タレントの東原亜希さんが、2008年7月20日のブログで、手足口病に感染したことを報告した。

20日未明に更新されたブログで、手と足に発疹ができたと告白。数日前にできたものだそうで、「最悪です」と書いている。こうした発疹ができたのは初めてのことで、「手は何かとぶつかると痛いし、足は歩くだけで痛いです」「口が痛いのもそのせいかな〜」。症状はかなり深刻で、「だれかたすけてください」と助けを求めていた。

その後、コメント欄に東原さんの病状を心配した書き込みが殺到。その中で、手足口病の可能性があることが指摘された。それを受けて、20日の10時ごろに更新されたブログでは、

「ててててててあしくちびょう!!!!!?????」
と驚き、「まさか自分が」と動揺。手足口病をネットで検索してみたところ、症状も同じで、発疹の状態も同じだったとのことだ。

日本医師会のHPによると、手足口病は乳幼児によく見られるウィルス性の疾患。日本では毎年夏に流行しており、通常1週間から10日で自然に治る。子どもがかかる病気なだけに、東原さんも、「ひがこ25歳! なぜ!」と驚きを隠せない様子だ。

現在は口の中が一番深刻らしく、「歯磨きはもうアウトです。完全にアウトです」。「ほかの方に移さないように気をつけます」とのことだ。なにはともあれ、読者からのコメントで病名らしきものがわかり安心した東原さん。最後に、「みんなありがとう・・・涙」と、感謝の言葉を記した。
(「まさか自分が」東原亜希 手足口病に感染)


手足口病は、エンテロウイルス属であるコクサッキーウイルスA10、A16やエンテロウイルス71型に感染し、口腔内、手掌足底に水疱性発疹をつくるものを指します。ほかにもコクサッキーA5、コクサッキーA9、コクサッキーB1、コクサッキーB3などが原因として報告されていますが、コクサッキーA16、エンテロウィルス71がほとんどです。

主に夏季に流行し、好発年齢は4歳以下です。不顕性感染(特に症状が現れない)に終わることも多く、ほとんどの成人は感染していると考えられます。飛沫または経口感染します。

症状としては、4〜6日の潜伏期の後、発熱や口内痛、食欲低下をきたします。手足では手背、指間、足背、趾間、手掌や足底にも皮疹が出現することが特徴的です。顔面では両頬部、肘・膝・臀部にも同様の皮疹がみられます。数日〜1週間で痂皮化(かさぶた)します。

口腔粘膜には、紅暈を伴った浅い潰瘍がみられます。口内では口蓋、口腔粘膜、舌には小水疱、びらんを生じ、数日で治ります。口内疹は疼みが強いため、お子さんでは食欲不振になることもあります。

通常は全身症状はなく、あっても元気がなかったり、微熱があったりする程度ですが、まれに急に頭痛、嘔吐、高熱、痙攣、意識消失などの髄膜炎症状を呈したりすることもあります。また、不整脈・呼吸困難などの心臓循環器症状を呈する場合もあります。

検査や治療としては、以下のようなものがあります。
手足に生じる特徴的な皮疹と、口腔内潰瘍よりほぼ診断がつきます。便、咽頭ぬぐい液、水疱内容よりウイルスの分離またはウイルス抗原をFA法(蛍光抗体法)にて検出できます。ペア血清による血中抗体価の上昇もみられます。

治療としては、抗ウイルス薬など特異的なものはないため、発熱に対する解熱薬の投与や、口腔内の疼痛のため経口摂取が妨げられるような場合には輸液をするなど対症的な治療のみとなります。

お子さんの場合、出席停止期間に関しては、発疹が消失し全身状態が改善すれば登校可能となります。

成人以降でも、手足口病になることはあります。一般的には1〜2週で治癒し予後はよい疾患(ただ発症後、数週間は感染力をもつ)です。しっかりと休んでいただければ、と思われます。

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