以下は、ザ!世界仰天ニュースで紹介されていた内容です。

泉流星さんは、ノンフィクション作家。アスペルガー症候群を患いながら、このことをノンフィクション作品として執筆し、作家デビューしています(エイリアンの地球ライフ―おとなの高機能自閉症/アスペルガー症候群)。

二作目「僕の妻はエイリアン―高機能自閉症との不思議な結婚生活 (新潮文庫)」では、夫の目から見た自閉症の妻という視点で、アスペルガー症候群の人物像を描き出しています。

「アスペルガー症候群」という診断が付くまで、彼女は社会生活を過ごす上で、困難の連続であったそうです。

アスペルガー症候群とは


アスペルガー症候群は、対人関係やコミュニケーションの障害、限局され特異的なパターンの関心などの点で自閉症に類似しますが、言語の遅滞があまりなく運動の障害を示す点で自閉症と異なるといわれています。

自閉症の上位概念として広汎性発達障害があり、非定型自閉症、小児期の崩壊性障害、アスペルガー症候群、レット症候群などが含まれます。また、自閉症は症例が多彩であり、健常者から重度自閉症者までの間にははっきりとした壁はなく、虹のように境界が曖昧であるため、その多様性・連続性を表した概念図を自閉症スペクトラムや自閉症連続体などと呼びます。

知的能力が低くない自閉症のことを高機能自閉症と呼び、また、知的能力の優劣に関わらず、一部の分野で驚異的な能力を有する場合もあり、その驚異的な能力を有する者をサヴァン症候群と呼ぶようです。

自閉症は男性に圧倒的に多く、頻度は1,000人に2人以下であるといわれています。原因は不明であり、脳機能障害が推定されています。精神発達遅滞の合併頻度は70〜80%と高く、認知機能には特異的な不均衡さがあり、時に特異的に良好な記憶力を示すことがあります。

こうした「アスペルガー症候群」と診断された彼女は、具体的には、以下のような人生を歩んできたそうです。

アスペルガー症候群の作家

1960年代後半、泉流星さんは兵庫県神戸市に生まれました。幼いころから周囲との不可解な違和感に悩んでいたといいます。教師をしていた厳格な父の元、彼女は育っていった。賢いと評判で、三歳の頃には絵本を読み、好きだったのは英語の本を読むことだった。その絵本ならば、ずっと眺めていられました。

幼稚園に行くことになり、その頃、周囲とのギャップが生じ始めます。そんなに大勢の暮らすところに行くことがなく、それほど大きな音が周囲でしている中にいることは、初めての経験だった。そして、同じクラスの子と遊ぶことでギャップが明確となりました。

「男女別々で遊びましょう」と保育士が言っても、『男の子の遊んでいる様子の方が楽しそうだ』と思うと、男子の方に混じって遊んでしまう。そうした周りと歩調を合わせることが難しい様子でした。

小学校に上がると、さらにその違いは明確になりました。関西であるため、同級生はみな、関西弁で話します。だが、彼女は標準語で話します。その標準語は、ニュースなどで学んだ、とのことです。また、常に敬語であり、打ち解けて話すことが苦手だった。教師には、さらに堅苦しい敬語で話しました。

会話をするときも、今まで話していた話題の流れを読むことが苦手でした。「昨日のテレビ面白かったよね」などと話していても、「隣のクラス、先生が休みなんだって」などと、全く別の話題を話してしまうそうです。

また、掃除の時間になると、「ぞうきんがけをして」「机を動かして」など指示がないと動くことができませんでした。何かを自発的にすることが苦手でした。

こうしたギャップに、彼女自身も悩んでいました。そして、それを解決するために百科事典などを読むようになりました。当然のことながら、それでも悩みは解消することができませんでした。

本も読んでいることもあり、成績は良かったです。ですが、勉強する上で、そこでも周囲とは異なっている点がありました。参考書などで、カラフルなものは気が散ってしまい、見ていることができませんでした。そこで、白黒の参考書を使用しました。

その参考書や教科書を、まるで写真でも撮るかのように記憶していきました。そのように、記憶力はよく、参考書などの暗唱もスラスラと行いました。

このように、かなり周囲とのギャップは生まれていました。ですが、学生時代は良かったですが、就職してからは以下のような苦難の連続でした。
働くようになり、独り暮らしをするようになった泉さん。ですが、引っ越しをしたにもかかわらず、長い間、部屋は片付きませんでした。整理したりすることが苦手でした。

仕事自体は、おもちゃ売り場の接客を任されました。そこで、多くの困難が待ち構えていました。まず、よくお釣りの計算を間違える。そして、接客をするにも、どう言葉を掛けたらいいのか分からない。クレーム処理をする際にも、余計にお客の感情を逆撫でしてしまう…そんなことがありました。

彼女にとって、うるさい職場環境が苦痛で、一日中、蛍光灯の下で働くことが彼女の集中力を妨げてしまうのです。そのため、彼女は異動願いを出し、経理に回されました。ところが、そこでも同様に計算ミスなど、多くのミスをおかしてしまいました。

泉さんは仕事が上手くいかず、悩んでしまいました。その結果、しばらくの間休職することになりました。その間、彼女は知人の紹介で男性と知り合い、結婚しました。

ですが、結婚後すぐに、夫との生活に違和感を感じるようになります。部屋の中を片付けていないことで怒られ、同じ寝室で寝ていると、夫の寝息が気になって眠れない…そうした違和感を感じるようになり、夫に「あなたと結婚しても、何もいいことがない」などと口走ってしまうこともありました。

そこで、泉さんは夫のことを理解しようと、彼の趣味であるオートバイの雑誌を暗記するなど、そうした「努力」を開始しました。そして、彼の愛を確かめようと、「遊びに連れて行って欲しい」「バッグが欲しい」などと言い出します。そして、金銭的に余裕がなくなっても、「お金と私と、どっちが大切なの?」と何度も質問していました。

こうした夫ともギャップを感じた泉さんは、今度は自分のことを理解しようとしました。そこで、心理学や精神医学の本を読み始めます。そこで、一冊の本で書かれていた「症状」が、ピッタリと自分に一致しました。

その障害の名前こそ、「アスペルガー症候群」でした。そこで、それを確かめる上でも、彼女は近所の精神科を訪ねます。そこで診断されたのは、「高機能自閉症・アスペルガー症候群寄り」でした。

アスペルガー症候群の診断

自閉症とアスペルガー障害は、ともに広汎性発達障害に属する障害です。自閉症は、
ー匆馘相互反応における質的異常
▲灰潺絅縫院璽轡腑鵑亮租異常
制限された常同的で反復的な興味や活動

これら3つを必須症状とします。アスペルガー障害の場合は、この3つの症状のうちで、言葉の文法的側面には遅れはほとんど認められませんが、言葉の使い方やイメージ機能に遅れや偏りがあることが特徴的です。ICD-10の診断基準では、2歳までに単語、3歳までに意思伝達に2語文を使うなど、早期の言語発達はほぼ正常でなければならない、とされています。

具体的には、
・高機能自閉症に比べ、言語性IQが高く動作性IQが低い。
・他人との共感に乏しく、一方的な対人関係で孤立。
・衒学的で表情に乏しい。
・天候や時刻表などの話題に夢中で風変わりな印象を与える。
・運動面に遅れや不器用を示す。

こうした特徴があるといわれています。

アスペルガー症候群の診断は、2歳過ぎより可能となりますが、知的に遅れのない高機能自閉症や、アスペルガー障害では小学校低学年以降と遅れることがあります。その後、年齢とともに社会生活に適応できることが多くなるようですが、一方で合併症が出現したり、いじめの対象となったり、不登校などの原因ともなってしまうようです。

子供の成長や発達には個人差があり、「もう少し大きくなれば大丈夫ですよ」などと医師は説明しがちであるため、幼児が自閉症であると診断されるまでに、長く時間がかかるケースがあるそうです。

こうした診断がつけられた泉さんは、ご主人に「私は、アスペルガー症候群。言葉でしっかりと言ってもらえないと分からないの。だから、『こんなことは言わなくても大丈夫だろう』と思うようなことでも、しっかりと言葉で話して欲しい」と説明した。

ご主人にも、心当たりがあった。「今日は飲み会で遅くなる」と朝に伝えたはずなのに、帰ると食事の用意がしてある。暗に「食事は要らない」と言っているはずなにに、それが伝わっていなかった。

そこで、二人は何でも話し合うようになった。そうすることで、彼女たちは、円満な夫婦生活を暮らしていくことができるようになったそうだ。

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