7月からロンドンにて50ものカムバック・コンサートを開くため、まさに今バック・ダンサー選考や曲目の検討に余念がないというマイケル・ジャクソン(50)、気合いはかなりのものだと周囲も認めている。だが先月、マイケルの主治医は彼の皮膚がんを発見したようだ。

尋常性白斑という病気を患って20年、マイケルは紫外線を避けながら、様々な皮膚の病変と闘わなければならない。ロンドン・O2アリーナで行われるカムバック・ツアーのスタートまで、すでに2か月を切ってしまった今、まさに調子を上げなければならない時である。

英大衆紙「Sun」によれば、マイケルを診ている皮膚科医はこの4月の定期検診で、マイケルの上半身に皮膚がんの斑点を、そして顔面に前ガン状態の皮膚細胞を発見したという。だがいずれも簡単な手術によって完治が見込まれるとのこと、まずはひと安心である。
(マイケル・ジャクソン、皮膚がん発症か。)


尋常性白斑は「白なまず」とも呼ばれ、後天性に皮膚に白斑を生ずる疾患です。

白斑の分布により、左右対称性に広範囲に生ずる「汎発型」、単発または数個が生ずる「限局型」、神経支配領域に一致して生じる「分節型」に分類されます。非分節型(A型)と分節型(B型)に分けられることもあり、両者は病因も自然経過もまったく異なります。

尋常性白斑全体で人口の1〜2%、非分節型白斑対分節型白斑の比は3:1であるといわれています。

非分節型白斑の病因は自己免疫説が一般的で、最近酸化ストレス説が強調され、抗酸化剤の有効性を報告するものもあります。関与する免疫機序については、液性免疫、細胞性免疫両者についての報告があり、特定されていません。

一方、分節型白斑の原因は局所自律神経、特に交感神経の異常が考えられています。

経過としては、非分節型白斑は全年齢層に初発し、初めは少数の白斑をみるのみですが、鎮静期と増悪期を繰り返しながら次第に数と大きさを増し、生涯進行性でついには全身に及びます。マイケルジャクソンさんは、こちら側ではないか、と考えられます。

進行期にはケブネル現象(外的刺激を受けた部位に疾患固有の病巣が出現する現象)がみられ、関節背面や脂漏性湿疹が起こりやすい部位に好発します。

分節型白斑は小児や30歳くらいまでの若年者に初発し、ある小範囲の皮膚に生じた白斑がその部を含む皮膚分節(帯状疱疹の発症範囲)内に急速に拡大、数ヶ月ないし数年で進行は止まって、以後はそのままの状態で生涯存続します。小児期発症例では思春期を挟んで20〜30%の自然退縮があります。

治療としては、以下のようなものがあります。
非分節型白斑は生涯進行性ですが、発症間もない病巣は薬物療法によく反応するので、早期発見・早期治療が重要です。長期にわたる治療になるので副作用がでないよう、弱以下に分類されるステロイド外用薬を1日2回塗布し、内服または外用によるPUVAを併用します。

急速に多発するときはステロイド内服を併用します。1日2錠を連日投与し、進行が止まるのを確認しながら1/4〜1/3量ずつ減量して半年くらいで中止します。ほかにも、タクロリムス、活性型ビタミンD3の有効性が指摘されています。

光線療法は有効性が高く、副作用の少ない狭波長域(narrow band)UVBが第1選択として使用されています。内服PUVAも有効ですが、眼への影響のため昼間の入院治療が必要になると考えられます。内服PUVAに比べ、外用PUVAの有効性は劣り、狭波長域UVB照射は週2〜3回、最小紅斑量(MED)の70%程度の照射量から開始し漸増していき、少なくとも6ヶ月は継続します。

外科的療法も行われることがあり、患者さんの健常皮膚から吸引水疱で得た表皮を、白斑部に作成したびらん面に移植します。生着後に後療法として狭波長域UVB照射や外用PUVAを併用することもあります。

ショービジネスに身を置くため、外見の変化をきたす疾患となれば非常に大変な思いをされてきたのではないか、と思われます。疾患に負けず、今回のコンサートを是非とも成功させていただきたいと思われます。

【関連記事】
尋常性白斑

しみる陰部、かゆみにご注意−乳房外パジェット病(皮膚癌)