片頭痛(migraine)およびその原因は人によってさまざまであるが、よくみられる誘因がいくつか特定されている。米国立女性健康情報センター(NWHIC)によると、片頭痛の誘因には以下のようなものがある:
・過剰睡眠、または睡眠不足
・食事を抜くこと
・大きな音、強い匂い、明るい光など感覚に対する過剰な刺激
・ホルモンの変化
・ストレス
・気候の変化
・赤ワインの摂取またはカフェイン摂取量の変化
・人口甘味料のアスパルテーム
・チラミン、グルタミン酸1ナトリウム(MSG)、硝酸塩などの食品添加物
(片頭痛の引き金となるもの)


頭痛は、大きく分けて一次性頭痛(原発性頭痛)、二次性頭痛(続発性頭痛)、神経痛・顔面痛などと3つに分けられます。

一次性頭痛は片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛に代表され、いわゆる慢性の頭痛といわれるものです。それぞれの有病率は片頭痛8.4%、(20代女性に限ると約20%)、緊張型頭痛22.3%、群発頭痛0.07−0.09%と報告されており、頻度の高い疾患であるといえます。

二次性頭痛(続発性頭痛)は、脳、血管、鼻、眼、関節、歯などの器質性疾患に起因する頭痛です。原因は多く、生命の危険も存在するところから、特に注意深い診察が必要とされます。

一次性頭痛の代表的なものの1つが片頭痛です。片頭痛とは、拍動性頭痛(ズキンズキンと脈打つような痛み)を主体として、これにさまざまな随伴症状を伴う発作性頭痛です。こうした痛みが月に1〜2回、多い人では週に1〜2回発作性に起き、数時間から3日間ほど続きます。前兆を伴うものと伴わないものがあります。

片頭痛とは、拍動性頭痛(ズキンズキンと脈打つような痛み)を主体として、これにさまざまな随伴症状を伴う発作性頭痛です。片頭痛には前兆を伴うものと伴わないものがあります。

片頭痛の特徴としては、「若くして発症し、女性に多く、主に片側性(両側性もありうる)に繰り返す拍動性の頭痛」です。悪心・嘔吐といった随伴症状を伴いやすく、体動、光、音で痛みが増強します。発作間欠期には症状は示しません。

約3割に視覚異常や麻痺や感覚障害などの前兆を伴う症例(前兆を伴う偏頭痛)があり、しばしば家族歴を有します。中でも、代表的前徴は視野の中心付近から始まるキラキラ光る境界をもつ暗点(閃輝暗点)です。前徴は5〜10分にわたって徐々に進行し、60分以内に治まり、引き続いて頭痛が出現します。

前兆を伴わない片頭痛は、最も多いタイプ(50〜80%)で、明らかな前駆症状を伴わず発現します。頭痛が4〜72時間持続します。日常の動作で増悪することがあり、光過敏、音過敏を認めることがあります。

片頭痛の発生メカニズムについては、まだ解明されていない部分もありますが、有力な説としては「セロトニン説」と「神経血管説」の2つがあるそうです。
1)セロトニン説
ストレス・緊張などにより脳が刺激を受けると、血液成分である血小板から血管を収縮させる作用を持つセロトニンが多量に放出されるようになり、脳内の血管が収縮する。時間の経過と共にセロトニンが分解・排泄されて減少すると、一度収縮した血管が逆に広がりはじめるようになり、この時に頭痛が起こるようになるというもの

2)三叉神経血管説
脳から伝えられた何らかの刺激が血管周囲にある三叉神経を刺激し、三叉神経の末端から血管を拡張させる作用をもつサブスタンスPなどのさまざまな神経伝達物質が分泌される。その結果、血管が広がり、その周囲に炎症が起こって頭痛として自覚されるというもの。


誘因として空腹や寝不足、寝すぎ、アルコール、月経周期、経口避妊薬、運動、入浴、外出(騒音、暑さ、乾燥、日光での誘発)、匂い、ストレスなどが挙げられます。

こうした誘因をしっかりと把握することで、頭痛がおこることを回避することができるかもしれません。その意味で、上記のように記録を残しておくことは重要です。

ちなみに、国際頭痛学会による診断基準では「4時間以上持続する頭痛発作が過去に5回以上あったこと」を条件としています。具体的な症候上の診断基準としては、「(丗性、拍動痛、日常生活に支障がある、体動により頭痛が増悪する、の4項目のうち2項目を満たし、悪心あるいは嘔吐、光・音過敏、のうち1項目を満たすもの」とされています。

治療としては、以下のようなものがあります。
軽症例にはNSAIDsまたはエルゴタミン製剤に適宜制吐薬を併用します。トリプタン系薬物とは、セロトニンという1Bと1D受容体に選択的に作用して血管の拡張と炎症を抑える薬です。いずれも発作初期の服用で有効です。

エルゴタミン製剤については有効性も確認されていますが、ほかの内服薬に比し吐き気の副作用が多いためナウゼリン(胃腸機能調整薬)との併用が有用であるといわれています。吐き気の強い場合はNSAIDsの坐薬が使われることもあります。

中等から重症なものには、初めからトリプタン系薬剤を用います。ある程度頭痛が強くなってからでも効果がありますが、1錠当たりの薬価が高いというデメリットがあります。また、前兆期には使用できず、冠動脈疾患などを有する患者さんでは使用できません。

発作頻度が高いときや、発作が重度のときが多い場合には、予防治療を併用することもあります。ただ、すぐに効果が発現しない場合もあるので、有効性は少なくとも2ヶ月の投与をする必要があります。Ca拮抗薬(テラナス)やβ遮断薬(インデラル)、抗てんかん薬(デパケン)、抗うつ薬(トリプタノール)などが用いられます。

こうした治療でも反応しにくい患者さんの場合、自己注射が有効なことがあるようです。トリプタンの一つ「スマトリプタン」(商品名イミグラン)の自己注射薬が発売されています。使い方は簡単で、注射液が入ったカートリッジをペン型の注射器にセット、太ももに押し当ててボタンを押します。バネで5 mmほどの針が飛び出して皮膚に刺さり、薬剤が注入されるという仕組みです。

ただし、注射液の値段(健康保険での自己負担額)は1本1,000円強で、錠剤(1錠約300円)の3倍以上となっています。ほかに、医師が使い方を教える指導管理料や、初診時には注射器本体の加算があり、さらに3,000円以上負担が増えてしまいます。

このように、経済的な負担や、使い過ぎによる問題なども生じる可能性があり、主治医と相談の上、使用することが重要なようです。

【関連記事】
本当は怖い頭痛の誤った対処−片頭痛および緊張型頭痛

子供の片頭痛に対する対処と治療法