2009年2月27日、北京市第二中級法院でドイツ人患者の医療ミスをめぐる裁判が始まった。膝蓋骨置換手術を受けた結果、右足の長さが左足より3cmも長くなってしまったという。法制晩報が伝えた。

原告のドイツ人患者はある企業の販売マネージャー。2007年夏に北京市の和睦家婦嬰医療保健センターで検査を受けた際、同院の周医師から膝蓋骨置換手術を受けるよう勧められたという。

手術は日中友好病院で李医師により行われた。ところが手術した右足が左足より3cmも長くなってしまったため、再手術が必要となった。ドイツ人患者は、この賠償と精神的被害の補償として、和睦家婦嬰医療保健センターに約164万元(約2330万円)を求めている。

争点となったのは、手術を行った病院ではなく、和睦家婦嬰医療保健センターを相手取って訴訟が起こされた点。原告側は周医師も李医師も同院と契約を結んでいると主張、一方の被告側は紹介し入院の手続きをしただけであり、責任はないと主張している。
(手術で両足の長さ不揃いに!ドイツ人患者が賠償求め訴訟)


変形性膝関節症または関節リウマチなどで、変形、破壊を認め、関節機能障害が強い場合、関節面を形成し、人工関節などで関節機能を再建することが行われます。こうした場合、人工膝関節での膝蓋骨置換をいうことが多いです。

人工膝関節置換術は、破壊された膝関節を金属、ポリエチレン、セラミックなどの人工材料で修復し機能を再建する手術を指します。適応は65歳以上、関節リウマチ、変形性膝関節症などに伴う膝関節の強い疼痛、高度の変形、関節の不安定性などによる歩行障害が生じ、かつX線像においても関節の破壊がみられるものになります。

軟部組織は、温存し関節の表面だけを入れ替える表面置換型と、関節の安定性も人工関節に依存する制御型があり、関節の状態により使い分けることになります。社会復帰が早く、除痛効果は大きいという利点があります。

ですが、術後の感染や緩みなどの合併症に注意を要します。最近は片側のみ破壊が強い場合には、単顆置換術が利用されることが増えています。耐用年数は20〜25年であるといわれています。

ちなみに、変形性膝関節症など膝関節における手術には、他には以下のようなものがあります。
関節鏡下手術は、炎症を引き起こす関節内の軟骨のカス(破片)や切れた半月板を取り除き、痛みを和らげるのが目的の手術です。比較的早期の症例や半月症状が主体であるとき考慮します。関節鏡視下に変性半月や骨棘を切除し、関節の洗浄を行います。

膝に直径5 mm程度の穴を3ヶ所開けて行います。一つの穴から、関節鏡を入れ、関節内の様子をみて別の穴から挿入した器具で、破片や半月板を取り除くことになります。体にかかる負担は比較的軽いですが、変形を治すわけではないので、痛みが再発することはあり、変形の軽い患者に向いています。

高位脛骨骨切り術は、脛の骨の一部をくさび形に切り取ってO脚を矯正し、体重が膝の外側にもかかるようにして変形を治す方法です。O脚気味の人は、内側の軟骨がすり減り、ますますO脚が進む、という悪循環に陥りやすいです。

この手術は、切った骨が完全につくまでに生活が制限されるのが難点となります。入院は1ヶ月〜1ヶ月半程度であり、元の生活に戻るまでには3ヶ月前後かかります。60歳代ぐらいまでの元気な人に向いています。

上記のケースでは、結果として再手術を行わざるを得なかったということであり、やはり執刀した医師の責任は免れないと思われます。一方で、病院を紹介した和睦家婦嬰医療保健センターを相手取って訴訟が起こされるのには、疑問が残ります。

病院を紹介されても、患者さんにはその病院で医療を受けるかどうかの選択の自由があります。そして、そこで医療を受ける場合、その病院との契約が交わされると考えられます。そこにおいて、紹介した病院の責任は問えるのでしょうか。

どのように決着が付けられるのかは分かりませんが、気になるところです。

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