子どもが片頭痛もちである場合の対処法として、米国家庭医学会(AAFP)は以下のことを勧めている。
・規則正しく食事をさせる。食事を抜かない。
・睡眠も規則正しいスケジュールで取らせる。
・毎日運動をさせる。ただし、させすぎてはいけない。
・子どもが片頭痛を起こす引き金となるものを把握し、その要因を避けるようにする。一般的な要因としては、ストレス、極度に激しい運動、気候や高度の変化などがある。
・片頭痛の引き金となる食物を避ける。よく知られているものは、チーズ、加工肉、チョコレート、カフェイン、ナッツ類、ピクルスおよびグルタミン酸1ナトリウム(MSG)を多く含む食品など。

(子どもの片頭痛への対処法)


片頭痛とは、拍動性頭痛(ズキンズキンと脈打つような痛み)を主体として、これにさまざまな随伴症状を伴う発作性頭痛です。片頭痛には前兆を伴うものと伴わないものがあります。

片頭痛の特徴としては、「若くして発症し、女性に多く、主に片側性(両側性もありうる)に繰り返す拍動性の頭痛」です。頭の片側(時に両側)が、ズキンズキンと脈打つような激しい痛みに襲われます。こうした痛みが月に1〜2回、多い人では週に1〜2回発作性に起き、持続時間としては数時間〜3日間ほど続きます。

頭痛以外の症状としては、吐き気がしたり、実際に吐いたりします。こうした悪心・嘔吐といった随伴症状を伴いやすく、また、体を動かす、音を聞く、光を見るなどで痛みがひどくなります。

頭痛の前ぶれとして約10〜20分間、視野にチカチカしたりギザギザした模様が広がって、物が見えにくいといった症状の出る場合もあります(眼症状としては、閃輝暗点や視野欠損がある)。手指、顔面のしびれ、顔面の紅潮、蒼白、発汗がみられることもあります。

症候上の診断基準としては、以下のようになっています。
ー,4項目のうち、2項目を満たす。
・片側性
・拍動痛
・日常生活に支障がある。
・体動により頭痛が増悪する。
⊆,里Δ1項目を満たす。
・悪心あるいは嘔吐
・光・音過敏

上記の症状でもおわかりの通り、こうした特徴がみられます。さらには、片頭痛には前兆を伴うものがあり、閃輝暗点(内側に視野欠損部を伴い、辺縁がジグザグ様に輝く暗点が約20分の経過で徐々に拡大する)が最も多いといわれています。

片頭痛の対処や治療としては、以下のようなものがあります。
片頭痛の発生メカニズムについては、まだ解明されていない部分もありますが、有力な説としては「セロトニン説」と「神経血管説」の2つがあります。
1)セロトニン説
ストレス・緊張などにより脳が刺激を受けると、血液成分である血小板から血管を収縮させる作用を持つセロトニンが多量に放出されるようになり、脳内の血管が収縮する。時間の経過と共にセロトニンが分解・排泄されて減少すると、一度収縮した血管が逆に広がりはじめるようになり、この時に頭痛が起こるようになるというもの
2)三叉神経血管説
脳から伝えられた何らかの刺激が血管周囲にある三叉神経を刺激し、三叉神経の末端から血管を拡張させる作用をもつサブスタンスPなどのさまざまな神経伝達物質が分泌される。その結果、血管が広がり、その周囲に炎症が起こって頭痛として自覚されるというもの。

これらのメカニズムでもおわかりの通り、何らかの脳への刺激(ストレスや緊張など)が問題となっているわけです。そのため、できるだけ誘因となるものを取り除くことが重要になります。

上記でも触れられていますが、片頭痛の誘因としては、空腹、寝不足、寝すぎ、アルコール、月経周期、経口避妊薬、過度な運動、長風呂、外出(騒音、暑さ、乾燥、日光での誘発)、匂い、性行為、ストレスもしくはストレスから解放されたときなどが挙げられます。

他にも、チョコレートやチーズ、チョコレート、ホットドッグ、人工甘味料が原因となることもあります。睡眠を十分取り適度に運動するなど、規則正しい生活を心がけ、ストレスをためない工夫が大切となります。

また、小児の片頭痛は成人より症状が軽く、薬剤投与が必要な場合も解熱鎮痛薬が有効で、酒石酸エルゴタミンが必要なことは稀となっています。片頭痛発作軽度あるいは発作初期の場合は、アセトアミノフェン(10mg/kg)を4〜6時間ごと、1日4回まで使用できます。他にもアスピリンやイブプロフェンなどを用います。

中等度ないし高度の片頭痛に対する治療としては、カフェルゴット(酒石酸エルゴタミンと無水カフェインの合剤で、1錠中エルゴタミン1mg、カフェイン100mg)を12歳以上なら1錠使用したり、またはジヒデルゴットを用いたりします。

片頭痛でお困りのお子様がいらっしゃったら、まずは生活習慣を見直して誘因をできるだけ排除する、ということも必要かもしれませんね。

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