最期の最期まで、音楽を愛し、娘を愛し、ロックと共に生きてきた川村カオリが、7月28日午前11時1分息を引き取った。かねてから乳がんの再発・転移を発表し、闘病中であった。

またひとつ、音楽界は偉大な才能をひとつ失ってしまった。ここに、哀悼の意を表します。

以下が、オフィシャルサイトにて発表された全文である。
訃報
川村カオリ(本名:川村かおり)が、左乳がんの再発の為治療しておりましたが、本日平成21年7月28日午前11時01分、都内病院にて永眠致しました。ここに生前のご厚誼を深謝し謹んでご通知申しあげます。
享年38歳。

これまで応援して下さった皆様に深く感謝致します。
尚、親族の意向により、親族、友人のみの告別式とさせていただきます。
ご理解の程お願い申し上げます。

2009年7月28日 スタッフ一同

乳癌とは


乳癌罹患は年間約4万人で、女性が罹る癌の中でトップであり、年々増加傾向にあります。年間死亡は約1万人で、罹患のピークが40〜50歳代にあります。そのため、働き盛りの女性の罹患する癌の中で、乳癌は罹患率・死亡率とも第1位となっております。

乳癌罹患者数は1970年の約3倍で、食事内容の変化(脂肪摂取量の増加や初経年齢の低年齢化などで)今後も増加し、2015年には年間約48000人の女性が乳癌に罹患すると予測されています。年々増加の一途をたどり、現在、年間約1万人が死亡しています。

川村カオリさんは昨年10月18日、神戸市内で会見して乳癌再発を告白されました。昨年1月には既に乳がんの再発およびリンパ節、骨、肺への転移が判明しており、抗がん剤による化学療法を続けておられました。

川村さんは、神戸市内で行われた乳癌検診啓発運動「ピンクリボン」のイベントに、主治医も心配される中、参加されておられました。

余命1ヶ月の花嫁」などでも啓蒙運動が盛んに行われていましたが、乳癌検診受診率はそれほど高くありません。

患者さんの多くは、「乳房にしこりがある」と訴え、受診したという方がほとんどです。こうして「しこりに気づいて」受診されているということは、逆に言えば、検診にて発見されるのは、たった2割でしかないと日本乳癌学会の大規模調査で判明しています。

胸を触る自己診断で見つかる乳癌の大きさは平均約2cmで、自然に気づく場合は3cm以上が多いとのことです。痛みを伴わないことがほとんどであり、気がついてから、よく触れるために痛みや圧痛を伴うようになったと訴えることもあります。

早期癌は、直径2cm以下とされています。ですが、発見時には43%が2.1〜2.5cmに達しており、発見時にリンパ節に転移していた人も、3分の1を占めています。リンパ節に転移しない乳癌の10年後の生存率は約9割と高いが、転移をしていると7割以下に落ちるといいます。

こうした点からも、乳癌検診の重要性がお分かりいただけるかと思われます。

乳癌検診とは−検査内容について

一般的な乳癌のスクリーニング検査としては、問診、視触診、軟X線乳房撮影(マンモグラフィー)、超音波検査等が実施され、臨床的に疑いが生じると、生検が実施され組織学的診断により癌かそうで無いかが判別されます。早期がんの発見には、マンモグラフィ検診が有効です。乳癌の死亡率を下げるには、集団検診の受診率を上げることが不可欠とされています。

しこりの訴えがある場合は、その部位を念頭において、まず問診を行います。乳房腫瘤に気づくきっかけ、疼痛、乳頭分泌、腫瘤増大の有無を聴取し、さらに、月経状況、出産・授乳歴、乳腺疾患の既往、乳癌の家族歴、ホルモン補充療法の有無を聴取することが重要です。乳房腫瘤をきたす3大疾患は、乳癌、乳腺症、線維腺腫であり、これらを鑑別することが重要です。

問診の次は、視・触診を行います。腫瘤上の皮膚の陥凹(Delle)、浮腫、発赤、皮膚への癌の浸潤、潰瘍形成などが乳癌の所見としては有名ですが、これらは進行した癌でみられるようです。早期の乳癌や良性腫瘍、乳腺症などでは皮膚所見はほとんどみられません。

また、上肢を挙上したり、手を腰に当てて胸を張ったときに、乳房の一部に陥凹(slight dimple)が現れないかどうかをみておくことも必要となります。これは、Cooper(クーパー)靭帯に乳癌が浸潤し、皮膚との距離が短縮されたために起こる現象です。

乳房の触診は仰臥位で、両手を頭の後ろで手を組み、肘を張って、胸を張るようにした体位で行います。乳癌の特徴的な触診所見は、弾性がやや乏しい硬い腫瘤として触知し、表面は粗いか凸凹で、周囲の乳腺組織との境界がやや不明瞭となります。また、両側の鎖骨上窩と腋窩を触診し、リンパ節の腫脹の有無を調べることも重要です。リンパ節を触知した場合は、個数とともに、それぞれのリンパ節の大きさ、硬さ、可動性などを調べます。

検査としては、超音波検査あるいはマンモグラフィーを行います。これらは、以下のような検査です。
超音波検査では、正常の乳腺は皮膚の下のエコー輝度の低い脂肪に囲まれたエコー輝度の高い均一な像として描出されます。一方、乳腺に腫瘍性病変があるとこの組織構成が崩されて、低エコーの像として描出されることが多くなります。

マンモグラフィーとは、専用のX線撮影装置を用いて乳房を強く挟んで病変前後の乳腺を排除して撮影するものです。二方向で撮影あるいは圧迫スポット撮影を行って評価します。

非触知乳癌の発見や乳房腫瘤の良悪性の鑑別、乳癌の拡がり診断に有効であるといわれています。マンモグラフィーでは、描出された腫瘤陰影と石灰化像から、その腫瘤の良・悪性を診断していくことになります。

マンモグラフィーにおける乳癌の典型的な像としては、放射状陰影(spicule)を有する不整形の腫瘤陰影で、周辺の透明帯(halo)を伴わないか、伴ったとしても不均一なものです。また、形状不整の集蔟した微小石灰化像は、乳癌を疑う所見となります。

病歴情報や身体所見、超音波検査やマンモグラフィーの結果に基づき、腫瘍の存在が疑われたときには穿刺吸引細胞診へ進みます。診断は通常の細胞診と同様に細胞の異型度から、class (正常)から class (癌)の5段階で行われます。

川村さんは、再発乳癌で残念ながら亡くなってしまわれたそうです。化学療法などで闘病を続けてこられて、仕事も精力的に継続して行ってこられたそうです。ぜひとも彼女の遺志を活かし、乳癌検診率が増えていくことが望まれます。

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