アメリカのセントルイスにある幼稚園でクラスメートの投票によってクラスから追放された少年がいるようです。追放された少年の名前はアレックス・バートン君(5歳)。いったいどういう事なのでしょうか。

アレックスの担任教師がクラスメート間でアレックスの評判が悪いことを聞き、クラスから追放するかどうか投票を行った結果、14対2の賛成多数でアレックス君は追放される事になりました。まだ診断中ですが、アレックス君は対人関係の障害が特徴とされるアスペルガー症候群の兆候があり、しばしば反社会的行動を起こすことがあったようです。

アレックス君の母親は告訴しようとしましたが、情緒的な児童虐待の基準を満たさないため、告訴は難しいそうです。個人の人権よりも、公共の利益を優先するということでしょうか。

アレックス君は自覚症状が無いため非常にショックを受けていたようですが、その後幼稚園に来ることはなかったとの事。
(アスペルガー症候群の幼児がクラス投票で追放される)


アスペルガー症候群の診断は、2歳過ぎより可能となりますが、知的に遅れのない高機能自閉症や、アスペルガー障害では小学校低学年以降と遅れることがあります。その後、年齢とともに社会生活に適応できることが多くなるようですが、一方で合併症が出現したり、いじめの対象となったり、不登校などの原因ともなってしまうようです。

自閉症とアスペルガー障害は、ともに広汎性発達障害に属する障害です。自閉症は、
ー匆馘相互反応における質的異常
▲灰潺絅縫院璽轡腑鵑亮租異常
制限された常同的で反復的な興味や活動

の3つを必須症状とします。アスペルガー障害の場合は、この3つの症状のうちで、言葉の文法的側面には遅れはほとんど認められませんが、言葉の使い方やイメージ機能に遅れや偏りがあることが特徴的です。ICD-10の診断基準では、2歳までに単語、3歳までに意思伝達に2語文を使うなど、早期の言語発達はほぼ正常でなければならない、とされています。

具体的には、
・高機能自閉症に比べ、言語性IQが高く動作性IQが低い。
・他人との共感に乏しく、一方的な対人関係で孤立。
・衒学的で表情に乏しい。
・天候や時刻表などの話題に夢中で風変わりな印象を与える。
・運動面に遅れや不器用を示す。

こうした特徴があるといわれています。

治療としては、以下のようなものがあります。
治療方針としては、年齢と認知の発達段階を考慮して治療計画を立て、多職種間の連携のもとに行うことが必要となります。幼児期では、安定した母子関係の確立から始まっていきます。基本的には、家族や本人の悩みを受け止めることが重要となります。

行動障害に対しては、応用行動分析的手法が効果を上げることがあります。適応を達成するためにはTEACCH(Treatment and Education of Autistic and Related Communication-handicapped Children)も効果があります。TEACCHとは、「自閉症及び関連するコミュニケーション障害の子どものための治療と教育」のことであり、自立を目指したプログラムを一般的には指します。

対人関係の特異的な困難さに対しては、カウンセリングや生活技能訓練がよい効果を上げることがあります。また、学習障害や発達性協調運動障害が合併する場合には、達成感を得られるようにその特異的困難に合わせてスモールステップで働きかけることも重要です。

異常行動を標的として、薬物療法が行われることもあります。標的となる随伴症状には、興奮、不穏、不眠、こだわり行動、多動、自傷、常同行動、パニック(かんしゃく)などがあります。また、思春期以降では、対人関係の困難に伴う適応障害と合併症が標的となります。

興奮などの随伴症状に対して抗精神病薬であるリスペリドンやハロペリドール、抑うつ状態・強迫症状あるいは反復症状に対してSSRI、多動や注意障害に対して塩酸メチルフェニデート、かんしゃく発作、衝動性、気分変調に対して抗てんかん薬であるカルバマゼピンなどが用いられます。

上記のような行為が、母子ともに非常に傷つく行為であり、さらには「異質な者は排除する」といったことをクラスの子供たちに教えてしまっているのではないか、と思われます。

たしかに、規律を乱されるなど、担任の方には大きな負担となっていたのかもしれませんが、そうした場合、保護者や園の責任者などの話し合いなどで解決するべきことなのではないか、と考えられます。障害に悩む方々や、そのご家族にとって、非常にショッキングな出来事ではないでしょうか。

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