以下は、ザ!世界仰天ニュースで扱われていた内容です。

以前番組で紹介した香川県に住む医師の山田規畝子さん。父が医師と言うこともあり、彼女は東京女子医大に進学し、医師を目指していた。大学6年生のとき、突然意識を失った。検査の結果、山田さんには恐ろしい病名が告げられた。それは「モヤモヤ病」。今でも治る方法が見つかっていない難病である。だが、この病気はすぐに後遺症が表れない。山田さん自身、この後起こる大出血を予想していなかった。

医者になる夢を諦めず勉強し、見事医師になった山田さん。その4年後お見合い結婚。そしておめでた。息子・真規君を産んだ。そんなある日。山田さんにまた病魔が襲った。夜、突然気分が悪くなり目が覚めた。医師である山田さんはすぐに分かった。脳の血管が切れたと…。そして、緊急手術。そのの後、山田さんに想像もしなかった現象が次々に起こるのであった。画用紙に画を描こうとすると、紙から絵がはみ出してしまう。紙の上に描かなくてはいけないということを忘れてしまったのだ。また、和式トイレに入ったときのこと。どこに足を着いてよいのか分からず、便器の中に足を入れてしまった。今までやっていた事がどうやればいいのか分からなくなっていたのだ。

そして、退院して町に出るとさらに奇想天外な出来事が…色違いのタイルがでこぼこに見えたり、階段が上りなのか下りなのか分からなかったり。しかし、山田さんは負けなかった。必死のリハビリ。そこであることに気付く。それは、視覚のいい加減さを触覚が補ってくれると…だが、触覚だけでは出来ない事もたくさんあった。靴の左右が分からなかったり、洋服の着方が分からなくなった。やがて、山田さんは離婚。息子は山田さんが引き取った。

「この子のためにもしっかりしなくちゃ」そう思うも、息子にも迷惑をかける生活。だが、息子は母が良くなるように一生懸命協力してくれた。そして、ある程度生活に支障がなくなってきた頃、またしても山田さんを病魔が襲った。今度の症状は今までのをはるかに越えていた。左脳内で大出血を起こしたのだ。命の危機。山田さんは奇跡的に助かったが、その後遺症は悲惨なものだった。左半身が言う事をきかなかったのだ。

もう息子を抱く事もできない。だが、山田さんは、必死に後遺症と戦った。もう1度息子を自分の手で抱けるように。そして、見事退院。だが、とんでもない症状が残った。山田さんの脳は、左側を体だけでなく視界も認識しなくなっていたのだ。外にでれば車にひかれそうになったりと危険なことがあった。さらに、お金が数えられない。ものの距離がつかめない。様々な現象が彼女を襲う。だが、こんなときも真規君は母親を助け、最高の介護人になってくれた。

この子のためにもしっかりしなくちゃ。そして、医師として、自分の身の上に起きたことを、克明に記録した。全国で講演をひらき、このような後遺症で苦しむ人達が大勢いることを訴えかけた…。あれから2年。山田さんの脳に新たな変化が起きていると言う。番組は現在の山田さんを訪ねた。すると、以前よりふっくらした山田さんが出迎えてくれた。左側の麻痺は未だ遺るものの、足の裏に触覚が戻りつつあるとのこと!その床の材質の形状が分かるようになってきたというのだ。さらに、数えられなかったお金も、数えられるように。彼女は言う。「どんな脳でも学習する」と。さらなる回復に向けて、今も山田さんは闘い、そして脳は学習し続けている。


もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)とは、両側内頸動脈(脳を栄養している太い動脈)終末部が慢性進行性に閉塞する疾患で、原因は不明であり厚生労働省の難病に指定されています。歌手の徳永英明さんも「もやもや病」であると診断されたそうです。

脳血流不足をきたすため、代償的に多数の穿通枝が側副血行路として発達します(太い血管が狭窄しているため、迂回路として細くてもろい血管が増える)。この発達した側副血行路が、脳血管撮影上「もやもやとタバコの煙様」に見えるので、「もやもや病」と名前がついています。

日本をはじめ東洋系に多く、約10%に家族内発生が認められます。小児発症と成人発症に分類され、症状も異なります。発症年齢の分布は二峰性を呈し、5歳を中心とする高い山(若年発症)と30〜40歳を中心とする低い山(成人発症)となっています。

種々の脳卒中発作で発症し、出血型、TIA型、梗塞型、てんかん型に大別されます。小児は成長期の脳に対して血流が不足するため、脳虚血(一過性脳虚血発作または脳梗塞)で発症することが多いです。特に、啼泣、熱い食事を吹き冷ますとき、楽器吹奏時など過呼吸時に発作を誘発しやすいです。四肢の脱力、失神発作、けいれんなども脳虚血症状と考えられます。一方、成人では、もやもや血管に長年負担がかかり、ついに破綻して脳内出血・脳室内出血で発することが多いです。

診断や治療としては、以下のようなものがあります。
診断は脳卒中発作、てんかん発作を示す患者さんで脳血管撮影で特徴的な内頸動脈遠位部、前および中大脳動脈近位部の狭窄・閉塞、もやもや血管を認めることと、そして動脈硬化、血管炎など類似の脳血管病変を起こす既知の疾患の存在を否定することによります。

具体的には、MRIでは大脳基底核部にもやもや血管のflow voidがみられ、MRAでもやもや血管とともに両側内頸動脈終末部の狭窄・閉塞がみられます。脳血管撮影にて確定診断をすることができると考えられます。

ただ、MRIおよびMRAのみであっても下記のすべての項目を満たしうる場合は通常の脳血管撮影は省いてもよいとされています。
・「MRI・MRA による画像診断のための指針」
MRAで頭蓋内内頸動脈終末部、前及び中大脳動脈近位部に狭窄又は閉塞がみられる。
MRA で大脳基底核部に異常血管網がみられる。
注:MRI上、大脳基底核部に少なくとも一側で2つ以上の明らかなflow void を認め
る場合、異常血管網と判定してよい。
,鉢△僚蠍が両側性にある。

治療としては、脳虚血、出血の急性期は血圧コントロールや脳圧亢進対策などの内科的治療を行います(虚血発症例に対して、バファリン81mg錠内服などを行うようです)。虚血発症のもやもや病に対する治療の第1選択は脳血行再建術であり、特に、低年齢(6歳未満)発症の場合は重症化しやすいため早期に施行することが多いようです。

小児においては、浅側頭動脈中大脳動脈吻合術および側頭筋接着術(EMS:encephalomyosynangiosis)を両側に施行し、成人では、浅側頭動脈中大脳動脈吻合術を両側に施行することが多いようです。ただ、血行再建術が出血性発作予防効果を示すかについてもまだ検討の段階となっています。根本治療が難しい疾患であるといわざるをえないでしょう。

半身不随といった後遺症を負いながらも、必死にリハビリなどを行う姿は、同様の疾患に苦しむ人々にとって、大きな支えになるのではないかと思われます。回復を期待し、リハビリを続けることは、精神的にも前向きになれることであると考えさせられたニュースでした。

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