有限会社ウィズは、長年のオーダーメイドかつら製造を通じて培った技術をもとに、かつらのベース生地を自由自在にカットし顔の輪郭に合わせカスタマイズ調整できる男性用のセミオーダー医療用かつら製品「メディフィット for men」を開発し、販売を始めた。

また、このかつら製品を販売するための特設サイト「医療用かつら.com/メンズ」も今月より正式オープンした。

「かつら」に求められる最大の条件は、「かつらと分からないこと」だ。これが当たり前のようで結構難しい。特に難しいのは女性より男性だ。男性は短めのヘアスタイルを希望することが多いため、生え際やつむじなどの本物と同じ髪質感をリアルに表現するのは高度な技術を必要とする。そのため、人それぞれ違ったフェイスラインに馴染むかつらはこれまで、作製期間を1ヶ月以上必要とする高額なオーダーメード製品に限られていた。

しかし有限会社ウィズはこの壁に挑戦。かつらの形状をカスタマイズ調整可能としたことで、それぞれのユーザーの顔の輪郭にあった、自然にみえるかつらが即納可能となった。

また、治療の経過で髪量が急激に増減する医療用かつらでは、装着時の自然さに加えて、過敏な肌に負担とならない軽くてソフトな肌合いと、髪量に合わせて伸縮する柔軟性が求められている。「メディフィット for men」はこの点も考慮し設計されている。

さらに、「メディフィット for men」の特長はその手軽さだ。インターネット専門の直販体制と提携美容院システムにより、一律14万8千円という非常に安価な値段での提供を実現している。NHK「おはよう日本」、「ゆうどきネットワーク」「BS1 経済最前線」などの番組でも取り上げられ、ますます注目が高まっている。
(抗がん剤治療者に朗報。即納可能な男性用医療かつら)


毛髪が生え変わるヘアサイクルは、成長期(2〜6年)→退行期(2週間)→休止期(3〜4カ月)→成長期…となっており、生えては抜ける、といったサイクルを繰り返しています。ただ、このサイクルは頭髪や眉毛などの体毛で、その長さが異なります。

抗癌剤を代表とする、細胞増殖を抑制する薬物では、成長期脱毛を引き起こします。すなわち、ヒトの組織の中で、最も活発に細胞分裂をしている毛母細胞を直接障害し、脱毛を引き起こしてしまいます。

成長期脱毛の代表である抗癌剤による脱毛は、投与1〜2週間後よりびまん性にバッサリ抜けます。ただし、眉毛や睫毛は休止期毛が多いため、脱落しないことが多いです。

一般に、抗癌剤ではほぼ必発で脱毛が起こります。他にも、大量のコルヒチン(痛風・高尿酸血症治療薬)も成長期脱毛を起こします。

ほとんどの場合、薬剤中止で頭髪は速やかに再生しますが、一部の組み合わせでは永久脱毛を来すこともあります。たとえば、ブスルファンとシクロホスファミド(抗癌剤)の組み合わせでは、永久脱毛が起こりえます。

対策としては、以下のようなものがあります。
抗癌剤による成長期脱毛の予防法で、効果的なものはないといわれています。そのため、抗癌剤で脱毛が予測される場合は、予測される経過をしっかりと認識していただくことが重要であると思われます。

多くの場合、原因薬剤の終了・中止で、頭髪は再生します。それでも、治療期間中は頭髪の脱毛は気になる方が多いのではないでしょうか。いっそのこと、男性では坊主頭にしてしまうことも一つの手かとは思われますが、上記のように医療用かつらなどを利用されることも良いのではないか、と思われます。

抗癌剤治療は精神的にも肉体的にも、非常にストレスのあるものではないか、と思われます。こうしたケア用品が、より一般的に手に取りやすくなれば、と普及することが望まれます。

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