喘息発作が起きた際には、その重症度を判定できることが重要である。

米国家庭医学会(AAFP)は、喘息発作の重症度を評価するために以下のような情報を提供している:
・活動時のわずかな喘鳴および軽い呼吸困難は軽度発作である。座っていれば正常に呼吸することができ、一連の文を途切れずに話すことができる。

・歩行時や安静時でも話すことが困難なときは中等度発作である。一連の文を話すのに途中で息継ぎをする必要がある。息を吐くときの大きな喘鳴もよくみられる症状。

・呼吸が極めて苦しいときは、さらに重度発作の徴候である。数語を話すだけでも途中で息継ぎを要する場合や、緊張や不安を感じることがある。

・極度の疲労感および錯乱の症状があるときは重度発作であり、即効性の喘息治療薬以外の処置を要する。救急外来へ行く必要がある。

(喘息発作の重症度を見極める)


喘息とは、気道の慢性炎症性疾患であり、気管・気管支平滑筋の攣縮、気道内分泌物の過多、気道粘膜の浮腫など、広範な気道の狭窄に特徴づけられます。簡単に言ってしまえば、突然気管支が狭くなり、咳や呼吸困難などの発作を起こす疾患です。

小児および成人ともに軽症・中等度症の死亡例が増加して、急激な経過で死亡することが問題になっています。重症ほど突然死を生じやすいというわけでないため、注意が必要となります。そうした意味で、上記のような喘息発作の重症度を知っておくことは重要となります。

具体的な分類としては、
小発作の症状:軽い喘鳴があり、軽い陥没呼吸を伴うこともある。日常生活は普通に行え、睡眠障害はほとんどない。Spo2は96%以上である。
中発作の症状:明らかな喘鳴、陥没呼吸を認め、呼気延長など明らかな呼吸困難がある。食事や睡眠はやや障害される。乳幼児では不機嫌となり、泣き声が途切れがちとなり、ミルクの飲みが悪くなることが多い。Spo2は92〜95%である。
大発作の症状:著明な喘鳴と呼吸困難。起坐呼吸を呈し、時にチアノーゼや奇脈を認める。会話は途切れ気味、睡眠障害著明。乳幼児では呻吟、うなり声、冷汗。Spo2は91%以下。学童以上の喘息児では、ピークフロー値は自己最良値の30%未満であることが多い。

このようなことを指標に判断します。

喘息発症の初期の誘因として、気道における抗原の慢性曝露や、気道感染を代表とする慢性気道刺激があるといわれています。具体的には、花粉やハウスダスト、ダニ、たばこの煙、ディーゼルの排気ガスなど、アレルギー物質を日常的に吸い込むことで、気道に炎症が起こります。

また、上記のような刺激に対する過敏反応として、気管支平滑筋・気道粘膜の浮腫、気道分泌亢進などにより気道の狭窄・閉塞が起こり、いわゆる喘息発作を起こすことがあります。

気管支喘息患者にみられる発作性の呼吸困難、喘鳴(「ヒューヒュー」「ゼェーゼェー」という音が、聴診器を使わずに聞こえる状態)、咳の症状がみられる状態です。

気道狭窄がひどくなり、気流制限(呼吸ができにくい状態)が起こるために生じます。軽度〜致死的な発作まであり、自然に、または治療により発作が終われば元の状態に戻ります。夜間から早朝に出現することが多く、治っても反復し、安静時にも出現することがあります。

喘息発作の程度は、小発作から呼吸不全まで幅が広く、それに応じた対処をすることが重要です。たとえば、小発作はしばらく観察して、改善がみられず悪化する場合は受診、中発作以上は直ちに受診、といった対処が必要となります。

具体的には、小発作や中発作は短時間作用性β2-刺激薬(気管支拡張薬)の吸入や内服を行い、吸入なら15分後、内服なら30分後に効果判定をします。これでも改善がみられないときは、ただちに受診するべきであると考えられます。

具体的な治療としては、以下のようなものがあります。
治療としては、発作を起こしたときと日常的な長期管理では、その方法が異なります。

中発作での治療も、第一選択はβ2-刺激薬の吸入です。Spo2は95%未満のときは酸素吸入します。吸入しても発作が不変あるいは悪化する場合や、20分ごとに3回吸入しても改善がみられないときは、ステロイド薬の静注・経口とアミノフィリンの点滴静注のいずれか、あるいは両者を実施します。アミノフィリンは初期投与が終了したら維持量を持続点滴します。改善(喘鳴の消失、Spo2≧97%)した場合、帰宅可能となります。

大発作(著明な喘鳴と呼吸困難があり、起坐呼吸を呈し、時にチアノーゼや奇脈を認めるような場合。会話は途切れ気味)が起こった場合、入院治療が原則となります。酸素吸入、β2-刺激薬吸入、アミノフィリン点滴静注、ステロイド薬静注などを同時並行で開始していきます。

抗ロイコトリエン薬(プランルカスト、モンテルカストなど)は、強力な気管支拡張作用と抗炎症作用を併せ持ち、必要に応じて経口投与します。また、近年開発された長期作用性吸入β2刺激薬は、12時間以上の気管支拡張作用を有するので夜間喘息の治療に有効となります。

長期管理では、基本的にこうした発作を起こさないことが必要となります。長期管理薬では、吸入ステロイド薬が最も重要な基本薬剤で、これにより気管支喘息の本体である気道の炎症を抑えることが気管支喘息治療の基本となります。

重症度に応じて、吸入ステロイドの増量、経口ステロイド、長時間作動型β2刺激薬(吸入薬・貼り薬があります。いわゆる気管支拡張薬です)、抗アレルギー薬、抗コリン剤などを併用します。

しっかりと長期管理薬の使用を行い、まずは発作を起こさないよう心がけることが必要です。また、発作が起こってしまったときも、その重症度を判断し、適切な行動にすぐ移れるように日頃から考えておくことも重要であると思われます。

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