突然、背中から脇腹、下腹部にかけて波打つように走る激痛が特徴で、男性の7人に1人が一度は経験するといわれる。痛みの原因は腎臓周辺にできた石が尿管の狭いところで引っかかり、痙れんを起こすため。石は尿中に含まれるカルシウムやシュウ酸、リン酸、尿酸などの成分が結晶化したものだ。

石をできにくくするためには、水分を多くとり(目安は1日2リットル以上)、尿中の成分濃度を高くしないこと。明け方に発症が多いのは睡眠中にトイレに行かなくていいように腎臓が尿を濃縮するためだ。「トイレが近くなるから」といって夜、水分を控えている人はリスクが高い。ただし、清涼飲料水や甘味飲料水は尿中カルシウム濃度を高めるので逆効果になる。食事の食べ合わせも重要。石の7−8割はシュウ酸とカルシウムが尿中で結びついたものだ。

「食事中はカルシウムを多く含んだ食材を積極的に取ろう。ホウレンソウやタケノコなどに多いシュウ酸は腸内でカルシウムと結びつくと便に排出される。腸管でのシュウ酸吸収を抑制すると尿に出るシュウ酸が減少する」(春日町くりクリニック・栗原浩司医師)。ホウレンソウにはカツオ節、紅茶にはミルクといった具合だ。

また、石を作る成分は食後2−4時間で尿中に高まる。夕食後はシッカリ出してから寝よう!

・「尿路結石」チェックリスト
1)夕食後すぐ寝てしまうことがよくある
2)ビールが好きでよく飲む
3)肉類や脂っぽい食べ物が大好き
4)濃い味付けの料理が好き
5)カルシウムを含む食品をあまり食べない
6)ジュースが好きでよく飲む
7)水分はあまり取らない方だ
8)尿(トイレ)の回数が1日3回以下のことが多い
9)尿酸値が高いといわれた
10)親兄弟に尿路結石になった人がいる

「5つ以上該当するようなら結石ができるリスクが高い」(「春日町くりクリニック」栗原浩司医師・泌尿器科専門医/東京・練馬)
(突然!背中から脇腹、下腹部に走る激痛「尿路結石」)


尿路結石とは、その名の通り、「尿路(腎、尿管、膀胱、尿道)に結石のある状態」を指します。ちなみに、腎・尿管結石を上部尿路結石、膀胱・尿道結石を下部尿路結石と呼びます。

生涯罹患率は10人に1人程度といわれ、増加しつつあるようです。5年再発率は約40%であり、繰り返しやすいのも特徴です。20〜50歳代が大半を占め、男女比は 2〜3:1です(下部尿路結石では、6:1と圧倒的に男性に多い)。95%が上部尿路結石、5%が下部尿路結石であるといわれています。

結石の種類としては、シュウ酸カルシウム結石のほか、シスチン結石や尿酸結石(両者ともX線透過性)、尿路感染で形成されやすいリン酸マグネシウムアンモニウム結石、リン酸カルシウム結石(遠位型尿細管性アシドーシスの存在を疑う)などがあります。尿中に溶解する結石成分が析出し、有機物のマトリックスとともに凝集し、結石となります。

原因としては、上記のような生活習慣や基礎疾患の存在(原発性上皮小体機能亢進症、ビタミンD中毒、長期臥床、クッシング症候群など)があります。また、尿酸結石などの場合、高尿酸尿症、痛風、白血病などが原因となります。

共通して有効なのは水分摂取量の増加(成人では2〜3 L/day以上を推奨)と、食塩・動物性タンパクの摂取制限があります。シュウ酸塩結石にはシュウ酸含有食品(ホウレンソウ、ココア、ナッツなど)の摂取を減らし、尿酸結石ではプリン体の過剰摂取を避けることが有効とされています。

症状としては、疼痛、血尿、結石自排(自然に尿道から結石を排出させることです)が3大特徴です。他にも、疝痛発作といって、結石が腎盂や尿管に嵌頓して尿流を遮断すると、腎部に激しい痛みをきたす状態になります。

痛みは、鼠径部から陰嚢に放散します。また、悪心・嘔吐、冷汗などの症状を伴うこともあります。嵌頓しない限り、疼痛はあまりありません。膀胱結石や尿道結石では、排尿困難になったり、尿の出が悪くなったりします。

治療としては、以下のようなものがあります。
治療としては、横径6mm 以下の結石は自排可能であり、飲水と運動を行うことで促すことも行われます。疝痛発作に対しては、鎮痙薬を投与します。シスチン結石と尿酸結石では尿のアルカリ化、スツルバイト結石では尿の酸性化が有効ですが、カルシウム含有結石には溶解療法や完全な再発予防薬はありません。

シスチン結石と尿酸結石で行う尿アルカリ化では、尿pH6.0〜6.5を目標にウラリットを投与します。シスチン尿症では、尿シスチンが300mg/l以下となるように、チオラ(シスチン濃度低下作用をもつ。保険適用外)を投与します。

結石の嵌頓などに伴う疼痛(疝痛)には、尿管拡張作用薬と消炎鎮痛薬を用います。直径5mm以下の結石では自然排石を期待できますが、10mm以上では難しいです。そのため、体外衝撃波結石砕石術や内視鏡的砕石術などが行われます。

体外衝撃波結石破砕療法(extracorporeal shock-wave lithotripsy; ESWL)とは、衝撃波を体内の結石に集束させて破砕する方法です。2cm 以下の結石が対象で、疝痛発作にも有効です。ただ、合併症として、破砕片の嵌頓(砕かれた結石がつまることもある)、腎被膜下血腫があります。当然のことながら、妊婦は基本的に禁忌です。

また、内視鏡手術で、破砕不能な結石は尿管鏡手術または経皮的腎盂鏡手術で破砕・摘出する方法もあります。

尿路結石の方は、かなりの頻度で外来にいらっしゃいます。かなりの苦痛を伴い、しかも繰り返してしまうという問題点もあります。上記のようなチェックリストで、生活習慣を見直す必要もあると思われます。

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