連性を示す研究結果が報告されており、注目されています。特に、重度の歯周病を患っていると心筋梗塞のリスクが高まる、ということがいわれています。

歯磨き不足などがきっかけとなり、歯周ポケットに歯周病菌がたまり始めると、その毒素で歯茎が破壊され、歯周ポケットは徐々に深くなり出血を伴うようになります。歯周病菌の一部はリンパ管を経て、血管の中に侵入して血中内に入ることになります。もちろん血管に入った歯周病菌の大部分は、白血球によって退治されます。ところが、一部の歯周病菌は、白血球から逃れ、血小板に入り込むことがあります。

歯周病菌が入り込んだ血小板は異常を起こし、互いに集まり固まりやすくなり、簡単に血栓を作ってしまうと考えられています。血栓ができた結果、冠状動脈を塞いで、心筋梗塞を引き起こす可能性もあります。

また、白血球が歯周病菌の出す毒素に触れることで、TNF-αと呼ばれる物質を放出します。このTNF-αには、血液中のインスリンの働きを妨げてしまう作用があると考えられているそうです。そのため、インスリンの働きが低下し、糖尿病を進行させてしまう可能性もあります。

このように口腔ケアと全身状態は関連し、こうした面からも、特に要介助者で口腔内環境を清潔に保つことは必要になります。

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