生まれつき心臓に欠陥のある男性が、心臓発作で亡くなってしまいました。発見した母親のクレアさんによると、彼はAVを見ていたそうなのです。

クリス・ニコルさん(23歳)は先天性の心臓疾患であるファロー四徴症でした。完治は不可能と言われながらも、数週間前に手術を受けたところでした。

急激な興奮状態が心臓発作の引き金になったと見られています。検死した医師によると、大きなストレスや興奮により不整脈が生じると鼓動が激しくなり、それが心臓発作を引き起こしたのではないか、ということです。

病院側では不整脈は予測できないとしており、自然に引き起こされた死としているようです。心疾患をもつ男性が興奮すると危険だということですが…だからといって一生無縁でいろというのも、大変難しい話だと思われます。
(心臓疾患の男性、AVに興奮して死亡)


Fallot(ファロー)四徴症は、チアノーゼ性先天性心疾患の一つです。
’抛位狭窄
⊃桓蔀羈峽臑讃
B臚位右室騎乗
け室肥大
この四つの特徴を有する疾患です。ちなみに、肺動脈閉鎖を合併する場合をFallot四徴症極型と呼びます。成人の先天性心疾患入院例の10%を占め、成人のチアノーゼ性先天性心疾患の70%を占めます。10%は22番染色体部分欠失(CATCH22)を伴い、特有の顔貌を合併するといわれています。

まず、心臓発生の初期に、漏斗部中隔が前方(右室側)に偏位して形成されるため、]嚇揺狭窄(肺動脈弁を含む右室流出路狭窄)が生じます。この漏斗部中隔と入口部中隔がずれて整列せず、間隙として大きな⊃桓蔀羈峽臑擦残り、漏斗部とともに大動脈も右方へ偏位するため、心室中隔へのB臚位騎乗が生じます。漏斗部狭窄と心室中隔欠損のため右室と左室は等圧になり、け室肥大を生じることになります。

全身に送られる動脈血に血中二酸化炭素濃度の高い静脈血が増加するため、チアノーゼを起こしてしまいます。チアノーゼは、生後2〜3ヶ月の時期に徐々に出現します。ですが、本症でのチアノーゼ出現の時期はさまざまで、3分の1は生後1ヶ月以内に、3分の1は生後1ヶ月ないし1年に、残りは生後1年以後に現れます。乳児期には泣いた時や運動時にだけみられるチアノーゼが、のちには常時認められるようになるといわれています。

運動や入浴で体血管抵抗が低下すると、相対的に右室流出路狭窄が強くなり、右-左短絡が増加してチアノーゼが増加します。この変化が強く生じると呼吸困難、意識喪失、けいれんを伴うチアノーゼ発作になります。逆に狭窄が軽い場合にはチアノーゼがなく、非チアノーゼ性Fallot四徴症と呼ばれます。低酸素血症に対する代償として、赤血球増多症が生じます。

症状としてはほかに、赤血球増多症に伴う頭痛、めまい、関節痛がしばしば認められます。長く続く低酸素血症により、心筋の変性と線維化が進み、あるいは高血圧が合併して、心不全を生じることもあります。感染性心内膜炎、脳膿瘍、脳血栓を合併することもあります。低酸素血症の持続により腎機能が次第に低下してしまいます。

身体所見としては、体格はやせ型が多く、唇や手足の爪にチアノーゼがあり、太鼓ばち指(指先が太鼓のばちのように膨らんでくる)を認めます。呼吸困難と運動制限が著明で、運動ののちにうずくまってしまいます(相撲の蹲踞[そんきょ]の姿勢をします)。

聴診では、第2〜3肋間胸骨左縁の駆出性収縮期雑音を主体とする心雑音は、新生児期から聴取されます(この収縮期雑音は狭窄が高度になるほど弱くなります)。生後まもなく、心雑音で気づかれることが多いです。恐擦話碓譴俳郷覆靴泙(肺動脈弁口部のII音は減弱)。

必要な検査や治療としては、以下のようなものがあります。
必要な検査としては、心電図、胸部X線、血液一般、心エコー図、心臓カテーテル検査などがあります。

心電図では、通常洞調律で右軸偏位と右室肥大があります。胸部X線検査では、心臓陰影の大きさはほぼ正常です。心臓陰影から長靴型の右室肥大が認められることもあり、大動脈影は太く映し出されます。血液検査では、赤血球増多症があり、動脈血の酸素分圧は低下します。

心エコーでは、断層心エコー図にて心室中隔膜様部に欠損孔があり、その上から心室中隔に騎乗して太い大動脈が起始します。右室漏斗部と肺動脈弁に狭窄があります。ドプラ心エコー図では、右室流出路の狭窄と右室から大動脈への右-左短絡が認められます。

心臓カテーテル・造影検査では、右室と左室と大動脈の収縮期圧は等しくなります(本来は左室のほうが当然高い)。肺動脈圧は低く、大動脈酸素飽和度は低下しています。右室造影では右室流出路狭窄、右室から大動脈への右-左短絡、大動脈の心室中隔への騎乗が認められます。こうした心エコー図(大動脈の心室中隔への騎乗)と右室造影で診断は確実になります。

チアノーゼ発作の治療には酸素吸入、輸液、モルヒネ筋注を行います。予防には相対的貧血の治療とβ遮断薬内服を行います。

ファロー四徴症の根治手術の成績は最近よいので、なるべく小児期に行うべきであるとされています。成人に達した例では、なるべく早期に根治手術を済ませることが望ましいとされています。

短絡手術後の場合にも感染性心内膜炎、脳膿瘍その他の合併症を生じる危険があり、根治手術の適応があります。根治手術では右室の流出路の狭窄部を筋肉切除、肺動脈弁切開、またはパッチにより拡大し、欠損孔をパッチで閉鎖します。

ただし、成人のファロー四徴症は年齢が進むにつれて心筋の変性と線維化、心機能低下、腎機能低下などを生じるので、手術成績が悪くなってしまいます。手術後に心不全と不整脈が残ることがあります。上記のケースでは、こうした不整脈や心不全が死亡原因となっていたようです。

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