「世界中で報告される心臓発作の約35%は、フライド食品、塩漬け食品、肉類などと関係している」。カナダのある研究者が20日、このような研究結果を発表した。このことは、ジャンクフードや動物性脂肪が心臓病を誘発しうるということを改めてしめすものだ。

ロイターが報じたところによると、この研究を行ったのはカナダ・マクマスター大学の研究者グループ。研究グループは52カ国の1万6000人以上の心臓病患者を対象に調査を行ったという。

研究は、被験者を豆腐や大豆などを主としたアジア型食習慣の人、フライド食品や塩漬け食品、肉類を主とした西洋型食習慣の人、果物や野菜を主としたベジタリアン型食習慣の人に分けて行われた。

研究の結果、果物や野菜をよく食べる人はこれらをあまり食べない、もしくは食べない人に比べ、心臓発作が起きる確率は30%低いことがわかったという。フライド食品をほとんど食べない、もしくは食べない人に比べ、西洋型食習慣の人は心臓発作が起きる確率が35%高かったとのこと。またアジア型食習慣の人の心臓発作が起きる確率は前二者を平均した値だったという。
(心臓発作の3割以上はジャンクフードに原因?)


心臓発作(心臓発症)とは、急性心筋梗塞、不安定狭心症あるいは突然死など、きわめて重篤な病態が突然に発症することを指します。狭心症などの病歴のあった患者さんの病状が急激に悪化した場合もや、まったく心臓病の病歴がない患者に発症する場合もあります。

多くは突然の冠血流量低下による心筋虚血や、重篤な不整脈が原因で生じます。中でも心筋梗塞は、心臓が栄養としている冠動脈の血流量が下がって心筋が虚血状態になり、結果として壊死してしまった状態です。男女比は 4〜5:1 と男性に多く、60歳代に最も多いといわれています。ですが、上記のように生活習慣の変化から40〜50歳代の若年発症も増加傾向にあります。

冠動脈が閉塞する原因としては、冠動脈の粥状動脈硬化による狭窄が基礎にあります。粥状動脈硬化(アテローム硬化)とは、脳や心臓などの太い動脈内にコレステロールなどが沈着し、粥状のかたまりができて血管内が細くなった状態です。

具体的には、冠動脈内膜下に形成された粥腫(血管壁にたまったコレステロールが、血管の内側にこびりついたもの)が破綻し、 血小板が凝集して冠動脈血栓の形成が起こり、結果として冠動脈が完全閉塞して起こると考えられています。

動脈硬化の最大の危険因子は年齢であり、加齢とともに有病率は増加します。特に、
45歳以上の男性、閉経後の女性は動脈硬化予備軍となります。そのため、年齢を重ねていくにつれて動脈硬化の他の危険因子である
・高コレステロール血症(>220mg/dl)
・高血圧(≧140/≧90mmHg)
・喫煙習慣
・耐糖能異常(日本糖尿病学会基準で境界型、糖尿病型)
・肥満[肥満指数(BMI)≧ 25kg/m^2]
・低HDL血症(<35mg/dl)
・運動不足

こうした項目が問題となります。特に、高血圧、喫煙などの矯正可能な危険因子をできるだけ除く必要があります。血圧は140/90mmHg未満(心不全、腎機能障害、糖尿病がある場合は 130/85mmHg 未満)とし、血清LDL-コレステロール値は 100mg/dl 未満、血糖正常,HbA1cは 7%未満、BMIは 21〜25kg/m2を目標とします。その他、1回 30分、週 3〜4回の運動が推奨されています。

こうした点を考えると、やはりジャンクフードと呼ばれる食事を多く摂取すれば、必然的に心筋梗塞を起こす可能性は高まり、さらに運動不足などが加われば、自ずとリスクはさらに高まると考えられます。

こうした高脂血症の治療としては、以下のようなものがあります。
高脂血症の治療法としては、食事療法、運動療法などによるライフスタイル改善が根幹にあります。カロリー制限・栄養素配分などに加え、1日3食の配分をほぼ均等にし、間食をしないなどの食生活の改善も重要です。

3〜6ヶ月観察しても管理基準に達しない場合には、薬物療法を開始します。ただ、動脈硬化性疾患を生じた症例や、LDL-C値が200mg/dLを超えておりライフスタイル改善のみではコントロール困難な症例では、早期から薬物療法を開始します。

食事療法としては、コレステロール量は、1日300mg未満とし、さらに植物線維25g以上、アルコール25g以下を目指します。LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)が目標に達しない場合には、第2段階として、栄養素に占める脂肪量を20%以下とし、コレステロール摂取量を200mg以下、飽和脂肪酸:1価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸の比率を3:4:3とすることなどが定められています。

薬物療法としては、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)、陰イオン交換樹脂、プロブコールのいずれか単独、あるいは適宜併用にてコントロールを図ります。ただ、高脂血症治療として、LDLコレステロール値が優位に上昇している場合はスタチン、中性脂肪値が優位に上昇している場合にはフィブラート系薬剤、あるいはニコチン酸誘導体を第1選択薬として用います。高中性脂肪血症も伴う場合には、禁酒、栄養素に占める炭水化物の比率を50%以下に制限し、単糖類の制限も行う必要があります。

高コレステロール血症は、虚血性心疾患、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症といった動脈硬化性疾患の最も重要な危険因子となっています。これら疾患の予防または再発予防のためにも高コレステロール血症の治療を行う必要があります。

高コレステロール血症の診断基準は総コレステロール220mg/dL以上、LDL-C 140mg/dL以上となっていますが、日本動脈硬化学会の提唱する管理基準によれば、その危険因子の数が増加するに伴い管理基準は厳しくなります(特に糖尿病の合併例ではカテゴリーB3、脳梗塞や閉塞性動脈硬化症の合併例ではカテゴリーB4として、厳重に管理します)。

高中性脂肪血症は、高コレステロール血症に比べると、食事や運動、禁酒などの生活習慣の変化によく反応するため、生活指導を十分行うことが重要となります。約2〜3ヶ月間生活習慣の改善を行っても高TG血症の改善が不十分な場合は、薬物療法を考慮する必要があります。

高中性脂肪血症の食事療法としては、上記同様に日本動脈硬化学会による「動脈硬化性疾患診療ガイドライン」でも2段階による食事療法が推奨されています。第1段階でも改善されなければ、禁酒とし、炭水化物を総摂取エネルギーの50%以下に制限し、単糖類も制限します。

高中性脂肪血症のみの場合は、フィブラート系薬剤が第1選択薬となります。フェノフィブラートは、尿酸低下作用も合わせもつので、実は血中尿酸値のモニターは服薬遵守のチェックに利用できます。ただし、副作用にはクレアチンキナーゼ(CK)上昇や筋肉痛、トランスアミナーゼの上昇などがあります。腎不全患者では、横紋筋融解症の危険性が高くなるので禁忌となります。

高コレステロール血症合併の場合、スタチン系薬剤(メバロチン、リポバス、ローコールなど)との併用は各々の単独投与に比べて横紋筋融解症の危険性が高くなるので、原則的には避けるべきであるといわれています。日常臨床ではフィブラート系薬剤とレジン(胆汁酸吸着剤であるコレバイン)との併用が望ましいとされています。

健康診断などで高脂血症を指摘された場合、やはりまずは食事や運動により気を付けることが重要であると考えられます。ジャンクフードもほどほどに、ということですね。

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