イギリスに住むサマンサ・ヒュースちゃん(4歳)は2歳の時、癌にかかった。その後の2年間、彼女は自分の癌との戦いの記録をブログにつづってきた。しかし闘病の努力もむなしく、サマンサちゃんは今月に入り、この世を去った。

だが彼女の闘病記録をつづったブログは、多くの人に勇気を與えてきたという。イギリスのメディア「デイリー・メール」が23日の記事で伝えた。

2005年4月、サマンサちゃんはわずか2歳にして小児性の癌にかかった。彼女は同年9月から治療を受け始めたが、彼女の両親はそのときから、「サマンサちゃんの口調」でブログにその闘病記録をつづり始めたのだという。ブログには毎週約7000人からのアクセスがあり、サマンサちゃんと両親の下には毎日50通以上の応援のメールが寄せられたという。
(2歳児のガン闘病)


15歳以下におこる「がん」を小児がんと呼び、成人以降の癌とはやはり性質が異なります。病理学的には、癌(上皮から発生)よりも肉腫(筋肉などから発生)が多いと言われています。また、頻度が高いものとしては、白血病、脳腫瘍、悪性リンパ腫、神経芽腫、ウイルムス腫瘍などがあります。

白血病は、小児癌のなかで最も頻度が高く、小児人口10万人に3〜4人の割合で発症します。日本での年間発症数は1,000人以上と推定され、決して稀な疾患ではありません。小児の白血病は、急性白血病が95%を占め、その中の約75%が急性リンパ性白血病、残りの25%が急性骨髄性白血病です。

治療としては、主体は抗がん剤を用いた化学療法と、造血幹細胞移植です。まずは化学療法によって白血病細胞を叩き、完全寛解(正常造血の回復によって末梢血液像および骨髄像が正常化し、臓器浸潤も消失した状態)と呼ばれる状態になるまで治療します。

完全寛解に到達した直後に、寛解地固め療法が行われます。これは、残存白血病細胞をさらに減少させ、完全寛解状態をより強固なものにする目的で行われます。地固め療法には、寛解導入療法と同じ治療法(投与量をある程度減量する場合が多い)あるいは交差耐性のない薬剤を組み合わせた多剤併用療法が2〜3回繰り返されます。その後、より安定した状態を維持するため、維持強化療法が1〜2年継続されます。

化学療法は具体的には、
寛解導入療法
→プレドニゾロン/デカドロン、オンコビン、ロイナーゼの3剤、あるいはテラルビシンを加えた4剤
中枢神経白血病予防治療
→メソトレキセート・キロサイド・ハイドロコートン髄注、メソトレキセート大量療法、頭蓋放射線照射
強化療法
→エンドキサン、キロサイド、ロイケリンによる寛解導入療法直後の地固め療法、維持療法開始直前の再寛解導入療法
維持療法
→メソトレキセート週1回、ロイケリン連日内服、プレドニゾロン・オンコビンによる4週ごとの強化療法

からなります。

急性骨髄性白血病の場合、治療は寛解導入療法、寛解導入後強化療法、造血幹細胞移植療法に分けられ、リスク群別に、化学療法の強度、造血幹細胞移植の適応が決められます。化学療法剤としては、代謝拮抗剤であるシタラビン(キロサイド)、アントラサイクリン系薬剤、トポイソメラーゼ阻害薬であるエトポシドの組み合わせが有効であるといわれています。

白血病に次いで多いのが神経芽細胞腫(固形腫瘍ではトップ)で、発生頻度は10万人当たり1例程度ですが、3ヶ月未満の新生児の剖検例では200〜1,000例に1例と高頻度に認め、半数は2歳までに発症します(1歳までが25%、2歳までが40%であり、10歳までに90%を超える)。男児にやや多く発生します。

神経芽細胞腫の治療としては、以下のようなものがあります。
治療としては、腫瘍が限局している場合は、外科的摘除が第1選択です。外科的摘除が困難な症例や、すでに遠隔転移・播種を呈している場合は、放射線療法の併用とともに、化学療法が治療の主体となります。

ビンクリスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、副腎皮質ステロイドなどを組み合わせた多剤併用療法が試みられ、有効性が示されています。骨髄移植が行われることもあります。

予後因子として年齢、病期、N-myc遺伝子の増幅、嶋田の組織分類、DNA ploidy、TRK-A発現、1p欠失などがあります。こうした予後因子により治療方針を決定します。

病期としては
stage I
腫瘍が原発巣に限局しているもの
stage II
腫瘍が局所浸潤や局所リンパ節転移を伴なうも正中線を越えないもの

stage III
腫瘍が正中線を越えて浸潤あるいはリンパ節転移を行なうもの

stage IV
骨や遠隔リンパ節に遠隔転移をなすもの

stage IVs
1歳未満で腫瘍はステージ1か2aまたは2bでありながら皮膚、肝臓または骨髄に転移のあるもの

と分けられます。1歳未満の病期機き供き掘きsは良好で、1歳以上の病期掘き犬詫集緝堽匹箸い錣譴討い泙后

1歳未満の乳児期神経芽腫は、一般に遠隔転移例を含め予後良好といわれています。ですが、生後3ヶ月未満の幼若乳児例では増殖が速く、特に肝転移による急速な肝腫大をきたすといわれており、注意が必要です。

急速増大をきたした例には、シクロホスファミド(CPA)、ピラルビシン(THP-ADR)などの抗がん薬の少量投与や、4〜5Gyの放射線療法が行われます。具体的には、病期1,2は手術のみ、摘出された病期3の一部も化学療法なし、ほかは化学療法を施行します。

1歳以上の限局例では、手術で完全切除ができれば、それ以上の治療は不要と考えられ、腫瘍残存例には比較的軽い化学療法が行われています。

1歳以上進行症例では、厚生労働省班研究プロトコールで治療されることが多く、2005年からは臨床試験が開始されています。手術・放射線の局所療法は,原則として初期治療4〜5クール後に行われています(摘出手術は転移巣の完全消失後に行うのが原則)。造血幹細胞移植を併用した超大量化学療法施行がほぼ標準的となっています。

以前に、神経芽細胞腫の少女が、チャリティーの輪を広げたといった記事を紹介しましたが、やはり同じ病で闘う人々、そしてそのご家族にとって、非常に励みになったと思われます。そうした意味で、サマンサ・ヒュースちゃんが残したものは、非常に大きな意義をもっていたのではないか、と思われます。

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