以下は、最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で扱われていた内容です。

自称インドア派で、季節ごとに模様替えをしてはマイホームの暮らしを楽しんでいたH・Yさん(42)。本格的な寒さの到来とともに、ますます屋内で過ごすことが多くなっていましたが、ある日、暖かいリビングで一息ついた時、ふくらはぎにむずむずするような違和感を覚えました。

しかし、その奇妙な足のむずがゆさはいつの間にか消えていたため、特に気には留めませんでした。ところが、足のかゆみは続き、どんどん範囲が広がっていったのです。

具体的には、以下のような症状に悩まされていました。
1)ふくらはぎの奥のほうがむずがゆい
ある日、暖かいリビングで一息ついた時、ふくらはぎにムズムズするような違和感を覚えました。しかし、その奇妙な足のむずがゆさはいつの間にか消えていたため、特に気には留めませんでした。
2)ふくらはぎからかかとまで、むずがゆくなる
1週間後、湯船にゆっくいつかっていた時に、再び脚のむず痒さを感じました。しかも、ふくらはぎからかかとまで広い範囲で感じました。やはり見た目には異常がなく、しばらくさすっていると消えました。
3)寝ていると、足全体がむずむずする
翌日の深夜、寝ていると脚全体にむず痒さが襲ってきました。おまけにムズムズもこれまでとは違って、無数の虫が皮膚の下を這いまわっているような異様な感覚です。
たまらず屈伸運動をすると むずむずは治まりました。
4)昼間も足がむずむずする
今まで大丈夫だった昼間にも、むずむずが起こるようになりました。
5)肩がむずむずする
今度は、むずむずが肩にまで感じられるようになりました。

深夜、屈伸運動を続けるH・Yさんに夫は気がつきました。翌朝、夫に連れられ総合病院を訪ねました。その際、「むずむず脚症候群」と診断されました。

むずむず脚症候群(エクボム症候群、下肢静止不能症候群)とは、片側あるいは両下肢のふくらはぎ辺りを中心に、「虫が這うようなムズムズ感」や「刺されるような不快感」といった異常な感覚があり、そのため随意的または非随意的に足を「じっとしておられない」状態を指します。

主に夜間の入眠後30分以内に起きたり、1〜2時間にわたって持続します。そのため患者さんは、眠れなくなったり、不穏な状態になってしまいます。

この疾患の原因として、背景に貧血、ビタミン欠乏、癌、糖尿病や加齢などの関与が考えられているそうです。ですが、はっきりとした理由や病態は分かっていません。

番組中では、ドーパミンが深く関わっていると紹介されていました。ドーパミンの役割の一つとしては、運動や感覚などの信号を脳から筋肉に伝えることがあります。

ですが、「むずむず脚症候群」になると、ドーパミンに異常が発生し、筋肉に正しく信号が伝わらず、思う通りに動かしたり止まったりできなくなります。脚を動かした後、症状が治まったのは、筋肉の運動によって一時的にこの信号が正しく伝わったためと考えられます。

治療としては、以下のようなものがあります。
抗てんかん薬であるランドセン、リボトリール、催眠鎮静剤であるコンスタン、ソラナックス、マイスリーなどを就寝時に服用すると効果があるといわれています。また、抗パーキンソン病薬である、メネシット、ペルマックス、パーロデルなどが、効果を発揮することもあります。

また、病因の一つとして貧血が関係していることも指摘されており(神経系において、情報の受け渡しを行うドーパミンが、鉄分が不足すると分泌量が減り、情報を正しく伝えることができなくなってしまうといわれている)、そうした場合は貧血の治療(鉄剤の投与など)を行うことで症状が抑えられることも言われています。

適切な治療が行われれば、9割以上の方で改善が得られるといわれています。上記のような症状でお困りの方は、一度、内科などを受診なさってはいかがでしょうか。

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