以下は、ザ!世界仰天ニュースで扱われていた内容です。
範雄さんは、昼食を摂っている際、心窩部に不快感があり、食事があまり入らなかった様子です。しばらくして夜間に倒れ、吐血してしまいました。吐血とは、肉眼的に確認しうる中等量から大量の血液成分の嘔吐をいいます。
通常は、トライツ靱帯(十二指腸と空腸の境目にある)より口側を出血源とした上部消化管出血を指します。つまり、食道、胃または十二指腸などが出血源となるわけです。ただ、トライツ靱帯より肛門側の消化管に出血源があった場合でも、さらに肛門側に狭窄・閉塞などの通過障害があれば吐血を起こしえます。
一般に、胃より肛門側での出血は、ヘモグロビン(Hb)が胃酸によりヘマチンに変化するため、“コーヒー残渣様”と表現される暗赤色から黒褐色となります。この変化は、出血量、胃内停滞時間に影響を受けます。
したがって、胃潰瘍など、胃・十二指腸からの出血は、通常、コーヒー残渣様ですが、急性大量出血の場合は、鮮血となることもあります。一方、食道静脈瘤など、胃より口側での出血では、鮮血となることが多いですが、いったん胃内に停留すればコーヒー残渣様となりえます。
原因としては、消化性潰瘍、胃炎(AGML)、胃・食道静脈瘤破裂が3大疾患で、全体の69〜86%を占めており、これにMallory-Weiss(マロリー・ワイス)症候群、胃癌などが含まれます。
上記のケースでは、悪心などがみられており、おそらく胃炎や消化性潰瘍などが原因となって吐血したと考えられます。
このような状況になり、果たして範雄さんはどうなったのか、以下のような流れになりました。
輸血をする上で、やはり臨床的にはABO式血液型不適合による赤血球輸血が最も問題となります。供血者赤血球上の抗原と、受血者血清中の抗体が結合し、補体を活性化して起こる血管内急性溶血反応が主な病態となり、各種メディエーターの活性化による免疫反応も関与するといわれています。
こうした溶血反応は、輸血開始後数分で症状が現れ、発熱、悪寒、悪心・嘔吐、頻脈、頻呼吸、呼吸困難、胸痛などのほか、高カリウム血症、ヘモグロビン尿、血圧低下、意識障害、けいれんなどを発症し、しばしばショック、呼吸不全、DIC(播種性血管内血液凝固症)、急性腎不全などに移行する可能性もあります。
ただ、上記のようにAB型ではA/B/O型のいずれからも、原理的には赤血球(MAP)輸血ができます(血漿中に抗A抗体も抗B抗体も無いため)。一方、O型の赤血球はA型抗原もB型抗原ももっていないため、A/B/O型に原理的に赤血球輸血ができます。
結果的には、範雄さんはB型であったということであり、まったく問題がなかったのですが、いざというときのため、しっかりと検査しておくことが重要であると考えられます。
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範雄(のりお)さんと友子さん夫婦に起きた仰天事件。
2005年4月、定年退職した友子さんのお祝いに、息子家族など総勢10名でハワイ旅行を計画していた。しかしなぜか、範雄さんだけ海外旅行に乗り気でない様子。先週まで「海外旅行が一番だ」って言っていたはずなのに、すぐ意見が変わってしまう。まさに典型的なAB型だとみんなは呆れた。
しかしいざ来てみると、それまで乗り気じゃなかった範雄さんは上機嫌!家族も一安心。ところが3日目の夜・・・大きな音で目を覚ました友子さん。側には範雄さんが倒れており、完全に意識を失っていた。あわてて範雄さんの体を起こすと、なんと大量に吐血!すぐに救急車を呼び、範雄さんは病院へ。しかし本当の事件はこれから…。
範雄さんは、昼食を摂っている際、心窩部に不快感があり、食事があまり入らなかった様子です。しばらくして夜間に倒れ、吐血してしまいました。吐血とは、肉眼的に確認しうる中等量から大量の血液成分の嘔吐をいいます。
通常は、トライツ靱帯(十二指腸と空腸の境目にある)より口側を出血源とした上部消化管出血を指します。つまり、食道、胃または十二指腸などが出血源となるわけです。ただ、トライツ靱帯より肛門側の消化管に出血源があった場合でも、さらに肛門側に狭窄・閉塞などの通過障害があれば吐血を起こしえます。
一般に、胃より肛門側での出血は、ヘモグロビン(Hb)が胃酸によりヘマチンに変化するため、“コーヒー残渣様”と表現される暗赤色から黒褐色となります。この変化は、出血量、胃内停滞時間に影響を受けます。
したがって、胃潰瘍など、胃・十二指腸からの出血は、通常、コーヒー残渣様ですが、急性大量出血の場合は、鮮血となることもあります。一方、食道静脈瘤など、胃より口側での出血では、鮮血となることが多いですが、いったん胃内に停留すればコーヒー残渣様となりえます。
原因としては、消化性潰瘍、胃炎(AGML)、胃・食道静脈瘤破裂が3大疾患で、全体の69〜86%を占めており、これにMallory-Weiss(マロリー・ワイス)症候群、胃癌などが含まれます。
上記のケースでは、悪心などがみられており、おそらく胃炎や消化性潰瘍などが原因となって吐血したと考えられます。
救急処置を終えた範雄さんの病室に入った友子さんは、夫に繋がれた点滴や輸血パックを見てある事に気付いた。それは、輸血パックに書かれている「B」の文字。「Bってもしかして血液型?」しかし、範雄さんはAB型。これは大変なことだ!間違った血が輸血されたら、血が固まって死んでしまう!?友子さんは急いで輸血を止めさせようとするが、ここは外国。看護師に言葉も通じず、友子さんはそのまま部屋を追い出されたしまった!
このような状況になり、果たして範雄さんはどうなったのか、以下のような流れになりました。
この状況を説明しようにも、日本語をしゃべれる人はいず、誰も相手にしてくれない。しばらくして、病室へ、戻った友子さん。恐る恐る範雄さんの様子を見た。しかし…範雄さんに変化はない。そんな夫の様子に友子さんも『B型はいろんな血液型から輸血できるのかな?便利ね…』と思うように。
実際、赤血球の輸血であれば、AB型はA/B/O型のいずれからも輸血を受けることが出来るという。そして翌日、範雄さんは無事回復。家族は一安心。そして例の大騒ぎの顛末を話したところ、範雄さんから暢気な答えが。実は範雄さん、これまでAB型を公言してきたが実は検査したことが無く、性格からなんとなくAB型だと信じていただけだった。帰国後、病院で検査をしてみると、範雄さんの血液型は「B型」と判明!全ては範雄さんの勘違いが引き起こした騒動だった。
輸血をする上で、やはり臨床的にはABO式血液型不適合による赤血球輸血が最も問題となります。供血者赤血球上の抗原と、受血者血清中の抗体が結合し、補体を活性化して起こる血管内急性溶血反応が主な病態となり、各種メディエーターの活性化による免疫反応も関与するといわれています。
こうした溶血反応は、輸血開始後数分で症状が現れ、発熱、悪寒、悪心・嘔吐、頻脈、頻呼吸、呼吸困難、胸痛などのほか、高カリウム血症、ヘモグロビン尿、血圧低下、意識障害、けいれんなどを発症し、しばしばショック、呼吸不全、DIC(播種性血管内血液凝固症)、急性腎不全などに移行する可能性もあります。
ただ、上記のようにAB型ではA/B/O型のいずれからも、原理的には赤血球(MAP)輸血ができます(血漿中に抗A抗体も抗B抗体も無いため)。一方、O型の赤血球はA型抗原もB型抗原ももっていないため、A/B/O型に原理的に赤血球輸血ができます。
結果的には、範雄さんはB型であったということであり、まったく問題がなかったのですが、いざというときのため、しっかりと検査しておくことが重要であると考えられます。
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