日テレ系「24時間テレビ32 愛は地球を救う」(8月29~30日放送)のメーンパーソナリティーを務める人気グループ「NEWS」の錦戸亮(24)が、番組内のスペシャルドラマ「にぃにのことを忘れないで」(同29日夜)に主演することが5日、分かった。脳腫瘍と8年間闘い続け、23歳でこの世を去った青年役。

ドラマは15歳で発病した脳腫瘍のため、23歳の若さで亡くなった最愛の息子の闘病生活をつづった、川上ますみさんの「にぃにのことを忘れないで―脳腫瘍と闘った8年間」を原作に描かれる。

錦戸演じる川井恵介は、幼い頃から文武両道で物理学者を志し、東大合格率の高い進学校に入学。家族の希望の星だったが、中学3年時に脳に悪性の腫瘍が見つかり、余命1年の宣告を受ける。

将来の夢や淡い恋心も病魔に奪われ、絶望する恵介は、治療をあきらめ「どうせ、僕はもうすぐ死ぬんだ! 何のために生まれてきたの」。一番近くで支えてくれる母にまで手を上げ、悲痛な叫びをぶつける。

同局の大平太プロデューサーは「母と子が二人三脚で病気に立ち向かうというより、壮絶な家族の闘いの物語」と説明。

先日、クランクインを迎え、錦戸は恵介が志望する東京大学を下見に行くシーンを撮影。高校の学生服に身を包み、痙攣を起こし倒れてしまう難しい場面にも臨んだ。原作を読んだ錦戸は「何気なく過ごす日常の中、ふと忘れてしまいがちな家族、友人、恋人の尊さ、当たり前のように明日がある今日を生きていける幸せを感じていただけるようがんばります」とコメント。
(錦戸亮 脳腫瘍と戦う…日テレ24時間テレビスペシャルドラマ主演)


脳腫瘍とは頭蓋内に発生する新生物の総称であり、原発性脳腫瘍と転移性脳腫瘍に大別されます。上記のような原発性脳腫瘍は、年間10万人当たり約10人程度発生するといわれています。男女差はなく、発症年齢は 5〜15歳と40〜50歳の2つのピークをもつといわれ、欧米に比較して日本では松果体の未分化胚細胞腫が多いといわれています。

脳実質由来の神経膠腫、脳を包む髄膜から発生する髄膜腫、脳神経鞘から発生する神経鞘腫、脳下垂体前葉から発生する下垂体腺腫で原発性脳腫瘍の80%を占めます。そのほかに頭蓋咽頭腫、胚腫・胚細胞性腫瘍などは本邦に比較的多いです。近年では、悪性リンパ腫も増加傾向にあります。

また、小児脳腫瘍とは、15歳未満に発症する脳腫瘍を指します。頻度は人口10万人につき2人弱であり、これは成人を含めた全脳腫瘍の約15%に相当します。脳幹や小脳などに発生するテント下腫瘍が約6割を占め、神経膠腫の占める比率が成人の脳腫瘍に比して高いです。また、頭蓋正中に発生する腫瘍が多いため、脳室系を圧迫し水頭症を来すことが多いといわれています。

小児脳腫瘍の病理組織分類別の頻度は
\浦挧腫;astrocytoma(全小児脳腫瘍の20.0%)
⊃餡蠎陝medulloblastoma(17.0%)
F蓋咽頭腫;craniopharyngioma(11.4%)
ゆ細胞腫;germinoma(7.5%)
ゾ絨畆陝ependymoma(6.0%)
β新燥渦蠎陝glioblastoma multiforme(4.5%)
の順になっています。上位を占めるこれらの腫瘍のうち頭蓋咽頭腫以外は、すべて悪性腫瘍であり、頭蓋咽頭腫は先天性腫瘍です。成人と比較した場合に、小児では悪性腫瘍が多いのが特徴です。

悪性腫瘍のうち髄芽腫、多形膠芽腫は特に悪性度が高いです。髄芽腫、胚細胞腫は放射線感受性が高い悪性腫瘍です。

ちなみに、「1歳未満に発症が認められる脳腫瘍」を先天性脳腫瘍と定義しています。先天性脳腫瘍であると診断される症例をA:確実、B:ほぼ確実、C:推定の3群に分類するとAでは奇形腫(teratoma)が最も多く(50%)、ABC全体では星細胞腫が最も多い(25%)といわれています。

脳腫瘍の増大に伴い、症状が徐々に進行するのが特徴となります。症状は腫瘍の局在に応じた片麻痺、失語、視力障害・視野欠損や、ホルモン産生下垂体腺腫にみられる内分泌症状、ホルモン低下症状などがあります。

また、腫瘍の増大に伴って起こる頭蓋内圧亢進症状(頭痛・悪心・嘔吐、うっ血乳頭)、局所刺激症状としてのてんかん発作などがあります。上記のケースでも、痙攣発作にて発見されたようです。

治療としては、以下のようなものがあります。
脳腫瘍は種類が多彩であり、さらには同じ組織型でも発生部位やサイズによって治療方針・予後が大きく異なる場合があります。

基本的には、手術によって可及的全摘出を目指しますが、個々の腫瘍に応じて手術、放射線治療(ガンマナイフなどの定位放射線治療を含む)、化学療法の中から最も適切な治療法を選びます。

高度な脳浮腫や急性水頭症による頭蓋内圧亢進には、グリセオール(濃グリセリン)やD-マンニトールなどの高張溶液の点滴静注を行います。また、さらに併発するおそれのあるけいれん発作予防のために抗けいれん薬を投与します。

一般的には部分発作にはテグレトール、エクセグランなどの使用を、全般発作にはデパケンなどを用いることが多いです。注射薬ではセルシンなどの静注が行われます。

髄膜腫・神経鞘腫・下垂体腺腫・頭蓋咽頭腫などの良性腫瘍は全摘出により根治可能であるので手術治療が主体となります。全摘出が不可能な場合にも可及的な摘出を行い、残存腫瘍に対してはガンマナイフなどを用いて、初回の治療で腫瘍の再発を可能な限り防止する必要があります。

機能野に残存する場合には、化学療法・放射線治療・免疫治療などを行います。特に、胚腫・胚細胞性腫瘍では放射線・化学療法の有効性が高く、治療の主体となっています。

上記のケースでは、23歳という若さで亡くなった青年のことがベースとなったストーリのようです。ドラマを介して、少しでも疾患に関する認識や理解が広まれば、と期待されます。

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