フランクフルトのMF稲本潤一(28)が日本に緊急帰国し、手術する可能性が浮上した。10日のシャルケ戦にスタメン出場した稲本は前半21分に警告を受け、17日にホームで行われる最終節のデュイスブルク戦に累積警告で出場できなくなった。試合後「こっちにいても意味がない。監督がOKすれば日本に帰るかもしれない」と帰国をほのめかした。

稲本は04年6月のイングランド戦で左足腓骨を骨折。現在もボルトを埋め込んだままプレーを続けている。「そんなにひどくはない」と話しているが、帰国後、ボルトを外す手術を受けるかについて「手術するかどうかはチームと相談する」と話した。日本代表の岡田監督は6月のW杯3次予選に稲本を招集したい意向だが、手術すれば招集を断念することになりそうだ。
(稲本、左足手術か…緊急帰国を示唆)


腓骨とは、下腿の2本の骨のうち外側にある細い骨のことを指します。腓骨の方は体重を支える働きはなく、上部で脛骨と、下部で脛骨および距骨と関節をつくっています。

下腿に非生理的な直達または介達外力が加わって、腓骨に生じた骨折を腓骨骨折といいます。脛骨骨折と合併することが多いといわれています。直達外力では、脛骨骨折と同じレベルで腓骨の骨折を生じますが、介達外力では回旋力が加わり、脛骨骨折とは異なる部位に骨折がみられることがあります。これを、Maisonneuve(メゾヌーブ)骨折といいます。

腓骨骨折は比較的癒合しやすく、これは腓骨を覆う筋肉からの血行がよいためと考えられています。その治療としては、以下のようなものがあります。
腓骨骨折の場合、その部位や脛骨骨折合併の有無によって治療方針も変わってきます。

腓骨の単独骨折では、遠位1/3より遠位部の骨幹部骨折であれば、足関節の安定性に重要であるので、腓骨の長さを維持するために通常プレート固定を行います。

一方、遠位1/3より近位部での骨折である場合は、保存的治療が選択されます。この部位では変形癒合や偽関節を形成しても、通常は下肢の機能障害を残すことはありません。ですが、痛みのある偽関節例がみられることがあるため、そうした場合は骨移植を併用してプレート固定を行います。

脛骨骨幹部骨折を合併している場合では、脛骨骨折が不安定で、腓骨の骨接合により脛骨の骨長や安定性が保持できる例や、pilon骨折合併例では、手術的治療の適応となります。

稲本選手の場合、どのような状態なのか詳しくはわかりませんが、手術が必要となるようです。遠位1/3より遠位部の骨幹部骨折などが考えられますが、しっかりと治療なさって、復帰されることが望まれます。

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