環境省は1月30日、今春の『花粉総飛散量等の予測(確定版)』を発表した。それによると、今春のスギ・ヒノキ科花粉総飛散量は前シーズンと比較して、東北と関東地方では同じかやや少なく、東海及び北陸から九州地方は一部を除いて多くなると予測される。また、例年との比較では、全国的に例年並みかやや多くなると予測される。スギ花粉の飛散開始は、前シーズンと比べて1週間程度早くなり、例年並みと予測される。

環境省では、花粉症に関する調査研究の一環として、平成16年度から花粉飛散予測に関する調査研究を行っている。今春の花粉の総飛散量は前シーズンと比較して、東北と関東の東部でほぼ半分ないしは前シーズン並み、関東の西部は1.5倍程度、甲信、北陸と東海にかけては前シーズン並みか一部の地域では2倍程度に増加する見込みだ。

近畿では2-3倍に増加する見込み、また中国と四国でも多くの地域で2-3倍に増加する見込みだ。九州では前シーズン並みとなる見込みだが、一部の地域では3倍を超えると見込まれる。

東北では例年よりやや多くなる見込みで、関東、甲信、北陸と東海ではほぼ例年並と予測される。近畿と中国では例年並みか例年よりやや多くなり、四国では一部の地域を除いて1.5倍程度となる見込みだ。九州では例年並みとなる見込みだが、一部の地域では1.5倍程度になると見込まれる。

近年、西日本ではヒノキが多くの雄花をつけるまでに成長したこともあり、スギを上回る花粉飛散量となる年が顕在化してきている。特に東海以西では、かなり多めの雄花が観測されている地域があり、今春はヒノキ科花粉の飛散量が多くなる地域が増える見込みだ。

気象庁の季節予報によれば、今年1月下旬の気温は東海以西で平年よりやや低く、関東以北は高く、2月上旬から中旬の気温は全国的にほぼ平年並みかやや高く推移すると予想されている。

このため、スギ花粉の飛散開始日は、前シーズンと比べると1週間程度早くなると予測される。また、例年と比べた場合、東北と北陸は例年並みか例年よりやや早く、関東以西はほぼ例年並みと予測される。

環境省では花粉の総飛散量の観測を行い、「スギ花粉飛散開始マップ」などの情報を提供する。花粉の飛散状況について、2月2日から「花粉観測システム(愛称:はなこさん)」でリアルタイムで情報を提供するとともに、携帯電話でも情報提供を行う。
(今春のスギ・ヒノキ花粉量、九州から東海・北陸にかけ去年の2倍以上)


花粉症とは、花粉をアレルゲンとする儀織▲譽襯ー性疾患であり、主として鼻粘膜と結膜で、その反応が起こります(そのため、鼻水やくしゃみ、目の痒みなどが起こる)。

一口に花粉といっても、スギやヒノキ、イネ科、ブタクサなどがあります(アレルゲンとなる花粉は約50種類もあります)。日本ではスギ花粉症が圧倒的に多いですが、イネやブタクサの花粉症もしばしばみられます。スギは初春、イネは夏〜秋、ブタクサは秋と季節性があります。

症状としては、以下のようなものがあります。
”‐評:くしゃみ、水性鼻漏(鼻水)、鼻閉(鼻づまり)
眼症状:掻痒(かゆみ)、充血、流涙、浮腫
耳症状:掻痒、耳閉塞
ぐ・喉頭症状:掻痒、咳
チ歓半評:頭重感、いらいら感、不眠、熱感、集中力の消失
鼻や眼の症状が最も多く、皮膚のかゆみや呼吸困難を伴うこともあるそうです。

花粉の粒子は、多くは鼻粘膜や結膜に付着します。おのおのに対する特異的IgE(RAST)抗体が産生され、肥満細胞に結合したIgE抗体が花粉アレルゲンと接触すると、肥満細胞が活性化され、ヒスタミンをはじめとする化学伝達物資が放出されます。

こうしたアレルギーの反応の場が、鼻粘膜、および結膜であることが多く、おのおのアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、そして双方同時に起こることも多いです。花粉粒子の直径は、20〜40μmと大きいので、鼻、眼に付着します。下気道には達しないため、喘息症状を起こすことは少ないです。

治療としては、以下のようなものがあります。
まずは花粉情報を活用し、できるだけ花粉からの回避をはかることが重要です。ゴーグルやマスク、花粉の付きにくい服を着る、外から帰ってきたら家に入る前に服についた花粉を払う、といったことが考えられます。

他には、抗アレルギー薬を予想の2〜4週前から季節を通じて内服、点眼、点鼻などをするといった方法があります。効果不十分の場合は、ステロイド剤の局所投与を行うこともあります。

さらに、減感作療法といって、徐々に花粉に体を慣れさせていく方法もあります。これは、病因花粉の抽出液を少しずつ濃度と量を増やして皮下注射するものです。遮断抗体の産生によって予防効果が出現すると考えられています。

ただ、ハウスダストによる通年性アレルギー性鼻炎に比較し、花粉症における免疫療法の有効性は低いともいわれています。一定の効果はありますが、治療が長期間にわたるという欠点があります(即効性はあまりない)。

薬物療法としては、抗ヒスタミン薬化学伝達物質の一つであるヒスタミンの作用を遮断します。鼻炎を初め、多くの症状を軽減できるといわれています。

また、抗アレルギー薬(メディエータ遊離抑制薬)は、I型アレルギー反応における肥満細胞よりのケミカルメディエータ遊離を抑制し、症状の出現を予防します。DSCG(局所投与)、トラニラスト、ケトチフェン、アゼラスチン(経口投与)などがあります。DSCGは鼻炎には鼻粘膜に粉末散布、液噴霧などを行い、眼症状には点眼します。経口剤は両症状に用います。

くしゃみ・鼻漏型で、生活にあまり支障がない程度の軽症例では、第2世代抗ヒスタミン薬でよく、生活の支障が中程度の例では鼻噴霧用ステロイド剤と第2世代抗ヒスタミン薬を併用します。

局所ステロイドは、局所の抗炎症作用の強いベクロメタゾンの鼻粘膜へのスプレーが有効であるといわれています。いずれの薬剤も開花シーズン1〜2週間前より使用することにより有効で、開花期中は継続使用します。

鼻閉の強い症例には、点鼻用血管収縮薬を使用後に鼻噴霧用ステロイド剤を用いるとよいといわれています。ただ、点鼻用血管収縮薬は1週間程度にとどめ、薬剤性鼻炎に考慮します。

生活にかなり支障がある重症・最重症の例では、経口ステロイド・抗ヒスタミン薬配合剤を1〜2週間用いて軽症化をはかります。症状がコントロールされたら治療法を順次ステップダウンしていきます。

毎年繰り返す症状にお悩みの方も多いでしょう。今年こそは、快適に過ごせるように医師と相談の上、工夫なさってはいかがでしょうか。

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