映画監督の市川準(本名=市川純)さんが19日未明、脳内出血のため都内の病院で死去した。59歳。市川さんは、18日深夜まで映画の編集をし、作業を終えた後、食事をとっている時に倒れたという。突然の悲報に周囲も驚きを隠せなかった。なお葬儀は近親者のみで行い、後日お別れの会(日時未定)を開く。喪主は妻・幸子さん。

印象に残るCM、映画を数多く世に送り出してきた監督が、突然この世を去った。
市川さんは、亡くなる直前の18日深夜まで、東京・五反田のスタジオで、東京国際映画祭に出品する自身の最新作「buy a suit」(09年公開)の編集作業を行っていた。普段と変わらぬ様子だったという。その後、食事中に意識を失い、そのまま帰らぬ人となった。定期的な健康診断も受けており、健康面で特に不安を抱えていることもなかった。突然の死には多くの関係者が言葉を失った。

監督としての市川さんは、とても穏やかで撮影現場は緊張感がありつつも常に和やかムード。スタッフ、キャストからの信頼も厚かったという。また、仕事を離れれば、孫の顔を見ることを、いつも楽しみにしていたという。

市川さんはCM演出家として「禁煙パイポ」や「タンスにゴン」などを手がけた。87年に「BU・SU」で映画監督デビュー。04年にはイッセー尾形(56)、宮沢りえ(35)が主演した「トニー滝谷」でスイス・ロカルノ国際映画祭の審査員特別賞を受賞している。遺作となった「buy a suit」は、東京国際映画で10月20、23日に上映予定で、23日には監督も質疑応答に応じる予定だった。
(市川準さん急死…59歳、脳内出血)


脳内出血(脳出血)とは、何らかの原因によって脳の動脈が破れて出血し、脳実質内に出血(血腫)を形成したものです。脳血管障害の3大疾患である、脳梗塞、くも膜下出血とともに、脳内出血はその内の1つです。富山県、岩手県脳卒中統計では、年間10万人当たり50名前後との報告が多く,脳卒中全体の25〜30%前後を占めています。

以前は日本での発症率が、欧米諸国に比べて高い傾向にありましたが、生活環境の変化や高血圧管理の普及とともに、減少しつつあります。全体の発生数および重症例は近年明らかに減少傾向にあります。年齢別発症率では、60〜70歳代にピークがあり、男性に多いという特徴があります。

高血圧の既往を有する例が多く、日中、労作時の発症することが多く、症状としては、市川監督のように突発性の意識障害、局所脳神経症状で発症します。神経症状としては、片麻痺や言語障害(失語症、構音障害)、眼症状(瞳孔変化、共同偏視、眼振)などがみられます。

また、頭痛やめまい、嘔吐のみの発症例(小脳出血、皮質下出血など)もあります。症状としては、持続性または進行性に推移します。再出血による急激な増悪もあります。

脳出血は2〜3時間で停止し、大量の出血では脳ヘルニアを起こして死亡の可能性もあります。5mL未満の出血は自然に吸収されます。5〜100mLの血腫では、血腫量に応じて意識障害、片麻痺などを示します。脳浮腫が加わると頭蓋内圧が亢進し、脳ヘルニアを発生することになります。

原因としては、高血圧性脳出血が60〜80%であるといわれています。その他、脳動脈瘤、脳動静脈奇形、血管腫、脳アミロイド血管障害、脳腫瘍、出血性素因などがあります。

出血自体の原因は、微小動脈瘤の破裂とそれに続いて二次的に発生する静脈破綻が挙げられます。これらの危険因子としては、高齢、性別(男性)、高血圧、飲酒、血清低コレステロール値などがあります。

高血圧症以外明らかな原因病変がない出血では、部位別頻度で被殻40〜60%、視床20〜30%、脳葉、小脳、橋が各々5〜10%となっています。被殻出血では、対側の片麻痺、言語障害(失語症、構音障害)、眼症状(病巣を睨む共同偏視)が特徴的です。視症出血では、対側の感覚障害、不全片麻痺、垂直方向注視麻痺、同名性半盲などを生じます。血腫が大きい場合や中脳に進展した場合には、重症度が増してきます。

治療としては、以下のようなものがあります。
治療としては、一般的に脳圧降下薬(脳浮腫の除去)としてグリセオール、マンニトールなどが用いられ、止血薬(血管強化薬および抗プラスミン薬)が用いられることもあります。

出血と診断された場合には、積極的な降圧をすべきであると考えられます。収縮期圧が180mHg以上、拡張期圧が105mmHg以上であれば、注射薬による降圧を行います。目標は最高血圧150mHg前後です。ニトログリセリン(ミリスロール)や塩酸ジルチアゼム(ヘルベッサー)、塩酸ニカルジピン(ベルジピン)などを用いることがあります。ただしベルジピンは、頭蓋内出血が止まったことを確認して使用するべきとされています(一般的には発症6時間後)。同時に脳圧降下薬の投与が望ましく、グリセオールを用います。

外科的治療としては、神経症状、血腫量を基準とするガイドラインが示されており、被殻、小脳、脳葉出血がよい適応であるとされています。具体的には、
/牲仂評が悪化しつつある小脳出血や
被殻、皮質下の50mL以上の血腫
G昭柴盻亰譴乃淦水頭症を示すもの

などがあります。

出血直後は、血腫除去および出血点止血を目的とする開頭術を行います。血腫除去のみを目的とする場合には、定位的血腫吸引術を発症4〜7日目頃に行います。赤塚さんのケースでも、出血直後くらいに開頭術が行われたようです。

また、脳内出血では救命できても、片麻痺や言語障害などが問題となることがあります。そのため、積極的に早期からリハビリテーションを行う必要があります。

あまりにも急な訃報のため、非常に大きな衝撃を与えたようです。ご冥福をお祈りしたいと思います。

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