以下は、ザ!世界仰天ニュースで扱われていた内容です。
2008年6月。都内で働く亜由美さんは初産を迎えようとしていた。
次第に陣痛の間隔が短くなり、いよいよ出産の時が近づいたと思っていた。ところが、赤ちゃんが下りてきて、陣痛の間隔が短くなっているにもかかわらず、子宮口がなかなか開かない。そのうち、赤ちゃんの心音が低下。胎盤機能が低下してきたのだ。

このままだと、赤ちゃんの命が危ないため、産科医は帝王切開を決断。そして手術開始から30分後、無事女の子を出産。早くわが子を抱きたい…そう思った瞬間、突然、火に触れた様な刺激と共に猛烈なかゆみが一気に体に広がった。さらに、のどが圧迫され、息をすることもできず、顔が腫れあがっていく。そして、そのまま意識を失ってしまった。

亜由美さんは、アナフィラキシーショックを起こしていた。体はわずか数分のうちに赤く腫れあがり、その腫れにより気道をふさいでしまったため、呼吸ができなくなっていた。すぐに気道の腫れを抑えるための薬を投与した。そして、呼吸停止から5分後ようやく呼吸再開、亜由美さんはぎりぎりで一命を取り留めた。しかし亜由美さんは人工呼吸器を挿管するまで、呼吸停止から5分も経過していたため、脳に障害が残る恐れがあった。幸い、亜由美さんはその後意識が戻り、声を出すことはできないが、体のあらゆる感覚はあり、脳はダメージを受けていないことが分かった。その後、順調に回復し、一般病棟へ。そこで、亜由美さんは命懸けで産んだ愛娘・美悠ちゃんと対面した。ようやくわが子と自分の命を実感した。

アナフィラキシーとは、外来物質の侵入が原因となり、それに対する急激な生体反応の結果、循環器系や消化器系、呼吸器系、皮膚などの広範な臓器が障害を受ける状態を指します。これが重篤となり、循環・呼吸不全に陥る場合をアナフィラキシーショックといいます。

もともとは、IgE抗体による即時型アレルギー反応によって起こるものとされていましたが(狭義としては、こちら)、同様の症状・経過をとるそれ以外の病態(こちらは、アナフィラキシー様反応と呼ぶこともある)も、広義のアナフィラキシーショックと呼ぶようになっています。

簡単に言ってしまえば、劇症型のアレルギー反応であり、入ってきた異物に身体が過剰に反応し、あらゆる場所が腫れ上がってしまい、喉頭浮腫を起こし、最悪の場合、呼吸困難で死に至ることもあります。

♂)秧勝↓気管支喘息様症状、7谿議祺爾典型的な症状であり、原因となる食物、薬剤、ハチ毒などの抗原侵入後、数分以内(抗原侵入5分以内)に症状が発現することが多いです。食物摂取後の体操や、ジョギングなどの運動が誘発する場合もあるため、こうした情報をしっかりと鉢合わせた周囲の人が伝えることが救命において重要です。

初期症状として、皮膚の痒み、口唇や手足のしびれ感、四肢の冷感、心悸亢進、喉頭違和感、悪心、腹痛などが起こります。さらに進展して、ショック症状を呈すると、顔面蒼白、喘鳴、呼吸困難、意識消失、血圧低下などをきたし、非常に危険な状態になります。

アナフィラキシーショックでは、迅速な治療が必要とされます。重篤な症状は起因物質曝露より5分以内に出現することが大部分であり、その5分間の救急処置いかんによって予後が決定されます。

薬物療法としては、エピネフリンを中心とするカテコールアミン、輸液、副腎皮質ステロイド、アミノフィリン、抗ヒスタミン薬などが用いられます。これらのうち症状の急激な点からいってもエピネフリンが第一選択となります。

上記のように気道の狭窄が認められた場合は、アミノフィリン(ネオフィリン)の静注、β2-刺激薬の吸入などを行います。また、気道確保のため、気管内挿管や気管切開が考慮されます。

亜由美さんがアナフィラキシーショックを引き起こした原因は、以下のようなものでした。
亜由美さんはなぜ強いアレルギー反応を起こしたのか?実は以前、亜由美さんは歯科助手の仕事をしていた際、ゴム手袋をすると、皮膚が赤くなることがあったという。それを聞いた医師は「ラテックスアレルギー」の疑いあるとの診断をした。

ラテックスアレルギーとはゴムの木の樹液を原料とした天然ゴム製品に接触することで起こるアレルギーのこと。亜由美さんは歯科助手の仕事を始めて1年ぐらいは何ともなかったが、医療用のゴム手袋を使うことにより症状はひどくなっていった。

とはいえ、亜由美さんのアレルギー症状は皮膚に触れた部分が赤くなり、かゆみが出る程度。それがなぜ、命に関わるアナフィラキシーショックに陥ったのか。理由は手術現場にあった。帝王切開に臨んだ時、そこには執刀医はじめ、天然ゴム製の手袋をはめた手があった。そして、その手で亜由美さんの粘膜や血管に直接触れたことにより、アレルギーによるショックは一気に激しく広がったと考えられた。

現在、亜由美さんが命懸けで産んだ美悠ちゃんは9ヶ月。スクスクと成長しているが、両親は美悠ちゃんにも早いうちにラテックスアレルギーの検査を受けさせることを決めている。そして、亜由美さん自身もおくすり手帳にラテックスアレルギーであることを明記し、注意深く天然ゴムを避ける生活を送っている。

ラテックスアレルギーとは、天然ゴム製医療用具、日用品に残存するゴムの木の植物蛋白質によって感作され、接触じん麻疹、アナフィラキシーショック、喘息、アレルギー性鼻炎などを発症する即時型アレルギー疾患の1つです。

ちなみに、ラテックスアレルギー患者の半数以上に、ゴムの木の蛋白質と交叉反応性を有するクリ、バナナ、アボカド、キウイなどの食物の摂取で「口腔アレルギー症候群」、アナフィラキシーショックを起こすことがあります(ラテックス・フルーツ症候群)。

「ゴム風船で唇が腫れたことがある」「バナナ、クリ、アボカド、キウイを食べて口の中がかゆくなったりしたことがある」といった場合、もしかしたらラテックスアレルギーがある可能性があります。

血液検査が行われることもありますが、ラテックス特異IgE抗体を測定しても、偽陰性率(実際はアレルギーがあるのに、陰性となる)は25%前後あるので、陰性であっても注意が必要となります。

治療方針としては、天然ゴム製品との接触を避けるようにします。ラテックス製品との接触を長期間控えていると、皮膚テストの反応性や特異IgE抗体が低下してくるという報告もあります。

また、患者さんの半数以上で、ラテックス・フルーツ症候群を発症することがあるので、バナナ、クリ、アボカド、キウイなどの交叉反応性がある食物の摂取には注意する必要があります。

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