19日、中国で肺がんになる女性が増えている。喫煙や受動喫煙、調理時の油煙などが女性の肺がん増加の主な原因になっているとの報告がある。2009年2月19日、新聞晩報によると、男性が肺がんにかかる割合が沈静傾向にあるのに対し、女性の肺がんは増加を続けている。

18日に開催された、肺がん治療薬である新型抗がん剤「タルセバ」(Tarceva)の専門家による研究会では、喫煙や受動喫煙、調理時の油煙が女性の肺がん増加の主な原因になっていると報告された。現在、中国の女性が肺がんにかかる割合は、欧州各国と比べても明らかに高く、特に上海に住む女性の肺がん発病率は世界平均を大きく上回っており、上海都市部の女性が肺がんにかかる増加率は男性を上回っている。

ある専門医は、男性と比べて女性のほうが肺がんになるリスクが高く、同条件下で喫煙した場合、危険性は男性の3倍に上ると話し、今後も肺がんにかかる女性がさらに増える可能性があるという。
(女性の肺がんが増加の一途、受動喫煙と調理時の油煙などが主因―中国)


肺癌とは、気管支および肺実質から発生した上皮性悪性腫瘍で、一般にその生物学的特徴から、小細胞癌と非小細胞癌(主に腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌からなる)に分けられます。肺癌は非小細胞癌(腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌)が約85%、小細胞癌が15%を占めます。

日本の臓器別癌死亡率の1位(肺癌は男性で第1位、女性で第2位)であり、罹患率・死亡率は男性のほうが女性より高く、女性の3倍から4倍になります。年齢別にみた肺癌の罹患率・死亡率は、ともに40歳代後半から増加し始め、高齢ほど高くなります。

肺癌は喫煙と深い関係があり、40歳以上のヘビースモーカーで血痰を訴えた場合は原発性肺癌を疑います。受動喫煙を考えて、職業や居住区、また家族歴で3親等内の癌の有無も念頭に置く必要があります。

病因は喫煙による影響が最も強く、発症危険率は喫煙本数と比例するといわれています。喫煙指数(ブリンクマン指数:1日に吸う本数 × 年数)が800を超えると肺癌の危険が高くなるといわれています。

ほかにも、環境因子(多くは職業性肺癌と呼ばれる)としては、放射線照射(ウラニウム鉱山労働者)、アスベスト曝露(chrysotileの有害性が高いといわれる)、6価クロム曝露などが知られています。

肺癌では癌遺伝子、癌抑制遺伝子の両方に複数の異常がみられ、大腸癌と同様、多段階発癌過程が考えられています。癌抑制遺伝子の異常(欠失)が先行し、癌遺伝子の異常(過剰発現)が引き続いて起こるといわれます。こうした異常により、肺癌の発生が起こり、その引き起こす原因として喫煙などがあると考えられるわけです。

上記のデータは、タルセバの研究会での発表であるようです。こうした治療薬については、以下のような説明ができると思われます。
上皮成長因子受容体(EGFR)阻害薬であるエルロチニブ(商品名「タルセバ」)は、「切除不能な再発・進行性で、がん化学療法施行後に増悪した非小細胞肺癌」の適応で製造承認がなされています。

同様に、非小細胞肺癌に効果のある薬として、上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬であるゲフィチニブ(イレッサ)があり、は2002年に承認されています。ゲフィチニブはNSCLCの中で、―性、肺腺癌、ヘビースモーカーでない人、ち歓半態のよい症例に約30−40%の奏効率が得られています。

タルセバとイレッサは、基本的には同様であると考えられます。ですが、効果および副作用の面で、少しずつ違った結果が出ています。

2001年8月から2003年1月まで、標準治療が効かなかった進行・再発肺がんの患者731人を対象にカナダで大規模な臨床試験が行われており、タルセバを服用した患者のほうが、偽薬(プラシーボ)を服用した患者より生存期間が2ヶ月延長され、生存率も改善されたという結果が出ています。

差はわずかではありますが、有意な差であったといいます。さらに、症状も比較検討され、タルセバ群のほうが偽薬群より咳、呼吸困難、痛みなど、症状が悪化するまでの期間(無増悪期間)が長かったそうです。

副作用も、疲労、発疹、食欲低下、下痢などがタルセバ群で多かったですが、中でもグレード3以上という、相当つらい副作用としては、疲労19パーセント、発疹9パーセント、食欲低下9パーセント、下痢6パーセントで、中止に至ったのは5パーセントでした。

タルセバがイレッサと大きく異なるのは、その投与量です。タルセバの投与量はイレッサの750、1000ミリグラムに相当する多い量だろうと言われています。その関連からか、イレッサでは効きにくいとされる扁平上皮癌にもタルセバは効いているといわれています。

さらには、骨転移や胸膜播種、がん性髄膜炎、脳転移など従来の抗がん剤では奏効しにくい場所の転移でもタルセバが奏効する例の報告もあります。

治療の選択肢が広がったことで、化学療法が効かなかった場合でも治療継続が可能となると考えられます。患者さんにとっては、希望を繋ぐ薬剤となりうるかもしれませんね。

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