2008年06月17日

本当は怖い月経前のイライラ−月経前症候群

以下は、最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で扱われていた内容です。

出版社に勤めるF・Sさん(29)は、この春から、念願の編集部に異動。不慣れな仕事に苦労しながらも充実した日々を送っていましたが、ある日、生理前になると妙にイライラ度が増していることに気付きました。

1週間後、生理が終わると、あのイライラは消え、気分の良さが戻ってきたF・Sさん。ところが、その後も生理前になると、体がだるくなり、眠気やイライラも高まる異変が続いたのです。具体的には、以下のような症状が現れてきました。
1)月経前にイライラする
バイトの人が、コピーをしてくるのがちょっと遅れたというだけで強く当たったり、イライラした状態になっていました。
2)月経前の倦怠感
ひどく気怠くなり、食事を作るのも辛かったり、仕事場で集中力を欠くなど、倦怠感が非常に強い状態でした。
3)うつ状態
上記のように仕事に集中できず、ミスを連発した結果、上司に強く叱責されてしまいました。それで落ち込んだF・Sさんは、次の日から出勤することができなくなってしまいました。

こうした症状は、実は「月経前症候群」によるものでした。月経前症候群とは、以下のようなものを指します。

月経前症候群(月経前緊張症ともいう)とは、月経前3〜10日の黄体期の間に続く精神的あるいは身体的症状で、月経発来とともに減退ないし消失するものを指します。

症状としては、イライラ、のぼせ、下腹部膨満感、下腹痛、腰痛、頭重感、怒りっぽくなる、頭痛、乳房痛、落着かない、憂鬱の順に多いといわれています。

原因は不明ですが、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の不均衡説などがいわれています。

女性は、この2つのホルモンがバランスよく増えたり減ったりすることで、女性はその機能を保っています。この2つの女性ホルモンの分泌量には、変動があります。エストロゲンは、卵巣を刺激して排卵の準備をするホルモンで、月経の終わり頃から排卵前の周期で分泌が高まります。

一方、プロゲステロンは、子宮の内膜を妊娠しやすい状態に保ち、受精卵を着床しやすくする働きがあります。だから排卵後の周期に多く分泌されます。上記の説では、この2つの女性ホルモンの急激な変動に、体がついて行けなくなった結果、月経前に様々な症状を引き起こすと考えられます。

プロゲステロンの分泌が高まると、妊娠した場合に備え、体はエネルギー源である糖分を子宮などに蓄えようとし、体全体の糖分が低下します。すると、脳が「糖分が低下している」ことを「アドレナリン」という物質を分泌して警告します。

このアドレナリンは、人を興奮させ、攻撃意欲を高める作用もあるため、やけにイライラするようになったのです。一方、エストロゲンには、精神を安定させる脳内物質の働きを高める作用があります。そのため、エストロゲンが減少する月経前には、脳内物質の働きも弱まり、気力が失われてしまいがちになっていました。

診断としては、まず毎周期、月経前に繰り返す上記のような症状があり、月経が始まると数日で消退するといったことを把握します。そしてその症状が日常生活に支障をきたす場合、本症と診断します。

治療としては、セルフケア(バランスのとれた規則的な食事、運動療法、十分な睡眠、リラクセーションなど)やカウンセリングが大切となります。重症例では、薬物療法が行われることもあります。

対処療法として、浮腫に対して利尿剤、痛みに対して非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、情緒不安定に対して抗不安薬などを用います。また、ホルモン療法として低用量ピルや、月経を一定期間完全に止めて欲しいという患者さんには、偽閉経療法(リュープリン、スプレキュア、ゾラデックス、ナサニールといったホルモン製剤など)が用いられることがあります。

F・Sさんの場合、新しい部署への異動という環境の変化から来るストレスで、知らず知らずのうちに状態は悪化していました。さらに、仕事上のミスで、自分を責めてしまったことがきっかけで、うつ状態にまで陥ってしまいました。彼女のように症状を悪化させないためには、自分の月経周期を正しく知ることが大切となります。

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