ニキビ跡、シミ、ソバカスなどの無い、むき玉子のような肌に生まれ変わることが出来るのなら・・・と願う女性の支持を得ているフェイス・ケミカル・ピーリング。しかし、合わない治療を受けると大変なことになるという恐怖の体験を、自らの写真とインタビューで明かす女性がいた。

先だっては、鼻炎治療薬として鼻に銀塩が含まれるスプレーを使用し続けていた女性が、銀沈着症により肌の色が青銀色に変化してしまったというお気の毒な女性の話をご紹介した。だが今回は、美容目的で施術してもらったピーリングが原因のトラブルである。

今回「News of the World UK」に、写真とインタビュー映像で登場したのは、イギリス南西部デヴォン州に住むホリー・ナトールさん(30)。彼女は憧れのツル肌を目指しケミカル・ピーリングに臨んだが、たった15分間の施術が原因で、とんでもない悪夢の日々を過ごすハメになってしまった。

どんどん膨れあがる顔、顔面に広がる発疹、そればかりではない。病院に急いだ彼女は、苦しいような痛みと気道が狭くなってしまっての呼吸困難も伴っていた。モルヒネ、抗ヒスタミン剤、ステロイドで4日間を過ごしたという。

3ヶ月が過ぎてもなお、肌に跡がひどく残っているホリーさんは、薬品類の肌への適合性のテストを怠ったという点から施術した医師を訴えるという。

また、現在皮膚が大変デリケートになっており、皮膚がんのハイリスクを負ってしまった状態であり、日光を1年間は避けるようにと治療を受けた医師から言われたことを明かし、ケミカル・ピーリングの決断はどうか慎重に、そして優れた医師のもとで行うよう全ての女性に警告している。
(英国発、ケミカル・ピーリングの失敗例はこんなにも恐ろしい!)


ケミカルピーリングとは、フェノールなどの腐食剤を皮膚に塗って、その化学作用により皮膚を腐食させ、皮膚をある程度の深さで剥脱させる方法を指します。

適応となるのは、ざ瘡(ニキビ)の難治例などです。欧米では光老化によるシミやシワ、尋常性ざ瘡、面皰、ざ瘡後瘢痕や刺青などの深在性病変までが対象となっているそうです。ところが、黄色人種には瘢痕形成などの副作用があるため、皮膚表面だけのピーリングにとどめるべきであるといわれています。

用いる薬剤としては、サリチル酸やグリコール酸などがあります。ほかにもトリクロロ酢酸 10〜25%、Jessner's solution(レゾルシン、サリチル酸、乳酸、エタノール)などがあります。

こうしたピーリング剤の種類、濃度、pH、塗布時間、塗り方、何回塗ったかなどでピーリングの深さが異なります。当然深いピーリングでは瘢痕形成を来すため、浅いピーリングから始めて、肌の状態などをみながら治療回数を重ねる必要があります。

また、薬剤を用いる以上、アレルギー症状を引き起こす可能性があります。こうした症状に関して、以下のようなことが言えると思われます。
アレルギーとは、免疫反応に基づく生体に対する全身的または局所的な障害を指します。免疫反応が、特定の物質(抗原)に対して過剰に起こってしまうことで、全身または局所的な障害が起こってしまっているわけです。

免疫反応は、外来の異物(抗原)を排除するために働く、生体にとって不可欠な生理機能です。1906年にアレルギーの概念が提唱された頃は、生体に有益な免疫と生体に有害な過敏症を包括する概念だったようです。ですが、現在では過敏症のみをアレルギーとして捉えています。

アレルギーの原因となる抗原をアレルゲンと言います。主にIgE抗体を介する即時型アレルギー反応(儀織▲譽襯ー)を誘発する物質をいいます。

上記のように、化学物質、金属、植物などの成分(アレルゲン)に対して過敏性を示す人に起こるアレルギー性の皮膚炎を、アレルギー接触皮膚炎といいます。原因物質に触れた数時間後より痒み、次いで紅斑、浮腫、丘疹、小水疱性などの皮膚炎がみられます。

また、さらには「苦しいような痛みと気道が狭くなってしまっての呼吸困難も伴っていた」とあり、アナフィラキシーショックを引き起こしたと考えられます。典型的なアナフィラキシーショックでは、アレルゲンへの曝露後、まず熱感を感じ、手掌、足底にそう痒感を感じ、腋の下のひりひり感などの症状に続いて、じんま疹、血管性浮腫、広範な紅斑、上腹部痛、頻脈などが起こります。

これらの症状に引き続いて、より重篤な喉頭浮腫、気管支痙攣、下痢、嘔吐、血圧低下、意識消失、痙攣、不整脈などの心症状・心停止などが起こることもあります。前駆症状として、口唇のしびれ、喉頭部狭窄感、嚥下困難感、心悸亢進、胸部不快感、便意などの自覚症状が生じることがあり、注意する必要があります。

上記のケースでは、皮膚症状に引き続き、呼吸器症状(上気道や下気道の閉塞症状)が生じていたと考えられます。治療としては、循環に対してはエピネフリン(1,000倍液,ボスミン0.1%)を投与します。通常はまず0.3〜0.5mlを皮下注射してよくもみ、必要なら15〜20分間隔で繰り返します。

輸液を開始し、血圧を維持できなければエピネフリンの静注、塩酸ドパミン(イノバン)の点滴静注、ヒドロコルチゾンの静注を行います。気道の狭窄が認められた場合はアミノフィリン(ネオフィリン)の静注、β2-刺激薬の吸入などを行います。全身のそう痒、じんま疹、声門浮腫などには塩酸ジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン薬の投与も考慮します。

こうした、重篤な合併症を引き起こすという可能性があることは、しっかりと認識しておく必要があると思われます。そして、施術者にはその旨をしっかりと説明して、万が一の時には最大限の処置を行う必要があるのだ、と改めて認識させてくれた事例です。

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