2009年01月29日放送の「雨上がり決死隊べしゃりブリンッ!」にて、おぎやはぎの小木に長女が誕生していたことが明らかにされていた。

番組放送中、雨上がりの二人は、小木に電話を掛けることにした。深夜一時過ぎということもあり、一度は留守番電話サービスに接続したが、小木からディレクターに電話が折り返しあり、生放送中に以下のように話をすることができた。

小木は「実は、子供が胎便を吸引してしまって(胎便吸引症候群)、退院が3日ほど伸びた」と真面目な話もしていた。現在は、母子共に心配ないようだ。

ちなみに、子供の名前は『小木マール(漢字不明)』にするのだという。これは、「子供の手足が長いからゴールキーパーであるシジマールにあやかって付けた」そうだ。
(おぎやはぎ・小木「雨上がり・蛍原に出産報告しないワケ」)


胎便吸引症候群(meconium aspiration syndrome;MAS)とは、胎児が胎便で汚染された羊水を気道に吸引することにより起こる呼吸障害を指します。通常、胎児は子宮内では胎便を排泄しませんが、高度の低酸素症に曝されると羊水腔への胎便排泄と同時に強い喘ぎ呼吸が出現し、気道内へ胎便が吸引されてしまいます。

消化管の蠕動運動の発達する妊娠36週以降に多く、過期産児が30%以上を占めるといわれています。

臨床上では、先行する仮死徴候に続き、羊水混濁、胎便による皮膚や爪、臍帯の黄染を認めることが手がかりとなります。出生後の呼吸運動により、胎便がさらに気道の奥深く吸引され、気道の物理的閉塞と化学性肺炎(胎便性肺炎)をきたします。

こうした気道閉塞による換気障害が主病態ですが、胎便による肺サーファクタントの失活の結果、二次的な呼吸窮迫症候群を合併して、さらに呼吸障害を増悪させることがあります。

しばしば、低酸素血症、アシドーシスとなる可能性もあります。また、最も警戒すべき合併症として、胎便性肺炎が誘因となって遷延性肺高血圧を合併することがあります。

遷延性肺高血圧とは、胎児循環から成人循環への移行が阻害され、胎児と同様に卵円孔あるいは動脈管を介する右左短絡が持続するため、低酸素血症を呈する病態を指します。胎便吸引症候群では、分娩周辺期から出生後における低酸素血症、アシドーシスなどが存在し、肺動脈が反応性に収縮して肺高血圧を生じると考えられます。

胸部単純X線で説明のつかない酸素化の悪さ、吸入酸素濃度の上昇傾向、心拡大の存在などは、疑わしい徴候であると考えられます。必ず酸素化の上下肢差の有無と経時的変化についてモニターし、心エコーで評価します。

また、胎便は組織刺激性が強く、無菌的であっても化学的肺炎の原因となります。細菌汚染があれば細菌性肺炎がこれに、かぶさることになります。こうした合併症が起こりうる可能性もあります。

胎便吸引症候群の治療としては、以下のようなものがあります。
胎便による羊水混濁を認める場合、児の頭部が娩出された段階で、児の口、咽頭、鼻腔の吸引を行います。胎便の吸引がなされ、児が元気に泣いて気道開通に問題がなければ、それ以上の蘇生操作は行わないこともあります。

ただ、自発呼吸の抑制、または心拍数が100/分以下か筋緊張低下を認める場合などでは、出生後直ちに喉頭鏡を用い直視下に下咽頭から胎便を吸引し、声帯遠位部に胎便を認める場合は気管挿管のうえで気管内吸引します。挿管後、気管挿管チューブを引き抜きながら挿管チューブで直接吸引し、吸引液に胎便がみられなくなるまで、挿管とチューブによる吸引を反復することが推奨されています。

呼吸管理としては、多呼吸、呼気性呻吟、陥没呼吸、鼻翼呼吸、チアノーゼなどを認める場合、呼吸の状態に応じて酸素投与や人工呼吸管理を行います。重症例に対しては、サーファクタント1バイアルを生理食塩液20 mLで溶解したもので胎便を認めなくなるまで洗浄を行うこともあります。

さらに、抗菌薬の使用を考慮します。胎便吸引症候群と細菌性肺炎の区別は臨床症状や胸部単純X線では難しく、細菌性肺炎の可能性を否定できません。また、胎便による化学性肺臓炎に細菌感染が合併しやすいため、広域抗菌薬を用いることが一般的です。

小木さんの娘さんのケースでは、事無きを得たようです。大変ご心配なさられたことと思われます。健やかに娘さんが、育っていかれることが望まれます。

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