中国で化学物質メラミンに汚染された粉ミルクを飲んだ乳幼児が腎臓結石などになった問題で、中国山東省在住の日本人男児(2)が粉ミルクを飲んで腎臓結石にかかっていたことが分かった。

北京の日本大使館当局者が18日明らかにした。中国のメラミン汚染で日本人の健康被害が判明したのは初めて。
(日本人2歳児が被害 粉ミルクで腎臓結石 中国)


尿路内(腎盂、腎杯)にできた結石を腎結石といいます。尿中に溶解している物質が析出し、それがさらに凝集・成長し結石となります。砂状の小さな結石から、腎盂、腎杯に広がる珊瑚状結石まで大きさはさまざまで、数も単発から多発結石まであります。

生活習慣の欧米化に伴って増加傾向を示し、生涯罹患率が男性9%、女性4%となる一般的な疾患です(生涯罹患率は10人に1人に迫り、5年再発率は約40%とされている)。結石成分は、シュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムの各単独と混合結石(カルシウム含有結石)をあわせると85%を占めています。

小児ではシスチン尿症(常染色体劣性遺伝)や原発性過シュウ酸尿症などの遺伝性疾患が重要であり、原発性上皮小体機能亢進症も原因検索として重要となります。ただ、上記のケースでは、メラミンが原因となっています。

メラミンは、白色の結晶性の粉末であり浸透圧性利尿薬として用いられることもあります。浸透圧を上昇させ、糸球体濾過を亢進させる作用があります(尿素の約70倍の効果があるといわれている)。心性浮腫、腹水、ネフローゼに用いられることもあります。ただ、上記のように腎結石の原因となり、腎不全を起こしてしまう可能性もあります。

腎結石の症状としては、軽度の腎部の鈍痛を訴え、時に肉眼的血尿となります。腎結石が嵌頓すると、腰背部が痛みます(尿管結石は腰背部から側腹部の疼痛と、陰嚢、大腿部に放散する痛みが特徴的)。この痛みは激烈で、悪心、嘔吐などの消化器症状と、顔面蒼白、冷汗、血圧低下などのショック様症状を伴うこともあります。

こうした疝痛発作時には悪心やイレウスなどの消化器症状を伴うので、消化器疾患や婦人科疾患と誤診されることもあります。また、上部尿路結石であっても、側腹部痛や腰部の鈍痛程度のものから、なかには痛みを認めないものもあります。

移動がない結石は通常無痛性ですが(silent stone、尿管に下降すると激烈な疼痛発作をきたします。結石の長径が5 mm以下の小結石は下降速度もはやく、痛みが強いという特徴があります。逆に、10 mm以上の尿管結石は、疼痛が少ないが自然排石も期待しにくいです。さらに、感染を合併すると腎盂腎炎様症状が出現することもあります。結石が尿路を閉塞して乏尿や排尿困難をきたす場合があります。

治療としては、以下のようなものがあります。
疼痛に対する治療としては、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)が用いられ、ボルタレン坐薬(25・50mg)がよく使用されるようです。ただ、消化管潰瘍のある患者や喘息患者への投与では副作用に注意する必要があります。

坐薬の効果が弱いときは、非麻薬性鎮痛薬(ソセゴン注 15〜30mg)を投与します。硬膜外麻酔は、上記の治療に反応しない強い疼痛に対しては有効であり、自然排石効果も期待できます。腰背部の指圧、局所麻酔注射などもよいとされています。

結石自然排石を促す薬物治療はありませんが、利尿や抗炎症効果のある漢方製剤がよく使われます。排石をはかるために、飲水励行と適度の運動を勧めます。

直径5mm以下の結石では自然排石を期待できますが、10mm以上では難しいです。そのため、体外衝撃波結石砕石術や内視鏡的砕石術などが行われます。

体外衝撃波結石破砕療法(extracorporeal shock-wave lithotripsy; ESWL)とは、衝撃波を体内の結石に集束させて破砕する方法です。2cm 以下の結石が対象で、疝痛発作にも有効です。ただ、合併症として、破砕片の嵌頓(砕かれた結石がつまることもある)、腎被膜下血腫があります。当然のことながら、妊婦は基本的に禁忌です。

また、内視鏡手術で、破砕不能な結石は尿管鏡手術または経皮的腎盂鏡手術で破砕・摘出する方法もあります。大きなサンゴ状結石、感染結石に合併する無機能腎などでは開放手術が行われることもあります。

食品の安全性の問題が見直されていますが、いたちごっこといった感も否めません。そして、食品の流通・運輸技術の進歩により、「どこからきたものか、誰の責任のもと、製造されたのか」といったことが見えにくくなってしまっていることも問題であると考えられます。再発を防ぐため、どのようにしたらいいのか、しっかりと考えていくことが必要であるとおもわれます。

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