以下は、最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で扱われていた内容です。

結婚10年目にして子づくりを決意したものの、なかなか妊娠の機会に恵まれないI・Sさん(36)。職場の先輩に相談したところ、産婦人科で不妊の原因を調べてもらうようアドバイスされますが、内診台の上で脚を開くことに抵抗があり病院に行くのを敬遠していました。

さらにその頃「子宮ガン検診のお知らせ」が送られてきましたが、こちらも診察されるのが恥ずかしくて行かずじまい。そうして1年が過ぎたある日、ピンク色のおりものが出ていることに気付いたI・Sさん。おりものは生理が終わっても出続けたばかりか、はっきりとした血の色に近くなっているようでした。それでも、婦人科に行くことに抵抗があったため、受診することはありませんでした。

ですがある日、「不妊外来を受診してみないか」という夫の誘いもあり、産婦人科を受診することを決意しました。そこで、子宮癌検診も同時に受けることになりました。

数日後、検査の結果を聞きに行ったI・Sさんたち。そこで、不妊に関する検査では異常が見られなかったと言われました。ですが、次に医師の告げた病名に、I・Sさんはショックを受けました。その病名とは、子宮頸癌でした。

子宮頸癌とは、以下のような疾患を指します。
一般に子宮癌と呼ばれていものには、子宮頸癌と子宮体癌の2種類があり、膣に近い子宮の入り口(頸部)にできるのが子宮頸癌であり、奥の袋状の部分(体部)にできるのが子宮体癌です。

同じ子宮に発生する腫瘍ですが、子宮頸癌の好発年齢は40歳程度で発生率が高いとされています。年齢別にみた子宮頸部がんの罹患率は、20歳代後半から40歳前後まで増加した後横ばいになり、70歳代後半以降再び増加します。近年、罹患率、死亡率ともに若年層で増加傾向にあります

一方、子宮体癌は好発年齢が50−60歳代で、閉経後の発生が約4分の3を占めますが、最近では40歳未満の若年体癌の頻度も増えています。体癌はエストロゲン依存性のタイプ気犯鶲預言のタイプ兇吠類され、タイプ気鷲塲ァ排卵障害、肥満などに伴う持続的なエストロゲン刺激が関与しているといわれ、大部分はホルモン依存性の癌であると言われています。

こうした違いがあり、I・Sさんは前者の子宮頸癌に罹患していました。発症原因は、女性ホルモンが関係する子宮体癌に対し、子宮頸癌の場合はウィルス感染が問題となります。このウィルスとは、ヒトパピローマウィルス(HPV)と呼ばれます。

HPV自体は、女性の2人に1人が一生に一度は感染すると言われるごく身近なウィルスです。性交渉によって感染するため、経験のある人は誰もが感染の可能性があります。ですが、感染した人全てが子宮頸癌になる訳ではありません。そこまで進行する人はごくわずかであり、感染してもおよそ9割の人は身体の免疫機能によって、ウィルスを撃退してしまうのです。

ところが残りの1割の人は、ウィルスが撃退できず、感染し続ける状態になってしまいます。そしてそのうちの1割の人が、異形成と呼ばれる前癌病変に発展してしまいます。とはいえ、この段階でも徐々に正常な細胞に戻ることがあります。ところが、中には正常な細胞に戻らない人もおり、子宮頸癌に発展することもあります。

I・Sさんの場合、発見が遅れてしまったために、子宮頸癌は2cm程度にまで進行し、そこから直接出血し始めていました。ピンク色のおりもの(帯下)や不正出血は、癌細胞からの出血によって起きたものでした。結果、I・Sさんは子宮全摘術という辛い選択を余儀なくされてしまいました。

実は、子宮頸癌は早期発見のチャンスがあります。I・Sさんの場合、検診の案内が届いた時、病変部はまだ異形成か、癌でも初期の段階だったと考えられます。子宮癌検診では、癌へ発展する前の、細胞の異変を高い精度で発見することが可能となっています。定期的に受診さえしていれば、たとえ癌化しても、早いうちに患部だけを一部切り取り、子宮を温存することも可能となります。

ですが、I・Sさんのように産婦人科の検診に抵抗感を感じ、受診しない人が多いのも事実です。実際に子宮頸癌の受診率を海外と比較すると、欧米の70〜80%に対し、日本は23.7%。まだまだ受診率が低い状況です。子宮癌検診の案内がきた場合は、ぜひそのチャンスを生かしていただきたいと思われます。

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