読売新聞の医療相談室で、以下のような相談がなされていました。
人間ドックで胆石があると言われました。今のところ症状は出ていませんが、今後どんなことに気をつければいいですか。(東京都・45歳女性)
この相談に対して、以下のように答えられていました。
胆石とは、主に胆汁(消化液)が固まってできる結石です。主成分によって、コレステロール結石とビリルビンカルシウム石とに大別されます。コレステロール結石は、胆汁の成分バランスが崩れ、胆のう(胆汁をためているところ)内でコレステロールの一部が結晶化したものです。ビリルビンカルシウム石は、胆汁の通り道(胆管)に生じた炎症によって、ビリルビン(胆汁内の色素)とカルシウムとが結合したものです。一般的に胆石と言えばコレステロール結石を指し、胆石の6割を占めます。

胆石は、別名爛汽ぅ譽鵐肇好函璽鶚瓩噺世錣譟△曚箸鵑匹無症状。人間ドックを受けた人の4〜5%に発見されることが多く、日本では500万人以上が保有していると推計されます。胆のうがんなどの疑いがなく、症状が出なければ、基本的に治療の必要はありません。

症状は、胆のうから胆汁が排出される際に結石が出口で引っかかると発作的に発症し、右あばらの下奥やみぞおちが急激に痛みます。発作は、食後から数時間たったころや夜中に起こるのが特徴です。とくに脂肪分の多い食事が引き金になります。痛みをやわらげるために鎮痙剤を服用することもありますが、通常、痛みは数時間で自然に治まるため、軽症の場合は胃の痛みと間違えることもあります。

胆嚢や胆管などの胆道内に、固形物(胆石)ができた状態を胆石症と呼びます。つまり、症状の有無にかかわらず胆石があれば胆石症というわけです。

胆石はその存在部位によって、肝内結石、胆嚢結石、総胆管結石に分類されます。また、その成分によって、コレステロール胆石(70%)、色素胆石(30%)、稀な胆石(数%)に分類されます。ちなみに、コレステロール含有量が70%以上の胆石をコレステロール胆石としています。

男性よりも女性に多く、加齢とともに頻度は増加します。成人における頻度は約5〜7%といわれていますが、70歳以上では20%を超え、胆嚢結石は女性に多く、胆管結石は高齢男性に多いという傾向にあります。最近では、腹部超音波検査を含めた検診の普及により、無症状の胆石症が診断される頻度も増加しています。

胆嚢結石の場合は、無症状で発見されることがあります。症状が起こった場合、腹痛は疝痛(さしこむ痛み)で、上腹部から右季肋部に差し込むような激痛が起こります。悪心を伴い、痛みは右肩へ放散することがあり、間欠的に起こるのが特徴的です。

感染を合併した場合、発熱を伴ったり、胆管結石が乳頭に嵌頓した場合は、急性膵炎を発症することもあります。黄疸は胆管結石の場合は必発ですが、胆嚢結石の場合は胆管に胆石が落下して嵌頓した場合や、Mirizzi(ミリッツィ)症候群を起こした場合を除いては、黄疸を認める頻度は少ないです。

肝内結石は無症状のことが多いですが、胆管に落下すると胆管結石と同様な症状を呈し、また肝内胆管末梢に感染を生じて肝膿瘍を併発して発熱、腹痛を生じることもあります。

治療としては、以下のようなものがあります。
治療が必要となるのは、発作が我慢できない場合や胆のう炎を引き起こした場合などです。胆のう炎は痛みに加えて熱が出ます。また、石が小さくて胆管にまで落ちると、肝障害や膵炎を起こすことがあるので注意が必要です。

治療法には、石を溶かす薬の服用と胆のうを取る手術があります。薬は効果が出るまでに時間がかかるため、主に発作の予防として使います。やはり、完治には手術が必要です。おなかに小さな穴を開け、そこから腹腔鏡を入れて胆のうを取る方法なら、開腹手術よりも負担は少なく、5日ほどの入院で済みます。

胆石は出産経験のある40代の女性で、肥満の人に多いと言われますが、これは傾向でしかありません。問題は、胆石があるかないかではなく、症状が出るか出ないかにあります。発作を起こさないよう、脂肪分の多いものを食べ過ぎないように注意しましょう。これは、体全体の健康のためにも大切なことです。胆石は自然に消えるものではないので、1、2年ごとに人間ドックなどで胆のうの状態を診てもらうとよいでしょう。

無症状胆嚢結石の場合は、脂肪摂取を控えて胆汁酸製剤などで経過観察することもあります。ですが、胆嚢萎縮や巨大結石で胆嚢壁の評価が困難なときは、無症状でも手術を考慮します。

症状がある場合で、さらに径30 mm以下のコレステロール結石の場合、体外衝撃波結石破砕療法(extracorporeal shock-wave lithotripsy; ESWL)などの治療や、腹腔鏡下胆嚢摘出術などを考慮します。

総胆管結石は無症状で発見されても原則的に治療(外科的に手術する場合と、内視鏡的に摘除する方法)を行います。また、肝内結石は肝内胆管癌の危険因子として知られており、原則的に治療(経皮的なルートから胆道鏡を用いて摘除する方法、外科的に肝切除を行うなどの手術)を行います。

胆石症の場合、上記のように、やはり症状がなくても、1〜2年ごとに人間ドックなどで胆嚢の状態を診てもらったり、発作を起こさないように脂肪分の多く含まれるもの(揚げ物など)を食べ過ぎないことも気を付けたいところです。

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