糖尿病が疑われる成人は予備軍も含めて約2210万人で、5年前の1・4倍に増えたことが25日、平成19年の厚生労働省の「国民健康・栄養調査」で分かった。成人のほぼ5人に1人が該当する計算で、厚労省は「運動不足や、食生活の乱れが影響している。特に男性の肥満が増えていることも背景にあるのでは」とみている。

糖尿病などにつながるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策として、調査後の今年4月からは「特定検診・保健指導」が始まっているが、国民の間で生活習慣病の危険が拡大している実態が浮き彫りになった。

調査は昨年11月に実施。無作為抽出した全国6000世帯の1万8000人を対象に行い、男女計約4000人の血液検査などから全国民の健康状態を推計した。

その結果、過去1、2カ月の血糖値の指標となる血液中のヘモグロビンA1cの値が高く、糖尿病が「強く疑われる人」が約890万人(14年調査は約740万人)、「予備軍」が約1320万人(同約880万人)だった。

「強く疑われる人」のうち「現在治療を受けている」という人は55・7%(同51・9%)と増加傾向。検査で「異常あり」とされた人で、医療関係者からの保健指導を受けた人は8割、さらに生活習慣を改めた人は9割にも上っており、国民の健康への関心の高さが明らかになった。

一方、糖尿病の知識について、全体の約9割の人が、「正しい食生活と運動が予防に効果がある」と回答。対策は理解していても、実行できない状況もうかがえる。

また、40〜74歳の成人でメタボリックシンドロームが「強く疑われる人」と「予備軍」を推計したところ、計約2010万人と推定された。前年調査比で70万人増加した。
(糖尿病疑い成人5人に1人 5年前の1・4倍)


糖尿病とは、インスリンの絶対的もしくは相対的不足により引き起こされる、持続的な高血糖状態を指します。自己免疫的機序により発症する1型糖尿病と、それ以外の原因による2型糖尿病に大別できます。

1型糖尿病は、自己免疫的機序により、膵臓のインスリン産生を行っているβ細胞の傷害によって起こると考えられます。故に、絶対的なインスリンの不足(産生自体が難しくなるため)が起こってきます。国内の小児の年間発症率は、10万人当たり1.5人で、学童期に多く発症します。

臨床的には突然発症するかのように見えますが、発症に至るまでに、比較的長期にわたり、β細胞が序々に破壊されるという過程が存在します。1型糖尿病の基盤として、免疫現象に深く関わっているHLA分子の多型に代表される遺伝因子が関係しているといわれています(基盤には、免疫現象に深く関わっているHLA分子の多型に代表される遺伝因子および環境因子が存在するといわれています。このような自己免疫性1型糖尿病に対して、必ずしも自己免疫的機序が証明しえない症例も少なからず存在します)。

一方、2型糖尿病とは、生活習慣が大きく関わっており、慢性的な高血糖状態やインスリン抵抗性(インスリンが多く分泌されていても、効かない状態)により、相対的なインスリン不足状態を指します(分泌自体はあっても、作用が追いつかない状態)。その後、インスリン分泌不全も起こってくる可能性があります。1型に比べ、2型糖尿病では家族歴が濃厚で、学童期以降に学校検尿で発見されることが多いです。

インスリン分泌低下をきたす素因に、過食、肥満、運動不足、ストレスなどの環境因子および加齢が加わり発症します。従来、成人での発症が大部分でしたが、小児肥満の増加とともに小児での発症が増えてきています。ただ、肥満を伴わずインスリン分泌不全が主体となる例が2型糖尿病の10〜20%に認められます。

上記でいわれている糖尿病は、こちらの2型糖尿病を指しています。糖尿病のなりやすさと遺伝子との関わりとしては、これまでミトコンドリア遺伝子、グルコキナーゼ遺伝子、HNF-1α遺伝子などが報告されていますが、これらの遺伝子の変異で説明できる糖尿病は全体の2〜3%と推定されています。

家族内発症がみられることが多く、以前から何らかの遺伝素因が発症に関与すると考えられていますが、単独で大部分を説明できるものはなく、多くの因子が関わっている疾患であるといえるでしょう。つまり、遺伝的な素因のほかに、カロリー摂取過剰や運動不足といった生活習慣が重なって発症すると考えられます。

糖尿病の指標となるのが血糖値であり、血糖値とは血液中にどれだけの糖分が含まれているかを示した数値のことです。具体的な診断基準(日本糖尿病学会の診断基準)としては、
/鏤血糖値200mg/dL以上
∩當空腹時血糖値126mg/dL以上
75g糖負荷試験で2時間値200mg/dL以上
のいずれかを満たすものを糖尿病型とし、これらが2度別の日の検査で確認されれば糖尿病と診断します。ただし、1回の検査でも
仝渇、多飲、多尿など糖尿病の特徴的症状がある。
HbA1cが6.5%以上
2甬遒謀尿病型であった。
こ亮造別嵋貍匹ある。
場合も糖尿病と診断できます。

治療法としては、以下のようなものがあります。
2型糖尿病は、コントロール不良のまま長期間放置するとさまざまな血管合併症を引き起こすといわれています。細小血管症(網膜症、腎症、神経症)は患者のQOLを著しく低下させるほか、大血管症(虚血性心疾患、脳血管障害)は生命をも脅かしてしまいます。そのため、治療の最大の目的は、合併症の発症、進展を阻止し、患者のQOLを保つことです。

治療の基本としては、食事療法と運動療法を柱とする生活習慣の改善です。肥満、特に内臓脂肪の蓄積は、高血糖のほか、高血圧、高脂血症をも併発する状態(メタボリック症候群)を引き起こし、心血管疾患のリスクを増すため、体重の減量だけでなくウエスト周囲径の減少も念頭に置いて行い、禁煙指導も重要です。

食事療法としては、標準体重=(身長m)2×22(kg)を計算し、これに25〜30kcalを乗じて1日の摂取カロリーとしますが、これは患者の生活活動度や肥満度、年齢によって適宜変える必要があります。栄養素のバランスをとるように指導し、脂肪の比率を25%以下とし、ショ糖摂取を減らし、食物繊維を十分に摂取します。

また、継続的な運動は肥満の軽減、インスリン感受性の改善、基礎代謝量の増加をもたらします。ウォーキングなどの有酸素運動は内臓脂肪燃焼に有効であり、1回20分以上週3回、できれば毎日行うようにします。

薬物療法は、十分な食事・運動療法を行っても血糖降下が不十分な症例において考慮します。αグルコシダーゼ阻害薬(ベイスン、グルコバイ)、速効型インスリン分泌促進薬(ファスティック、スターシス、グルファスト)などを用います。

インスリン抵抗性の存在が疑われるものとしては、インスリン抵抗性改善薬(チアゾリジン誘導体アクトス)、あるいはビグアナイド剤(メルビン、グリコラン、ジベトスB )を用います。また、インスリンの基礎分泌が低下して,空腹時高血糖をきたしているものについては、インスリン分泌刺激薬であるスルホニルウレア(SU)剤を服用します。

生活指導や経口剤投与を十分に行っても、高血糖が持続する場合、手術前や感染症時には、インスリン投与を考慮します。食後のインスリン追加分泌を補う速効型あるいは超速効型を各食前に、加えて早朝血糖が高いものには夜間のインスリン基礎分泌を補う中間型インスリンを眠前に行う1日3〜4回投与を行います。

糖尿病は進行するまで、なかなか合併症などの症状発現がみられないため、あまり治療に積極的にはなりにくいかもしれません。ですが、しっかりと治療に取り組むことが重要です。健康診断などで指摘されたら、受診することなどが勧められます。

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