タレントのタモリさん(63)が13日から1週間、白内障の手術などのため休養する。10日放送のバラエティー番組「笑っていいとも!」(フジテレビ系)の中で本人が明らかにした。20日から復帰する予定。

タモリさんが同番組を休むのはゴルフ中のけがで入院した01年11月以来。今月17日放送の音楽番組「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)も休む。
([タモリさん]1週間休養 白内障手術のため)


白内障とは、水晶体が混濁した状態の総称です。大きく分けて、生まれつき水晶体の混濁が認められる先天白内障と、生後何らかの原因で水晶体に混濁が生じた後天白内障があります。

原因は加齢に伴うものが多く、そのほか糖尿病や筋ジストロフィーなどの全身疾患に伴うもの、ステロイド薬などの薬剤性、ほかの眼疾患(ぶどう膜炎・網膜色素変性など)に伴うもの、先天性のものなどがあります。

また、混濁部位によって、核、皮質、前・後嚢下白内障に分類されます。症状は混濁の部位と程度により異なりますが、霧視(視野に霧がかかったように見える状態)、羞明(過度にまぶしい状態)、視力障害などがあります。

視力障害は、白内障では一般的に徐々に進行します。また、視野の中で中心など特定の部位が見にくいなどの暗点が生じるのでなく、全体的にまんべんなく「かすむ」症状が特徴的です。また、遠方と近方の視力も同時に低下します。

さらに、羞明といって、後嚢下混濁など混濁の部位によっては、日当たりの強い場所や車のヘッドライトに対し強い「まぶしさ」を感じることもあります。

ほかにも、近視化という症状も現れることがあります。水晶体中央部(核部)の硬化により屈折力が強まり、近視が進行することがあります。中年になって近視が進行すると、かえって近くが見やすくなる場合があります。

白内障の診断は、散瞳薬を用いて散瞳後に細隙灯顕微鏡にて水晶体を観察し混濁の有無を確かめることで行います。混濁部位により、核、皮質、前・後嚢下白内障に分類されます。

核が褐色を帯びてくる核硬化白内障では、近視化(水晶体中央部[核部]の硬化により屈折力が強まり、近視が進行すること)し、後嚢下白内障では、近見視力の低下や羞明を初期には訴えることが多いです。

治療としては、以下のようなものがあります。
手術に踏み切るかは、症例によって大きく異なりますが、目安として矯正視力がだいたい0.6くらいになると手術を考慮します。手術は局所麻酔で行うことが多く、外来もしくは短期間の入院によって行います。成人に対する一般的手術方法としては、無縫合小切開超音波乳化吸引術および眼内レンズ挿入術を行います。

具体的には、水晶体の基底膜である水晶体嚢の角膜寄りのところを円形に切除し、ここから水晶体内容物を超音波で破砕し、吸引しながら除去します。中身のなくなった水晶体嚢に、プラスチック製の眼内レンズを挿入します。

眼内レンズは、保険が適用されのは、遠くなら遠くだけ、近くなら近くだけといった具合に、1ヶ所にだけ焦点を合わせた単焦点レンズですが、遠見と近見とも一定の視力が得られる多焦点レンズもあります。左右眼の度数を調整し、軽い近視となるように選択することが多いようです。

また、点眼薬など(カリーユニ、カタリン、タチオン)の薬物によって水晶体の混濁を軽減することは不可能であり、混濁の進行を遅らせる目的で行われ、混濁の除去には、上記のような手術が選択されます。

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