赤塚不二夫(本名・藤雄)さんが2日午後4時55分、肺炎のため死去した。72歳。葬儀の日取りは未定。自宅は東京都新宿区中落合1の3の15。喪主は長女りえ子さん。

赤塚さんは1997年12月に自宅で吐血し食道がんであることが分かり、98年3月に記者会見で公表した。摘出手術を受けた後も急性硬膜下血腫などで入退院を繰り返す。02年4月に脳内出血を起こし、入院が続いたが、親しい知人の見舞いは受けていた。

赤塚さんは02年4月、定期検査のための入院中に脳内出血を起こし、緊急手術を受けた。以降、周囲への反応がほとんどない状態だった。真知子さんの懸命な看病で、呼びかけると、顔を向けようとするまで回復した。しかし、真知子さんは06年7月にくも膜下出血のため、56歳で亡くなった。

関係者によると、最期は病院の集中治療室でりえ子さんらの呼びかけに目で応え、息を引き取ったという。今年2月末から患った肺炎が悪化し、血圧が低下。緊迫した状況が続き、午後4時55分、肉親だけに囲まれ静かに息を引き取った。赤塚さんの事務所は「とても穏やかな表情でした」と話した。
([訃報]赤塚不二夫さん死去 おそ松くん、天才バカボン)


食道癌、急性硬膜下血腫、脳内出血、肺炎…と、晩年は多くの病との闘いの中にあったようです。脳内出血後、入院中に肺炎を起こし、結果として亡くなってしまわれたようです。

脳内出血(脳出血)とは、何らかの原因によって脳の動脈が破れて出血し、脳実質内に出血(血腫)を形成したものです。脳血管障害の3大疾患である、脳梗塞、くも膜下出血とともに、脳内出血はその内の1つです。

以前は日本での発症率が、欧米諸国に比べて高い傾向にありましたが、生活環境の変化や高血圧管理の普及とともに、減少しつつあります。年齢別発症率では、60〜70歳代にピークがあり、男性に多いという特徴があります。

日中、労作時の発症することが多く、症状としては、突発性の意識障害、局所脳神経症状で発症します。神経症状としては、片麻痺や言語障害(失語症、構音障害)、眼症状(瞳孔変化、共同偏視、眼振)などがみられます。

また、頭痛やめまい、嘔吐のみの発症例(小脳出血、皮質下出血など)もあります。症状としては、持続性または進行性に推移します。再出血による急激な増悪もあります。

高血圧症以外明らかな原因病変がない出血では、部位別頻度で被殻40〜60%、視床20〜30%、脳葉、小脳、橋が各々5〜10%となっています。被殻出血では、対側の片麻痺、言語障害(失語症、構音障害)、眼症状(病巣を睨む共同偏視)が特徴的です。視症出血では、対側の感覚障害、不全片麻痺、垂直方向注視麻痺、同名性半盲などを生じます。血腫が大きい場合や中脳に進展した場合には、重症度が増してきます。

診断としては、上記のような症状やCTによる血腫の確認がポイントとなります。発症後早期に行ったCTでは、高吸収域が存在するのが重要な所見となります。

さらに、緊急性には劣りますが(検査に時間が掛かる点で)、MRI検査では、CTでは確認できない小病変や動静脈奇形、血管腫の確認などができます。とくに、血腫周囲に脳浮腫が出現しはじめると、その広がりの描出に有効であるといわれています。

治療としては、以下のようなものがあります。
治療としては、一般的に脳圧降下薬(脳浮腫の除去)としてグリセオール、マンニトールなどが用いられ、止血薬(血管強化薬および抗プラスミン薬)が用いられることもあります。血圧は血圧は150/90mmHgを目安に、これを超えないようコントロールします。

外科的治療としては、神経症状、血腫量を基準とするガイドラインが示されており、被殻、小脳、脳葉出血がよい適応であるとされています。大脳出血では被殻出血(外側型)の一部か、皮質下出血の一部、小脳出血の一部(血腫最大径が3〜4cm以上で脳幹圧迫が考えられるケース)では適応となることが多いようです。

出血直後は、血腫除去および出血点止血を目的とする開頭術を行います。血腫除去のみを目的とする場合には、定位的血腫吸引術を発症4〜7日目頃に行います。赤塚さんのケースでも、出血直後くらいに開頭術が行われたようです。

また、脳内出血では救命できても、片麻痺や言語障害などが問題となることがあります。そのため、積極的に早期からリハビリテーションを行う必要があります。

亡くなられてしまったことは非常に残念ですが、作品は遺り、これからも多くの人を楽しませてくれることでしょう。ご冥福をお祈りしたいと思います。

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