PTI通信などによると、インドのシン首相は24日、ニューデリーの病院で心臓のバイパス手術を受けた。医師団は「手術は成功し、容体も安定している」と述べた。インドメディアによると、職務復帰には1カ月程度かかる見通し。

シン首相は1990年にも同様の手術を受けており、今回が2度目。
(インド首相の心臓手術成功)


狭心症や心筋梗塞の多くは、冠動脈狭窄・閉塞により発症し、その治療法は薬物治療、経皮的カテーテルインターベンション(PCI)、冠動脈バイパス手術(CABG)などがあります。

経皮的カテーテルインターベンション(PCI)の一種である、経皮的冠動脈形成術(PTCA:percutaneous transluminal coronary angioplasty)とは、心臓を栄養する血管である冠動脈の閉塞した箇所にカテーテルを用いて、バルーン(風船)を拡張して狭くなった冠動脈を拡げる手術です。

PTCAは約3分の1の割合で、再狭窄が数か月後に起こるのが欠点の1つとして挙げられていましたが、最近ではステントと呼ばれる小さなメッシュ状の金属チューブを動脈壁に留置することが行われています。

こうしたステンを留置することにより、再狭窄を少なくすることができると考えられます。ステントによって、再狭窄率は15%前後にまで低減することができたと言われています。

最近では、薬剤溶出性ステント(DES)の使用により、再狭窄率の著明な減少が期待され、経皮的カテーテルインターベンション(いわゆるカテーテル手術)の進歩が目立っています。

このようなPCIのメリットは全身麻酔、開胸手術などを回避でき、くり返し試行できるところにあります。ですが、血行再建の限界性と再狭窄がデメリットとして挙げられます。

一方、外科的手術では人工心肺を使用しない冠動脈バイパス手術が普及し、手術成績も向上し、安定した治療手術となっています。冠動脈バイパス手術のメリットは、確実な血行再建が望め、動脈グラフト使用の場合の良好な長期予後が得られる、という点があります。一方で、カテーテル手術と比べて、麻酔・手術の侵襲がまだ大きいのが欠点であるといえるでしょう。

冠動脈バイパス手術(CABG)の説明としては、以下のようにできると思われます。
冠状動脈バイパス術(coronary artery bypass grafting;CABG)とは、冠状動脈の閉塞、狭窄に対して行われる外科的血行再建術です。体循環と冠状動脈の間にバイパスを作り(グラフトと呼ばれる血管を用いる)、心筋への動脈血流を増加させる方法です。

用いられるグラフトには、左右内胸動脈、右胃大網動脈、大伏在静脈、下腹壁動脈などが用いられます。長期開存性において、有茎の動脈グラフトが優れるといわれています。

適応となるのは、
ヾЬ動脈造影上75%以上の狭窄を有する。
3枝病変(重症)
typeC(狭窄長が20mm以上、高度の蛇行、石灰化、3ヶ月以上経過した完全閉塞病変、大きな分枝が保護できない病変など)を有する多枝病変
jeopartized collateralを有する病変
ズ諺芦執垰(LAD)中枢病変を有する多枝病変
PCIによる急性閉塞および再狭窄例、PCI困難例
こうした場合があります。

一般的には、左主幹動脈などの重症冠疾患の治療では冠動脈バイパス術がとられることが多いようですが、最近ではこういった症例にもカテーテル手術が応用されており、ますます冠動脈バイパス術の対象は狭められているそうです。

無事に手術が行われたということで、何よりです。公務でお忙しいかとは思われますが、ぜひともしっかりと静養なさっていただきたいと思われます。

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