07年の75歳未満のがん死亡率が、最も高い青森県と最も低い長野県では31ポイント差となっていることが、厚生労働省の調査で分かった。全国的にがん死亡率は下がる傾向にあるが、10県は前年を上回った。厚労省は「がん対策の一層の底上げが必要だ」と呼びかける。

がん死亡率は、人口10万人あたりのがんによる死亡者の割合。全国平均は88.5と前年より1.5ポイント減。男性は116.4(前年118.3)、女性は63.2(同64.3)だった。

都道府県別では、高齢化率の違いが影響しないよう調整した結果、死亡率が最も高かったのは103.7の青森県で、4年連続のワースト1位。前年より1.4ポイント減ったが、男女別でもともに1位だった。100.6の佐賀県、97.4の和歌山県が続いた。前年を上回ったのは、神奈川、新潟、福井、滋賀、鳥取、島根、香川、愛媛、佐賀、長崎の10県。一方、最も低かったのは72.7の長野県で、95年以来13年連続。

部位別にみると、肺がんと大腸がんは青森県、胃がんは新潟県、膵臓がんは北海道、肝がんは佐賀県がそれぞれ最も高かった。

青森県は、平均寿命も男女とも全国で最も短い。喫煙率も32%(04年)と全国で2番目に高く、塩分摂取量も長年、全国平均より高かった。県医療薬務課は「まずはがん検診の普及で早期発見を進めたい。長期的には生活習慣をどうやって改善してもらうかが課題だ」と話す。
(がん死亡率、最高青森・最低長野)


肺癌は非小細胞癌(腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌)が約85%、小細胞癌が15%を占めます。

日本の臓器別癌死亡率の1位(肺癌は男性で第1位、女性で第2位)であり、罹患率・死亡率は男性のほうが女性より高く、女性の3倍から4倍になります。年齢別にみた肺癌の罹患率・死亡率は、ともに40歳代後半から増加し始め、高齢ほど高くなります。肺癌は喫煙と深い関係があり、40歳以上のヘビースモーカーで血痰を訴えた場合は原発性肺癌を疑います。

肺癌の症状としては、他の癌腫と同様に早期では無症状のことが多く、進行期になると多彩な症状を呈することになります。肺門型(気管が肺に入る入口付近)の肺癌では咳・痰などの症状が出やすく、肺野型(肺門から離れたところにできた癌)では無症状・健診発見が多いと言われています。また進展するにつれ喘鳴、呼吸困難をみることがあります。区域あるいは肺葉性の閉塞性肺炎を起こすこともあり、発熱、せき、痰などの肺炎症状を呈します。

何よりも、肺癌予防のためには、禁煙が必要となってきます。病因は喫煙による影響が最も強く、発症危険率は喫煙本数と比例するといわれています。喫煙指数(1日に吸う本数 × 年数)が800を超えると肺癌の危険が高くなるといわれています。

大腸癌の中では、直腸癌が大腸癌全体の約40%と最も多く、次いでS状結腸癌に頻度が高くなっています。男性に多いといわれ、40歳以上に多く、50〜60歳台に最も高率であるとのことです。

大腸癌の発生率は、西欧食の特徴である高脂肪、高蛋白、かつ低線維成分の食物と正の相関関係にあるといわれています。大腸癌の低発生国(地域)でも、生活様式の変化(食事の西欧化)、あるいは高発生国への移住などにより短期間に大腸癌のリスクがあがるといわれています。

その理由としては、高脂肪、高蛋白(特に牛肉)はβ-glucuronidaseやazoreductaseなどの酵素活性を有する腸内細菌叢形成に関係し、その結果として、中性あるいは酸性ステロールが発癌性をもった物質に転換されると考えられています。他方、高脂肪食により胆汁酸、特に二次胆汁酸の排出が増し、それが大腸癌発生のプロモーターとして働くと考えられています。

逆に、線維成分の多い食事をする人々の間では大腸癌の発生が少ないことがよく知られています。高線維食は便通量を増し(発癌物質の希釈)、糞便の大腸内通過を速めてくれます(発癌物質との接触時間を短縮してくれる)。

早期癌は無症状のことが多いです。早期癌に関係のある症状は、下部(直腸、S状結腸)大腸癌における血便のみです。

ただ、S状結腸癌では、直腸癌とは異なり、癌からの出血があっても通過している間に血が便に混じりこみ、見た目では出血が分かりにくいこともあります。そのため、トイレの時での見た目だけでは、血便があるかどうか判断しかねる、というところがあります(便潜血反応は陽性となり、検査では容易に分かります)。

胃癌に関しては、以下のようなことが言えると思われます。
日本では男女とも胃癌が第1位でしたが、死者数は年々減少しています。2003年の日本における死者数は49,535人(男32,142人、女17,393人)で、男性では肺癌に次いで第2位、女性では大腸癌に次いで第2位となっています。

胃癌は、自覚症状による胃癌の早期発見は難しいです。ほとんどの場合、早期癌の段階では無症状であり、癌が進行してからでないとはっきりとした自覚症状が出てこないことが多いからと言われています。そのため、放置されてしまったり、逆に内視鏡検査などで早期発見されるケースもあります。

胃癌の原因としては、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori:Hp)が胃炎やその進展、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の発生・再発に強く関係していることが指摘されており、世界保健機構(WHO)の国際癌研究機関(International Agency for Research on Cancer;IRCA)において、疫学的研究よりHpが胃癌の発生にも原因の一つとして働いていると考えられ、Hpは明らかに発癌性をもつものとして分類(Group1)されています。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの既往がある場合、呼気尿素検査などでヘリコバクター・ピロリの存在を調べ、できれば駆除を行うことが望ましいと考えられます。また、健康診断などで内視鏡検査を行うことも重要であると思われます。

上記ニュースで、地域差がかなりあることに驚かされました。健康に目を向けて、しかるべき対応(生活習慣の改善など)や検査などを行うことが望まれます。

【関連記事】
本当は怖い検査嫌い−胃癌

最新の胃癌手術−内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)