以下は、ザ!世界仰天ニュースで扱われていた内容です。

2001年4月、都内で一人の男が救急搬送されていた。その男とは、当時26歳の千原ジュニア。そしてその136日後、彼は小さなステージに立っていた。千原ジュニアの136日間に何が起きたのか?

東京に来て4年目の2001年、ついに苦労が実り、深夜のレギュラー番組が決まった。自分のコーナーに張り切るジュニアは仕事の移動にローンで買った大型バイクを使っていた。2001年3月25日、春の日差しが気持ちいいので、ジュニアはヘルメットを半キャップ型に変えた。

翌3月26日、出演依頼が来た番組からの事前アンケートを書き上げ、夜遅くに愛車のバイクで家路につく途中の事故だった。朦朧とした意識の中で目を開けた。体が動かない、力が全く入らない。そして再び意識を失った。意識を取り戻したジュニアは、寒さで震えていた。顔面が直接石柱に激突したため鼻を骨折、あごは真っ二つに割れていた。左頬も骨折、そして前頭骨の骨折、おでこの神経も切れていた。さらには眼球の受け皿である眼窩底と内壁を骨折したことで眼球が下に下がっていた。頭を激しく打ち、意識が戻らないということは脳を損傷している可能性が高い最悪の場合、待っているのは死―――。検査の結果、脳には全体的な腫れがみられ、髄液が漏れていることがわかった。危険な状態だった。

京都の実家にも連絡が入った。朝一で母が向かうことにしたが、母に強く言われせいじは仕方なく病院へ向かうことにした。兄が病院に到着したときには夜が明けていた。が、しかし…弟の姿を見て初めてことの重大さに気づいた。それは、せいじの想像をはるかに超えた状態だった。顔は腫れ上がり弟なのかどうなのかすらわからない。

数時間後、京都から母も到着。顔面の傷から感染が広がらないよう無菌状態の集中治療室にいた。ジュニアは「ごめんな」それだけ言うとまた意識を失った。医師によると意識が安定せず、たいへん危険な状態で、この状態が続くようであれば最悪のことも覚悟する必要があるという予断を許さない状況だった。だがせいじは、なぜか「こいつは死なん」そんな予感がしていた。マネージャーは今日の仕事をキャンセルしようとせいじに申し出たが、仕事の責任もあるし自分は大丈夫だからと仕事に向かった。翌日も意識は戻らなかった。

意識が戻るのをひたすら信じて待つ母。そして事故から4日目。ついにジュニアは目を覚ました。意識を取り戻した3月30日、それはジュニア27回目の誕生日だった。そして、また意識を失った。母の必死の呼びかけにもう一度、目を覚ました。そのときジュニアは「…写真撮って」と口にし、その時母によって写真が撮られたの。日付は誕生日の3月30日。全身に管が通され、顎を固定するため奥歯が針金で止められていた。母は写真を撮ってと言った息子に生還を確信した。そして、医師からの脳にも脊髄にも損傷はなく、後遺症の可能性も低い。山は越えたという嬉しい知らせが。しかし問題は顔だった。顔の左半分が壊滅的なダメージを受けていて元に戻すのは不可能だった。母としてはどんな姿でも生きていてくれればいい。だが息子は現実をちゃんと受け止められるか?

14歳で引きこもった時息子を救ったのは芸人になる道。それが今閉ざされようとしている。意識の戻ったジュニアは一般病棟に移された。そこで母にこう告げた。ジュニア「鏡、鏡見せてくれ」覚悟していたこととはいえあまりに酷い顔だった。終わった。もう人を笑わせることなんてできない。色んな思いが巡る。相方のせいじを、事務所を、応援してくれているファンを裏切ってしまう。血が混じった赤い涙が流れた。死んだ方がマシだ。これ以上体は動かない。死ぬことすらできないのか!そして医師はある事実をジュニアに伝えた。「ヘルメットが半キャップでよかった。 もしフルフェイスのヘルメットだったら、顔にキズ付はなかったでしょう。でも、衝撃が全て首にかかって即死していたでしょう」しかしジュニアの思いは別だった。なぜあの日、フルフェイスのヘルメットを被らなかったのか。そうすれば死ねたのに…。ショックから立ち直れないジュニア。体は回復していく一方で母は目を離せなくなった。自分の目の届かないときになにかあったら…。面会時間を過ぎても病院を離れられない。ジュニアにとって長い夜は耐えられない時間。母も同じだった。

ただ天井を見て息をするだけの日々のジュニア。そんな時、世話になっている先輩芸人が突然病室に現れた。そして「何してんねん、早よ帰って来い」それだけ言うと出て行った。土産の雑誌はなぜかバイクの特集だった。その翌日、今度は別の先輩が現われた。またバイクの雑誌。次の日も先輩が尋ねてくる。何も食べられないジュニアにグルメ漫画。そして後輩が渡したビデオは亡くなったバイクレーサーを描いた映画。さらに、笑うこともままならないジュニアにすごい笑顔の写真を持ってきた先輩。そして悪魔まで…。毎日大勢の芸人仲間が訪ねてくる。それは、多忙を極めるそうそうたるメンバーだった皆、励ましの言葉など口にしなかった。ただいつものようにきそって面白い話をするだけ。彼らの優しさが痛いほどわかった。病室に来てくれた一人ひとりの顔を思い浮かべた。やっぱりみんなのいる世界に戻りたい。徐々に生きる気力がわいてきた。

そして、顔を取りもどす手術を受けることになった。呼吸を確保するためするため喉を切開して人工呼吸器、前頭骨、頬骨そして真っ二つに割れた顎を上下からチタンのプレートで固定し、やがて自然にくっつくのを待つ。顔には計12枚ものプレートが入れられた。10時間にも及ぶ大手術。何度もメスを入れることは体に負担がかかる為、医師数名が終結し、一気に行われた。顔に埋められた12枚のプレート。これらは今もまだ残っている。その後退院し、自宅療養を始めることになったのだが、松葉杖での生活は目のピントもまだ合わず、すぐに疲れる。あごを固定され、豆腐だけをすする日々。そんなジュニアを支えたのは芸人仲間だった。一人きりにしてはいけない。毎日交代で訪ね、楽しませた。命を脅かすほどの大怪我。完全に顔を取り戻すにはあと1年半はかかるが、ジュニアはそれまで待っていられなかった。もとの世界に戻るため、自ら志願した。事故から136日。復活の舞台は千原兄弟の原点であるトークライブ。その当日。事故当日以来の兄との対面。初めて見る弟の顔に実はせいじは動揺したという。いつも通り一言も交わさないままライブは始まった。事故から136日、ジュニアは戻ってきた。


顔面骨は、11種18個の骨で構成されています。臨床的には上1/3、中1/3、下1/3に区別されます。顔面骨骨折の7割強は、上記のように交通外傷によるといわれています。顔面骨骨折において、最も頻繁にみられるのは鼻骨骨折で、次いで眼窩吹き抜け骨折であるといわれています。

鼻骨は、外部からの衝撃を受けやすい部位のため、鼻骨骨折は、顔面骨骨折において最も頻繁にみられます。

種々の外力が前方や前側方から加わって、骨折が起こります。受傷外力が大きいと、上顎骨前頭突起や鼻中隔も損傷して、骨・軟骨の骨折、血腫などを生じることもあります。

骨折によりきたす症状は、外鼻の変形と鼻閉(鼻づまり)が主立ったものです。鼻出血もきたしますが、来院時にはほとんどが止血していることが多いです。鼻骨を両手の人差し指ではさむと、変形があるか確認できます。

診断は鼻出血、鼻部・鼻根部の腫脹、圧痛変形の存在などが参考になり、頭蓋骨側面撮影、鼻骨部軟線撮影などによって行われます。骨折の正確な把握のためや、ほかの顔面骨骨折を伴う可能性があるときには、CT検査が有効となります。

眼窩壁骨折の骨折は、前方からの比較的大きく鈍な物体、たとえば他人の拳や肘、膝やボールなどの鈍的外力により、急激な眼窩内圧上昇が原因で起こることもあります。

骨折部位により、下壁型(眼窩内容物が上顎洞に逸脱したもの)、内側壁型(眼窩内容物が篩骨洞に逸脱したもの)、混合型(両者が混在したもの)などに分類されます。下壁か内壁に生じやすいと言われています。

特に、上記のように眼窩底のみの骨折は、吹き抜け骨折(blowout fracture)と呼ばれます。症状としては、眼窩縁の骨折部に触れると激しい疼痛があり、腫れたり出血を認めます。ですので、骨折端や骨折線を触診すると診断がしやすいです。

重要となるのは、眼球運動制限や複視、眼球突出あるいは眼球陥凹の有無などを確かめることです。特に、吹き抜け骨折の場合は、眼球陥凹や複視(物が二重に見える)、上転(ときに下転)障害、さらに受傷時の鼻出血などが特徴的な症候であるといわれており、こうした所見の有無が重要となります。

頬骨骨折は以下のようなものを指します。
頬骨は顔面、眼窩、側頭窩の形成に関与しています。そのため、頬骨骨折では、頬骨部の腫脹、圧痛、変形、ときに咬合異常、眼球運動障害、視力障害などを訴えることもあります。

上顎骨骨折は、顔面中央部を前方から強く打撲した場合に発生します。Le Fortにより機銑祁燭吠類されています。

Le Fort 儀燭蓮⊂絣楾下部打撲で生じる上顎歯列弓の骨折です。咬合不全(かみ合わせが悪くなる)、上顎歯列部の圧痛・腫脹、異常可動性などがみられます。Le Fort 況燭蓮⊂絣楾中央部の打撲で生じる錐体型骨折であり、顔面中央部の腫脹陥凹(三日月型顔貌)・圧痛を認めます。異常可動性、咬合不全や、鼻出血、髄液漏などがみられることがあります。Le Fort 祁燭蓮⊂絣楾上部打撲で生じる顔面頭蓋離断の骨折です。顔全体の腫脹(ロバ様顔貌)と圧痛がみられます。結果、顔全体の異常可動性、頬骨、頬骨弓、鼻篩骨骨折など、上顎骨以外の各種骨折を合併することになります。この場合も、髄液漏には特に注意が必要となります。

上顎骨折はこのように機銑祁燭吠類できますが、実際には上記のケースのように機↓供↓祁燭混じって存在することもあります。診断としては、異常可動性や、頭部単純X線写真(正面・側面)、Waters法、パノラマ・咬合撮影などCT、MRIなどが参考になります。

下顎骨骨折は、一般には下顎の変形、開口障害、咬合不全、痛みなどが起こります。治療目標としては、咀嚼に有用な咬合の回復が重要となります。

診断としては、下顎の変形、開口障害、咬合不全、痛みなどの症状や、X線撮影で頭蓋骨正面・側面、Waters法、パノラマ撮影、断層撮影などを行います。

一度は、表舞台に立つことを諦めさえしたそうですが、大手術、リハビリを乗り越えて復帰されました。その陰には、母親や多くの仲間の存在があったのだ、という非常に感動的なエピソードでした。

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