18年半ぶりに再結成した3人組バンド「C−C−B」のギタリスト・関口誠人(48)が昨年3月に心筋梗塞(こうそく)で入院していたことが28日、分かった。この日、東京・表参道FABで行われた再結成ライブの会見で、本人が明らかにしたもの。同時に、5月から東名阪でのライブツアー(全3公演)の開催も発表。関口は「ステージ上で死ねるなら本望。いけるところまでいきたい」と闘志を燃やした。

会見も、終わりに差しかかったころだった。関口は「心臓を少し悪くしまして。昨年、心筋梗塞になりました」と告白。本人は気にしている様子もなく、あっさりと告げたため、報道陣もしばらくあっけにとられた。続けて東名阪でのライブツアーに向けて「ステージ上で死ねるなら本望。いけるところまでいきたい」と宣言。「僕が先(87年)に脱退しちゃったんで、なかなか(再結成しようと)言えなくて。まだかまだかと思っていた」と、18年半ぶりの再結成を心から喜んだ。

事務所関係者によると、関口は昨年3月に発症し、3週間ほど入院した。現在も定期的に通院を続けているが、健康状態に問題はないという。解散後、18キロ以上体重が増えたため「メタボ対策を実行しているところ」(関係者)と話している。
(C−C−B関口、心筋梗塞だった)


心筋梗塞とは、心臓が栄養としている冠動脈の血流量が下がり、心筋が虚血状態になり壊死してしまった状態です。

冠動脈が閉塞する原因としては、やはり冠動脈の粥状動脈硬化(アテローム硬化)による狭窄が基礎にあります。粥状動脈硬化(アテローム硬化)とは、脳や心臓などの太い動脈内にコレステロールなどが沈着し、粥状のかたまりができて血管内が細くなった状態です。

具体的には、冠動脈内膜下に形成された粥腫(血管壁にたまったコレステロールが、血管の内側にこびりついたもの)が破綻し、 血小板が凝集して冠動脈血栓の形成が起こり、結果として冠動脈が完全閉塞して起こると考えられています。

心筋梗塞を引き起こす要因としては、喫煙や高コレステロール血症(特に高LDLコレステロール血症)、糖尿病や高血圧であるといわれています。メタボリック症候群(内臓脂肪症候群)の人はそうでない人に比べて、心筋梗塞など心臓血管系の病気になる危険性が男性で約2.5倍、女性で約1.8倍になるとされています。

現に、心筋梗塞は日本には比較的少ないといわれてきましたが、食生活の向上や生活様式の欧米化に伴って急激に増加しつつあるといいます。厚労省の死因解析から、虚血性心疾患の死亡数は約8万人と推測され、病理的な検討から30%の致命率であると考えられています。よって、日本全体では約25万人の急性心筋梗塞症の発症が推測されていますが、今後も増加すると推測されます。

特徴的な症状としては、狭心痛(胸が締め付けられるような痛み)を生じます。「痛い」よりも「胸が苦しい」「重い感じがする」など、締め付けられる(絞扼感)を訴えることが多いといわれています。

通常、狭心症では胸痛の持続時間は数分程度でおさまりますが、安静にしていても30分以上胸痛の持続する場合は急性心筋梗塞を疑います(通常30分以上持続する前胸部の強度の胸痛や絞扼感で、恐怖や不安感を伴う)。

中には心窩部・背部痛呼吸困難、悪心・冷汗・失神などの非典型的な症状を訴えることもあります。悪心・嘔吐などの消化器症状も伴うことがあるため、胆石症、胃・十二指腸潰瘍などとの鑑別が必要になることもあります。高齢者や脳梗塞、糖尿病を有する患者さんでは、無痛性に発症することもあります。その結果、放置してしまうケースもあります。

また、関連痛といって、疾患のある臓器以外の部位に出現する痛みが生じることがあります。具体的には、胃の痛みを中枢へと伝える神経と、心臓の痛みを伝える神経が近い位置にあるため、誤って「胃の痛み・不快感」として伝えられてしまったような状態です(共通の神経で痛覚が脳へ伝達されるために起こると考えられている)。

診断方法や治療としては、以下のようなものがあります。
診断としては、上記のような臨床症状がみられたり、心電図で連続する2誘導以上でST上昇、またはST低下(非ST上昇型)を示し、数時間後にはQ波の出現、あるいは非Q波梗塞ではR波の減高がみられます。

まず心筋傷害を反映したST上昇、数時間後には心筋壊死を反映したQ波、その後に心筋虚血を反映した冠性T波が出現します。冠性T波は左右対称の先端の尖った深いT波で、2日〜1週間以内に出現し、数時間〜長年にわたり持続します。

血液生化学的検査では、白血球の増加は特異性がないが発症早期からみられ、その程度は重症度や予後と関連するといわれています。CPK、CK-MBは、梗塞発症後6時間以内に上昇し、3〜4日で正常値に戻ります。AST、LDHは、CPKより上昇が遅く、ASTの上昇は4〜7日間、LDHの上昇は1〜2週間続きます。そのため、これらは発症時期の推定には有用な指標となります。

ミオグロビンは、CK-MBに比し早期より上昇し、ピークは1時間後で1〜2日後には正常となります。ミオシン軽鎖Iはピーク値は発症から2〜5日であり、7〜14日後に正常化します。

最近では、心筋特異性が高いトロポニンT・トロポニンIも用いられています。トロポニンTは、発症後3〜5時間で高値になり、その後は2峰性の変動を示します。最初のピークは12時間、2番目のピークは3〜5日であり、発症後7〜10日で正常化します。

心エコーも有用であり、収縮低下を確認することがほかの疾患との鑑別に有用であったり、他の合併症の有無も判断できます。冠動脈造影は、虚血性心疾患の確定診断には非常に重要となりますが、侵襲性が高いといった難点もあります。

冠動脈造影(CAG)・左室造影法では、急性心筋梗塞の責任冠動脈病変を確定でき、引き続き梗塞サイズの縮小を目的とする再灌流療法を施行することもできます。

治療法としては、まずは対症療法中心に行いつつ病状の安定を図り、合併症の発生を厳重に管理します。通常は、アスピリン内服、酸素吸入、輸液、硝酸薬などを中心に行います。

発症6時間以内の心筋梗塞の場合、積極的に閉塞した冠動脈の再灌流療法を行うことで、心筋の壊死範囲を縮小可能であるといわれています。

カテーテル的治療(PTCA, PCI)を行う場合や、血栓溶解療法(PTCR)、狭窄部位が3つ以上であった場合などに、緊急冠動脈大動脈バイパス移植術 (CABG) が行われる施設もあります。

経皮的冠動脈形成術(PTCA:percutaneous transluminal coronary angioplasty)とは、心臓を栄養する血管である冠動脈の閉塞した箇所にカテーテルを用いて、バルーン(風船)を拡張して狭くなった冠動脈を拡げる手術です。

PTCAは約3分の1の割合で、再狭窄が数か月後に起こるのが欠点の1つとして挙げられていましたが、最近ではステントと呼ばれる小さなメッシュ状の金属チューブを動脈壁に留置することが行われています。これにより、再狭窄を少なくすることができると考えられます。ステントによって、再狭窄率は15%前後にまで低減することができたと言われています。

心筋梗塞予防には、高脂血症や肥満、高血圧といったリスクファクターを、取り除くことが重要です。健康診断などで指摘された場合、適切なアドバイスを受け、生活改善などを行うことが必要になると思われます。

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